【パロディー・スターウォーズ/ジェダイの復習】

《第30章》 発進!νガンダム


「よし……今がチャンスだ!全艦、デス・スターを速やかに離脱せよ!」

 デス・スターを発進したタイ・ファイター、宇宙戦闘機、モビルスーツの攻撃が、ヤマト一艦に向けられたのを見たハーロックは、海賊同盟の全艦に撤退命令を発すると、ヤマトに向かって敬礼した。

『許してくれ、ヤマトよ!お前たちを見捨てる結果となってしまったが……亡き沖田艦長ならこう言うだろう。我々は明日の栄光の為に、今日の屈辱に耐えるのだと!』

 かつて、沖田艦長に見捨てられた古代 守が、スターシャに救われてキャプテン・ハーロックになったと言う「宇宙戦艦ヤマト」の裏設定と同様、ハーロックはヤマトを見捨て、デス・スター周辺宙域からワープした!

「出番がなかったな……」「全くだ!」

 モーガン・ケインの〈バッカスII世号〉とアンタレスの宇宙艦が、出番のなさに愚痴をこぼしながらワープ。それに続いて、スターウルフ&ドブスン船長の大船団が離脱し、ブラック・ジャックの宇宙艦とクイーン・エメラルダス号も姿を消した。そして最後に残ったタートル号は……。

「畜生!この作戦は大失敗だ〜〜!!」

 コブラが天を仰いで、頭を掻きむしった。莫大な時間と物量をかけ、銀河中の泥棒と怪盗・海賊間のコネを、フルに総動員して行なわれた壮大な《失われた聖櫃》作戦!その結果、手に入ったのは……半袖シャツにハラマキ・ステテコ姿の爺さん一人だけだったのだ!(「やれやれ……助かったぞい」と言うオビ・ワンの声)


               ※

 話は戻って、再び〈ミレニアム・ファルコン〉……。ヤマトを目撃した瞬間、古代はチューバッカから主操縦管を奪い取るや、〈ミレニアム・ファルコン〉をヤマトに向かって急旋回させた!古代の突然の行為に、怒り狂うチューバッカ。ハン・ソロも何事が起こったのかと、対空砲座を抜け出して駆け込んで来た!

「おい、貴様!一体全体、何のつもりだ!?」
「あの巨大宇宙船……あれは味方なんです!僕が以前艦長だった、宇宙戦艦ヤマトなんです!ちょっとばかし、形は違うみたいだけど……」
「だから……お願い、ソロ船長!私たちを、あの船に行かせて下さい!」

 いつの間にか、古代の側に寄り沿っていた森雪も、ハン・ソロに向かって訴える。事情が良く分からずに、うろたえて周囲を見回すハン・ソロに、エイリアが水晶玉を見つめながら言った。

「ええ……古代さんのおっしゃられているのは、事実です……間違いありません!私の超感覚も、それが正しいと告げています」

 エイリアの言葉に、オビ・ワンの弟子たちも同じように感じ取ったのか、一斉に頷いた。

「……分かったよ。あの船が、俺たちの味方なるって言うんなら、別に構わねえさ。好きなようにやってくれ!」
「ありがとう、ソロ船長!」

 ハン・ソロに抱き付いて喜ぶ森雪!古代は親指を立てて、『やったぜ!』のポーズを取った。

「了解、じゃ、飛ばしますよ!」

 古代は、〈ミレニアム・ファルコン〉の速度をマキシマムまで上げると、ヤマトに向かって押し寄せて来る敵の群れを見事な操縦テクニックでかわし、ヤマトに接近するや、緊急通信を入れた!

「こちらは、古代進……古代進……ヤマト応答せよ!」
『その声は……古代か!古代なんだな!?』
「島!……俺だ、古代だ!」

 ヤマト司令室の正面スクリーン一杯に、〈ミレニアム・ファルコン〉の操縦席に座っている古代の姿が映った!思わず立ち上がる島艦長!

