第1回 京都太秦シネマフェスティバル


◆京都うずまさ撮影所探訪 「時代劇扮装の全て」◆

太秦界隈・地図


【はじめに】


第1回京都太秦シネマフェスティバル・案内チラシ 産官学の三者連携で、京都における「映画産業の復興」を目指したイベント−「第1回・京都太秦シネマフェスティバル」が、2007年3月15日(木)〜21日(水)の7日間、東映&松竹撮影所が近隣に位置する「大映通り商店街」周辺を中心として、京都市内の各地で行われた。
 東映と松竹、京都府や京都市、立命大・嵯峨美大・造形美大等が実行委員として加わった同イベントは、講演や文化フォーラム・名作映画の上映と言った「見る」イベントだけではなく、撮影所の見学&実技体験、コスプレイベント「太秦戦国祭り」…と、映画ファン自身が「参加」出来るイベントも、様々に行われた。ここでは、筆者が参加した「京都うずまさ撮影所探訪(松竹撮影所)」のイベントレポートをお送りしようと思う。


イベント告知記事


■ 現場初・映画づくりの魅力 ■

京都うずまさ撮影所探訪「時代劇扮装の全て」:平成19年 3月18日(日)




《1》 ギャラリー電車と大映通り商店街

京都新聞・3月3日記事


 ……さて、新選組関連の写真撮影の次第をすっ飛ばして(笑)、いよいよ嵐電の四条大宮駅へ。そこで待っていると入って来たのは、今回のイベントに合わせて企画された「ギャラリー電車」(電車の車両側面を、いにしえの日本映画の複製ポスターで飾ってある。上述の記事参照)ではなく、ごく普通の車両だったので、思わずガックリ!
 ちなみに、京都への観光客にアピールする為か、翌19日から、嵐電の3駅が、「太秦」→「太秦広隆寺」「御室」→「御室仁和寺」「嵯峨」→「嵐電嵯峨」と変更になるらしく、駅のあちこちにその旨の掲示がしてあった。
 3月18日・日曜日。今日のイベントの為に休みを貰い、9時半の松竹撮影所・正門前での集合時間に間に合わせるべく、朝7時に起床。新聞を取りに玄関を出ると……外は雪!あいにくの曇天の中、近鉄電車に乗り、京都駅へと向かう。京福電車の始発駅がある四条大宮へ向かう為、市バスの時間待ちの間、京都駅八条口の正面に見える「京都タワー」が雪にかすんで見え、非常に風情のある光景だった!かなり早く家を出たのは、集合時間に遅れないようにする為もあったが……どうせなら、始発駅のある四条大宮にある「新選組ゆかりの地」を写真に撮ろう!−と思い立ったからでもある。
 だが、しかし……余りに早く行き過ぎて、壬生寺の隊士墓所のある「壬生塚」の入り口が、まだ開いてなかったりするアクシデント(笑)もあり、満足に写真を撮る事は出来なかった。そこで、新選組関連の写真撮影は、また「今後の課題」と言う事にして(結局、この文章を作成している平成20年11月現在、太秦方面へ向かう機会は何度かあったが、まだ果たせてはいない……)、ここでは「壬生寺」の境内を撮った写真1枚を載せる事にする。

壬生寺境内・隊士塚前

▲ 壬生寺境内・隊士塚前 ▲




■ 広隆寺 《二景》 ■


広隆寺(1)      広隆寺(2)


 さて、嵐電に乗り、本日の目的地である「太秦駅」で降りると……その真ん前にあるのは「広隆寺 」!広隆寺は、法隆寺と並び、聖徳太子が建立した「日本七大寺」の一つとして有名で、何度も火災に遭遇するも、その度に再建。焼失を免れた国宝・重要文化財が多く保存されている為か、寺内での映画・TVドラマの撮影は、基本的には許可されないそうだ(例外は、大映映画「雨月物語」「山椒太夫」の2作のみ)。
 だが、しか〜〜し!……すべからく、物事には「抜け道」と言う手段がある!(笑)「必殺仕置屋稼業」のオープニングで、現代人の印玄が檀家回り(?)に出かけるのに、石段を駆け下りてきてバイクに飛び乗るのが、ここ広隆寺の門前だ(現代版・仕置屋稼業か?(笑)ちなみに、時代劇マガジンVol.8での新克利氏へのインタビューでは「仁和寺」と記されているが、おそらく誤記だろう。画面に映っている門構えが、仁和寺では全く異なっているからだ。他の資料から見ても、「広隆寺」の門で間違いないようである)。尚、広隆寺の画像《1・2》は、この「第1回・京都太秦シネマフェスティバル」の時ではなく、後日の平成20年・秋に撮影したものである。



■ 大映通り商店街 ■


読売新聞・3月15日記事


大映通り商店街・キネマスタンプ
 広隆寺を横目に見ながら、大映通り商店街の入口(A)へ差し掛かるや、早速「キネマスタンプ加盟店」の幟と3枚のレトロポスターが目に入った!《写真1》
  これは、嵐電のギャラリー電車同様と、シネマフェスティバルのイベントの一つである「歩いて楽しむ昭和キネマの街」の企画で、最新のデジタル技術を用いて再現された「日本映画のポスター」(複製)が、大映通り商店街に立ち並ぶ店舗や住居のあちこちに貼り出されている…と言う趣向だ(前述の新聞記事参照)。また「キネマスタンプ」(左掲)も、大映通り商店街の加盟店舗でショッピングをすると、ポイントが加算されるようになっている。後述になるが、大映通りの有名店舗が商品を提供した、時代劇風のアンテナショップも、嵐電・帷子ノ辻駅の地下構内にも設置されていた。
 写真を撮ろうとカメラを構えた……その時、嵐電のギャラリー電車が!
《写真2》 信号待ちで止まっている間に慌てて駆け出し、ちょうど広隆寺の前で写真に収める事に成功した!


