【必殺シリーズ十周年記念公演】(1982年7月31日〜8月16日/名古屋・名鉄ホール)
「新・必殺仕事人」必殺・鳴門の渦潮

【物 語】
南町奉行所同心・中村主水(藤田まこと)は、例によって家庭では義母・せん(菅井きん)と妻・りつ(白木万理)に頭が上がらないダメ亭主。勤め先の奉行所でも仕事はしくじるし、カッコ悪ーいおまわりさん。ところが「裏の顔」は、必殺仕事人集団を率いるリーダーだ。
そんな中、江戸の町で若い娘が相次ぎさらわれた。中村主水と勇次(中条きよし)・秀(内藤剛志)・加代(鮎川いずみ)ら仕事人グループは、聞き込みの結果、どうやら誘拐事件の黒幕が、謎の黒装束の一味と姫縛りの玄内(藤田まこと・二役)らしいと突き止める。その内、秀の恋人お文(藤洋子)や勇次の弟子・お清(尾崎弥枝)までもが一味にさらわれてしまう。だが、主水ら町方は十分な手がかりのないまま、数日が経過する羽目に……。
主水ら仕事人の腕を信じた加代は、自ら囮になって謎を探ろうとするが、逆に囚われの身となってしまう……。主水らが調べる内に「徳島藩」の名が浮かび、勇次は秀を伴って、徳島藩の本拠地へ向かおうとするが、忍び込むつもりの御用船は、一足先に船出してしまった。急ぎ小船を借りた仕事人たちは、御用船の後を追うが、鳴門の海は嵐で渦巻いていた。秀はお文の安否を思い、荒れ狂う海へ飛び込んだ!
《各種資料の記述より再構成》
【解 説】
前年の舞台「必殺・女ねずみ小僧」の好評により、必殺シリーズ十周年記念公演として行われた舞台で、同年秋のSP「仕事人大集合」や「必殺仕事人III」放映に先駆けた《前夜祭》と言える内容になっている。見所は、「必殺シリーズ完全百科」によれば、御馴染みの"主水"と「醜男」と評せられている"玄内"の二役・早変わりをこなす藤田氏と、秀の悲恋だそうだ。
だが、南座の舞台(同年8月19日〜8月27日)に先駆けて行われた、名古屋・名鉄ホールの舞台では、筆者が入手出来た雑誌−「演劇界」(昭和57年9月号)によると、何と「飾り職の秀」役は、TVシリーズでおなじみの三田村邦彦氏ではなく、後の「激闘編」#32やSP「仕事人2010」にゲスト出演された内藤剛志氏となっていた。「鳴門の渦潮」の舞台で、秀役が三田村氏ではない公演がある事は、一部の資料で目にしていたが……「舞台写真」(上掲写真の真ん中が、内藤氏演じる秀)や「キャスト&スタッフの詳細なデータ」が揃った、貴重な資料を確認できた事は大きな歓びだ!また、筆頭同心・田中役も、お馴染みの山内敏男氏ではなく、西園寺章雄氏が演じられているのも興味深い。
尚、同公演の二部では、竹内伸光氏構成・演出による「藤田まこと・オンステージ」が行われている。
【スタッフ】
演出:工藤栄一・竹内伸光 脚本:吉田剛 演出補:中畑八郎 音楽:平尾昌晃
美術:竹内志朗 殺陣:楠本栄一 照明:木村英世 効果:本田文人
後援:朝日放送株式会社
【キャスト】
◎中村主水・姫縛りの玄内:藤田まこと ◎加代:鮎川いずみ ◎勇次:中条きよし
◎秀:内藤剛志 ◎りつ:白木万理 ◎せん:菅井きん ◎同心・田中:西園寺章雄
◎お文:藤洋子 ◎お清:尾崎弥枝 ◎かご屋のデコ十・ゴン平:夢路いとし・喜味こいし ……他。
【参考資料】
雑誌「演劇界」(昭和57年9月号)/山田誠二「必殺シリーズ完全百科」
京都新聞「必殺・鳴門の渦潮:観劇評」