「古代……生きてたのか!」
『ああ……これには、いろんな事情があるんだが、今は省こう。島、お前も元気そうだな!その恰好じゃ、ヤマトの艦長に昇格したんじゃないか?』

 島は自分の艦長服に目を落として言った。

「いや……これは借り物だよ。いつか古代が帰ってくる時の為に、ヤマトII世号の艦長代理として、借りにこの艦を預かっていたに過ぎないさ。その時が来れば、いつでも君に返すつもりだった。だって、沖田艦長亡き後、ヤマトの艦長と言えば……古代、君しかいないだろ!?」

 内心では、『くそーっ、何でこんな銀河の果てで、古代と出くわさなきゃならないんだ!』と毒づいていた島だったが、それはおくびにも現わさなかった。

『地球を離れて、遥か何万光年……こんな宇宙の果てでヤマトに再び出会えるなんて、正に奇蹟だ!夢みたいだよ……』


♪ 今は〜はるばる〜〜、宇宙〜〜の果〜て〜〜、夢を見るのも〜〜、星の中〜〜(BGM:真赤なスカーフ)

『感慨深げな場面を邪魔して、誠に悪いが……私も仲間に入れて頂けるかな?』

 正面スクリーンが二分割され、そこにデスラー総統の姿が現れた!横を見て驚く古代の映像!

『デスラー!貴様も生きてたのか!?』
『我々は戦い続ける運命にあるのだよ、古代……。その宇宙船に乗り込んでいた所を見ると、貴様もデス・スターでの大騒動を引き起こした一味のようだな?ならば我が手に掛かって、ヤマトもろとも、宇宙の藻屑となって消えるが良い!』

 デスラー総統の映像が消えるや、古代は島に向かって叫んだ。

『島、この船をヤマトの甲板に着艦させて、今からそっちへ行くからな……待っててくれ!』
「分かった、古代……事情は良く分からないが、とにかくその宇宙船と共同作戦と行こう!」


               ※

『シャア大佐……尻尾を巻いて逃げ出して行く、臆病者どもの事など、放っておくが良い。ヤマト一隻に攻撃を集中させるのだ!』
「……了解した。デスラー総統」

 よたよたと攻撃を回避する999を追っていたシャアは、デスラー総統の勝手な命令に、腹の中が煮えくり返りそうになりながらも、表面では冷静さを装って、全攻撃機に目標変更を指示した。

『くそっ!何かと言うと、ヤマト、ヤマト、ヤマトか!デスラーよ、貴様が2度に渡ってヤマトに敗れたのは、他でもない……自分の力が相手に劣っていたからだ。だが、覚えておくが良い。私は、決して貴様の二の舞は繰り返さないぞ!戦艦大和が沖縄の海に沈んだように、この私が……宇宙戦艦ヤマトを宇宙の海に沈めてみせる!』

 シャアが搭乗したサザビーは、ヤマト目掛けて転針するや、攻撃を開始!前後左右、四方八方、360度あらゆる方向から、タイ・ファイター、宇宙戦闘機、モビルスーツが、雨霰の如くヤマトに向かって襲いかかり、火線を浴びせ掛ける!更に、瞬間物質移送機で次々と出現するスーパー・ロボット部隊−スーパー・メカゴジラ、メカ・キングギドラ、キングジョーが漆黒の闇を切り裂いて襲来した!
 対応が遅れたヤマトは、ブラック・タイガー隊を急遽出撃させたが、如何せんヤマト一隻では、余りにも戦力に差があり過ぎた。ヤマトの砲火をかいくぐって襲い来る圧倒的な敵兵力は、確実にヤマトを劣勢に追い込んで行った。

「……ブラック・タイガー3号機・5号機・6号機、撃墜されました!」
「第三艦橋、再び大破!使用不能です!」

 きらめく閃光!響く爆音!ヤマトの船体を震動と轟音が揺さぶる!その中、次々と寄せられる被害報告に、島は苛立って怒鳴った。

「波動砲はどうした?まだ発射出来ないのか?」
「だめです!エネルギー充填が、まだ80%しか済んでいません!」
「早くしろ!ヤマトの切り札は波動砲なんだぞ!波動砲による、敵の誘爆に継ぐ誘爆が、最後の必殺技なんだからな!」