 その後、早朝故か、静かな大映通り商店街をゆっくりと見て歩く。数多くのレトロなポスターが、かつての「日本映画・黄金時代の華やかさ」を想起させると共に、早朝故とも思うが、ほとんど人通りのない商店街は、一抹の寂しさを感じさせた。この点、今年の3月1日にNHKで(再)放映された番組……関西想い出シアターの「新日本紀行・太秦映画村 〜京都市〜」(本放送:昭和49年12月)では、大勢の俳優たちと地元住民の交流でにぎわっていた頃の「大映通り商店街」が描かれており、その「活気に満ちた情景」と「現在の閑散とした風景」を比べると、些か物悲しく感じてしまったのも正直なところである……。

大映通り商店街:写真1   ギャラリー電車:写真2


 ……時制があちこちに飛び過ぎたので、ここで時計の針を、一旦元に戻そう!嵐電の太秦駅から帷子ノ辻駅方面へと伸びている「大映通り商店街」のレトロポスター群は、東→西へと通りを進むに連れて、「東映黄金期の時代劇映画」から「実録・任侠物」へと変化して行ったようだ。また、掲示されているのも東映が中心らしく、大映・松竹・日活の作品ポスターはほとんど見られなかった。

大映通り・レトロポスター:写真3  大映通り・レトロポスター:写真4(地図:B)





■ 三吉稲荷と大映グランプリ ■


 ここで、足を少し南へ向け、三吉稲荷へ……。ここは、大映撮影所を拡充する際に、二つの社を移転して出来た小さな稲荷神社で、映画「王将」で有名な将棋指し・坂田三吉が祀られているそうだ。2000年の「京都ウェストサイド物語」の際には、日本映画の父−牧野省三を顕彰する碑が境内に建立された(石碑の裏には、建立に協力した大勢の映画俳優の名が刻まれている)。
 更に、そこからもう少し離れた太秦中学へと向かう。ここは、かつて「大映撮影所」があった場所だ!前述の「ウェストサイド〜〜」の時には、太秦中学の敷地内を見学に出来たが、今回は無理かな〜〜?…と思っていたら、何と同中学の校門側に、大映撮影所の石碑とグランプリ記念碑・オスカー像が展示されている「グランプリ広場」が出来ていた!ちなみに、後二者は、大映映画「羅生門」が、ベネチア国際映画祭で獲得した金獅子像とアカデミー外国語映画賞で獲得したオスカー像のレプリカ(昭和26年&27年)で、かつて大映撮影所の正面玄関に飾られていたものを再現したらしい。尚、この三吉稲荷
《写真5・6》&グランプリ広場《写真7・8》は、この時撮影した写真の出来がイマイチだったので、2008年・夏に撮り直したのを載せている。


牧野省三顕彰碑:写真5     三吉稲荷:写真6
大映撮影所・石碑:写真7     グランプリ広場:写真8



 三吉稲荷と大映撮影所跡地の撮影を終えると、再び大映通りへ……。その後は、商店街に沿って、ずっと続いているレトロポスターの数々を楽しみながら、「おっ、これは!?」と思ったものを撮影する。それが、以下の片岡千恵蔵主演の金田一映画二作《写真9・10》と、東映映画「仕掛人梅安」(主演:萬屋錦之助)《写真11》。更には、必殺シリーズではない「必殺映画」(笑!)−「忍法破り 必殺」《写真12》の4枚だ!(「仕掛人梅安」の左右にあるのが、深作欣二監督の「柳生一族の陰謀」と「魔界転生」(この三作とも、萬屋錦之助と千葉真一の主演作!)のポスターだと言うのが、何とも意味深(?)である)。


映画「八ツ墓村」ポスター:写真9       映画「獄門島」ポスター:写真10


映画「仕掛人梅安」ポスター:写真11


映画「忍法破り 必殺」ポスター:写真12


つたや
 そして、(撮影日時は、2009年春だが)大映通り商店街の西端に位置しているのが、50年以上の歴史がある老舗食堂の「つたや」(A:写真12)だ。一見すると「ただの古びた食堂」(笑)にしか見えない……。だが、松竹京都映画撮影所の目と鼻の先にあった事から、多くの映画人(中には、勝新や藤田まこと・山崎努の姿も!)がひいきにし、勝手口から通じる「秘密の奥座敷」は、映画関係者だけが入れる憩いの場として、数多くのエピソードが秘められているらしい。

 かくして、いろいろと「寄り道」(?)もあったものの、本日の序盤戦は、めでたく終了!出陣テーマに乗せて、向かうは「決戦の地?」……松竹京都映画撮影所!!(♪ジャ〜ン、ジャカジャ〜〜ン!ジャ〜ン、ジャカジャ〜〜ン……!(笑))



【松竹京都映画撮影所見学ツァー/PART2…へ続く】



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