【明治座特別公演】(1974年12月1日〜25日/東京・明治座)


「助け人走る」(併演:「肝っ玉捕物帖」)


助け人走る(舞台写真)
【物 語】
 将軍家の側室・お美代の方は、偶然通りかかった染物屋の店先に干してあった、友禅の反物を売れと無理押しする。だが、主人の弥助は、明日祝言を上げる娘・おゆきの婚礼衣装だと断った為、おゆきの婚約者で職人の友吉共々、お美代の方の家来に斬られてしまう。その後、おゆきはお美代の方によって、大奥勤めの身となるが、そこにはお美代の方の養父−将軍家の重臣・板倉主膳の思惑も絡んでいた。助け人・中山文十郎は、父の敵でもあった板倉を討つべく、元締・清兵衛の力を借りるのだった……。

《各種資料の記述より再構成》



助け人(新聞資料)

【解 説】

 「助け人走る」の《舞台版》の存在を初めて知ったのは、山田誠二氏の「必殺シリーズ完全百科」での僅かな文章だけだったが、LDの國弘威雄氏へのインタビューで、主要メンバー&キャストを……左掲の新聞資料で、正確な公演日時や、京塚昌子の舞台「肝っ玉捕物帖」との併演だった事が判明した。

 そして今回、「必殺」研究会・音羽屋の先達でもある山科想四郎さんのご尽力により、同舞台の詳細なデータ(キャスト&スタッフ)・舞台写真・観劇評が掲載された雑誌「演劇界」(昭和四十九年12月&50年1月号)が発掘されて、かなりの内容を知る事が出来た(山科さん、いつも本当にありがとうございます!)。
 尚、ヤフオクで拾った、音羽屋の同人誌−「殺した奴をまた殺す」助け人特集号・目次の画像によると、同号では「舞台版助け人」に関する記述もあったらしいが、同号は未所持の為、詳細は不明である。

 「演劇界」の観劇評によると、ストーリーは、何と「必殺仕置人」第10話/ぬの地ぬす人ぬれは色…とほぼ同じ!(一部ゲストキャラの名前も)これは、「仕置人」第10話を担当した國弘氏の脚本を、そのまま転用したようだ。それに、中山文十郎の父の仇討ちエピソードを付け加えたようだが、原形作品と同じく、お美代の方が大奥から出て来たのを仕置きする展開なのかどうかは分からなかった。評者は「ストーリーがややこしい」(大意)と書かれていたが、「仕置人」の方は知らなかったのだろうか?
 また、町娘が、大奥の権力者に理不尽な目に合わされた挙げ句(肉親や婚約者を殺される)、突然大奥の女中に召し出され、更に嫌がらせを受けて自害。闇の仕事師たちが恨み晴らしに乗り出すと言う展開は、後の舞台−「主水、大奥に参上!」にも繋がる感があるようにも思う。



【スタッフ】
◎演出:土橋成男 ◎脚本:國弘威雄 ◎美術:仲川吉郎 ◎照明:斎藤親一 ◎効果:辻亨二
◎音楽:平尾昌晃 ◎殺陣:湯浅謙太郎

【キャスト】
◎中山文十郎:田村高廣 ◎辻平内:御木本伸介 ◎元締・清兵衛:柳永二郎
◎利吉:佐々十郎 ◎お吉:雪代敬子 ◎しの:近江佳世
◎お美代の方:浦里はるみ ◎板倉帯刀: 清水彰 ……他。

【参考資料】
雑誌「演劇界」(昭和49年12月号・昭和50年1月号)


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