 そう言った島は、艦長の帽子を脱ぐと、それを艦長席にそっと置いた……。

「古代、やっぱりヤマトは、僕の手には負えないよ。お前がいなくちゃダメみたいだ。お前の手で、あの奇蹟の勝利を再現してくれ……」

 島が力無く呟いた……その瞬間、ヤマトの真正面に、巨大スーパー・ロボット・モゲラが出現!嘴の巨大なドリルを回転させながら、波動砲目掛けて突進してきた!

「敵スーパー・ロボット、ヤマトの前方100mに出現!……突っ込んで来ます!」

 相原の言葉に、艦長席から飛び上がる島!

「緊急回避だ!」

 艦内に非常警報が鳴り響き、北野航海長が舵を必死に回したが……次の瞬間、轟音が響き渡り、ヤマトは嵐の中の小船の如く揺さぶられた!

「敵ロボット、波動砲砲口に直撃!」
「波動エネルギー、50%漏出!砲口は現在使用不能です!」
「敵ロボット……活動停止しました!」

 ヤマトの波動砲砲口に、まともにめり込んだモゲラだったが、漏出した波動エネルギーによって、モゲラの遠隔操縦系統がショートを起こして、動かなくなったのだ。砲口を塞がれた波動砲は、もはや無用の長物と化していた……。ヤマト、絶体絶命のピンチ!……と、その時〈ミレニアム・ファルコン〉が、ヤマトの第一甲板に着艦。操縦管をチューバッカに返した古代は、森雪とアムロ・ララァを引き連れて、ヤマトへと乗り移った。

『よ〜〜し、じゃあ、俺たちは俺たちで何とかやるから……そっちはそっちで頑張ってくれよ!』
「了解した、〈ミレニアム・ファルコン〉!」

 再びヤマトの甲板を離れる〈ミレニアム・ファルコン〉のソロ船長に返礼する島。本家映画版のような中途半端な追撃とは違って、確実に包囲して集中攻撃を繰り返す帝国軍に、ヤマトと〈ミレニアム・ファルコン〉は、逃げ出す機会を失っていた。そして、古代たちは、地獄のようなヤマトの艦内を通り抜けて、遂に司令室に辿り着いた。

「島!……元気だったか!」
「古代……それに雪も!畜生、生きてたんなら生きてたで、僕に便りくらい送ったらどうなんだ……!」

 涙ぐんで、抱き合う古代と島と雪……思えば、『さらば宇宙戦艦ヤマト』の壮絶なラスト以来、二度と会う事はないだろうと思っていた三人が、時と所を変えて、再び巡り合ったのだ。三人にとって、時間は存在しなかった……。ただ、感動の一瞬だけが永遠に続いていた……。

「……あの〜、折角のシーンに水を差して、なんなんだけど……僕たちは一体どうしたら良いんですか?」

 突如として、静寂なる世界にサウンドが戻り、三人は現実世界に引き戻された。古代に、ヤマトまで連れて来られたものの、そのまま放ったらかしにされていたアムロが声を掛けたのだ。

「す、すまない、アムロ!つい、自分たちだけの世界に浸っちゃって……」
「古代……本当は僕も、あれから何があったのか、ずっと喋っていたいんだが。とにかく、今大事なのは、この非常事態にどう対処するかだ!このままじゃ、ヤマトはやがて撃沈されてしまう。どうしたらいいんだ?教えてくれ、古代!」

 すがるような目で、古代に頼ってくる島。

「古代君、コスモ・タイガーで出撃したら?」

 森雪の言葉に、古代は苦笑して答えた。

「いや、雪……。僕がコスモ・タイガーで出撃した所で、戦局はあまり変わらないさ。それよりも……もしこのヤマトII世号が、僕がまだ地球にいた頃のままの設計なら、きっと『あれ』が艦内にある筈だ!」
「確かに……この船は、君がよく知ってる設計図に基づいて建造されてるけど……『あれ』って何だい?」と、島が、いぶかしげに古代に尋ねる。
「島、君は聞いた事がないか?このヤマトの艦内に、禁断の開かずの間があるって事を……」
「開かずの間?……ああ、第7ブロックのBゾーンだな  設計図にも、使用目的が一切記載されていなかった、謎の区画だ。艦長の僕も中に入れないんだよ。いずれは、藤堂司令長官に説明して頂こうと思ってたんだけど……あれに何か秘密があるのか、古代!」
「そうさ、島。ヤマト 世号が、基本設計図通りに建造されていたのなら、きっと『あれ』がある筈だと思ってたんだけど……やっぱり、僕の推測に間違いはなかった!アムロとララァを連れて来たのも、それを半ば予想してたからなんだ……」
「私たち?」と、ララァが自分たちを指差した。
「そう……たぶん、君たちの能力が必要になると思うんだ。これは、司令長官と艦長に予定されていた僕の二人しか知らない、軍の最高機密なんだけど……あの部屋には、ヤマトの……いや地球の最後の秘密兵器が眠っているんだ!とにかく、ここで喋っていても仕方ない!島、僕らを開かずの間へ案内してくれ!」

 島はしばらく考え込んでいたが、やがてきっぱりと決意して言った。

「分かった。この場を離れるのは、責任を放棄するようで気が譴るんだけど……古代、君の言う事を信じるよ!相原、僕が戻ってくるまで、艦長代理として船を守っていてくれ。雪、君は相原に代って、通信コンソールを頼む。それから、アナライザー!特務工作班を指揮して、艦首波動砲に喰い込んでいる敵スーパー・ロボットを排除して来てくれ!」
『了解、艦長!ホンニョコニョ〜〜ン!』
「アナライザー、生きてたのね!」

 急に目の前に現れたアナライザーに、歓喜の余り飛びつく森雪!

「こいつは、アナライザーII世だよ。人間とは違って、記憶バンクさえ残っていれば、ロボットは何度でも復活させられるからね」

『アナライザーハ二度死ヌ……。ロボットハ不死身ナノサ!アア、雪チャン……』

 残念そうにうなだれるアナライザーII世に、首を傾げる森雪。

「どうしたの、アナライザー?」
『雪チャンノ着テル衣装、スカートガメクレナイヨ……アア、残念ダ!』
「ん、もう!アナライザーたらっ!」

 顔を赤らめる森雪。ヤマトの司令室に、久し振りに笑い声が沸き起こった。そして、後を雪と相原に任せた、古代と島とアムロとララァの四人は、複雑なヤマトの艦内を通り抜け、やがて誰一人入り込んだ者のいない、ヤマトの禁断の間へ辿り着いた。

「ここだよ、古代!ヤマトの開かずの間……僕でさえ、どうやったら入れるのか分からない、封印された禁断の区画だ」

 四人が見上げたのは、縦横100mの巨大な扉がそびえ立つ、広大な空間だった……。古代は周囲を見渡すと、小さなガラス面とスピーカーのあるボックスを見つけ出した。

「これだ、これ……。こんな所にあったよ」

 古代は、そのボックス小さなガラス面に人差し指を当てると、マイクに向かって言葉を発した。

「認識番号SSK−378879。宇宙戦艦ヤマトII世号艦長……古代進」

 古代はそこまで言うと、島に謝罪した。

「すまない、島……最初の予定では、僕がヤマトII世号の艦長として就任する筈だったんで、僕の指紋と声紋で登録してあるんだ」
「まあ……いいよ、古代。この船は、君の為に設計されて作られたんからな」

 諦めたように肩をすくめる島。だが、その表情はなぜか寂しげだった……。と、ボックスのスピーカーからコンピューターの合成音が返ってきた。

『……宇宙戦艦ヤマトII世号艦長・古代進ト確認イタシマシタ。コレヨリ、機密室ノロックヲ解除シマス』

 ピーッと言う甲高い音が鳴り響き、ガコーンと言う低い音と共に、正面の巨大な扉がゆっくりと左右に分かれ始めた……。闇の中にパッパッパッとライトが点燈し、その中に浮かび上がった物……それは!

「何だ、この巨大な物体は!」
「あれは……モビルスーツだ!」
「ガンダムよ!」

 驚愕する島!感嘆するアムロ!目を見開くララァ!そして、拳を握り締める古代!四人の目の前にそびえ立っていた物……それは、高さ100mにも達しようかと言う、巨大な人型兵器だった!アムロとララァは、古代が止めるのも聞かずに、サイドに設置されたエレベーターに飛び乗り、そのままその巨大なモビルスーツに乗り込んだ!

「古代、これはどう言う事なんだ……教えてくれ!何で、こんな物がヤマトの艦内にあるんだ!?僕らの世界の兵器体系は、『機動戦士ガンダム』なんかとは、全く違っている筈じゃないのか!」
「そうさ、島。僕たちの世界では、巨大人型兵器の開発はほとんど行なわれていない。だから……これは僕たちの世界の物じゃないんだ!これは、軍の最高機密に属していて、知ってる者はほとんどいないんだが……。ガミラス大戦が終結した後、木星の浮遊大陸に派遣された調査隊が、バラバラに破壊された岩塊の中から、全く異質な技術体系に基づく、巨大な人型兵器を発見した……。そして、メンテナンス用のデータを見つけ出して、元通りに修復・再現したのが、僕たちの目の前にある、この巨大な人型兵器なんだよ!」

 古代がそう言った途端、彼らの目の前の巨大なモビルスーツのカメラ・アイが輝き、両手を大きく左右に振り上げて、凄じい雄叫びを上げた!

『バンガオ〜〜!』


♪ ビル〜の街〜にガオ〜!夜のハイウェイ〜にガオー!ダダダダダーンと弾が来る…… (BGM:鉄人28号のテーマ)

「違う、違う!違うだろ、アムロ!」

 古代の言葉に、アムロの照れたような声が、ガンダムの外部スピーカーから流れて来た。

『てへっ……すいません、古代さん。つい、調子に乗っちゃって……でも、このモビルスーツ凄いですよ!まるで、僕に誂えたみたいなんです……ほら!』

 アムロがそう言うや、古代たちの目の前で、巨大なモビルスーツは腕を左右に振り、足を高々と上げ、腰を軽やかに回転させ、腕立て伏せまでして見せた!

『……僕の思う通り、自由自在に動くんです!』

 アムロが得意満面になったのも当然……実は、この巨大なモビルスーツこそ、『機動戦士ガンダム/逆襲のシャア』のアクシズ大戦において、地球への直撃コースを取っていた巨大なる要塞アクシズの落下を、たった一機で食い止めたνガンダムだったのだ!その時のアクシズの巨大な落下エネルギーと、サイコフレーム粒子との共振によって、その時の最高性能を誇ったモビルスーツνガンダムは、小惑星アクシズもろとも、『ヤマト世界』の木星に浮かぶ巨大な浮遊大陸へ次元転移し、長い間眠りについていたのだった……。
 あの巨大な浮遊大陸が、ヤマトのたった一発の波動砲によって崩壊したのも、実はνガンダムとアクシズに残っていたサイコフレーム粒子と、ヤマトの波動エネルギーが過剰共鳴したからに他ならなかった。

「古代さん、出撃させて下さい!これなら、どんな敵でも倒してみせる自信があります!それに、ここにはララァもいるし……」

 フィン・ファンネルもフルに装備され、完璧な状態に整備されたνガンダムの操縦席で、アムロは愛する女性ララァの手を取った。かつて、最愛の女性を自らの手で殺してしまった事により、心に深い傷を負ってしまった。戦う意味を見失い、遂にその痛手から立ち上がる事の出来なかったアムロ……。だが今や、ララァはアムロのすぐ側にいるのだ!

「一緒に戦いましょう、アムロ!友を……愛する人たちを守るために!」

 ララァの微笑みに、アムロは今まで自分の心を支配し、苦しめ続けていた呪縛……暗黒の虚無感から遂に解放された!

『アムロ!これから、そのモビルスーツ専用の滑走路を開ける。ヤマトと〈ミレニアム・ファルコン〉の命運は、君たちに掛かっているんだ……頼んだぞ!』

 νガンダムの格納庫脇に設置された、特別管制室のスピーカーから古代の声が聞こえて来た。そして、アムロの目の前の隔壁が、ドミノ倒しのように次々と開いて行き、戦火渦巻く宇宙空間が現れる!アムロの心の中に、燃えるような闘志が高まった!

「アムロ、行きま〜〜す!」

 轟音を上げて、νガンダムは漆黒の宇宙空間へ……大いなる戦場へと飛び出して行った!(BGM:翔べ!ガンダム)


               ※

「な、何だ!……ヤマトから、何か飛び出してきやがった……う、うわーっ!」

 暗黒の宇宙空間を切り裂いて、きらめく閃光の如く現れた白い流星−νガンダムを目撃した、ヤザン・ゲーブルのハンブラビ隊は、一瞬にして宇宙に散った。更に、マシュマー・セロのザクII部隊、ロボット兵サイロンの戦闘機部隊……と、次々にヤマト包囲網を撃破して行くνガンダム!トニー・ハーケンの戦闘機部隊は、三次元空間のあらゆる方向から同時攻撃をかけたが……。νガンダムの背中から飛び出したフィン・ファンネルは、アムロとララァの二人のニュータイプ能力によって、宇宙空間に縦横無尽に展開し、敵のあらゆる攻撃を無力化してしまった!

「くそっ……だめだ!あの羽みたいなのが、こっちのどんな攻撃も防いでしまう!し、しまったあ!……」

 一瞬の油断が命取りとなり、トニー・ハーケンの戦闘機部隊は、νガンダムのビーム・ライフルの連射で全滅した!そして、νガンダムに次々撃ち落とされて行く帝国軍のモビルスーツ・宇宙戦闘機・タイファイターを、後方でじっと見つめていた赤い彗星のシャアが呟いた。

「アムロ……それにララァか!二度と会えるとは思っていなかったが……認めたくないものだな。若さ故の過ちと言うものを……。私が得ようとして、遂に得られなかった、ララァとの完璧なコンビネーションを貴様が我が物にするとはな!これも運命なのか……行くぞ、アムロ!」

 シャアのサザビーが闇を切り裂き、アナベル・ガトー隊を……ランバ・ラル隊を一気に追い越して、νガンダムに迫る!その猛スピードには、さすがのフィン・ファンネルも対応できず、サザビーは一瞬にしてνガンダムの懐に入った!

「赤いモビルスーツ……シャアか!?」
「遅い!……もらったぞ、アムロ!」

 サザビーのビームサーベルが、唸りを上げて襲いかかる!間一髪、νガンダムのビーム・サーベルがそれをくい止めた!

『さすがはアムロ。腕が上がったな!』

 νガンダムの操縦席の正面スクリーンに、シャアの映像が飛び込んで来た!

「やっぱり!赤い色のモビルスーツを目にした時に、シャアだと思ったんだ……」
『当然だ!真紅のモビルスーツと言えば、私の専売特許だからな!……それはともかく、ララァ!私が、あれほどデス・スターで一緒に戦ってくれと頼んだのに、結局君はアムロを選んだのか!』

 アムロの操縦席の横の予備席に、腰を下ろしていたララァは、シャアに向かって答えた。

「所詮、あなたは仇役……それに比べて、アムロは主役だもの。ギャラが違うわ」

「何〜!?よくも、よくも……決して言ってはならん事を!『逆襲のシャア』の時に付けられなかった決着を、今ここで着けてやる〜〜!」

 振られた腹いせ(?)で、怒り狂ったシャアは、ビームサーベルを振りかざして、νガンダムに斬りかかった!たちまち繰り広げられる、宇宙空間での大チャンバラ!アムロ&ララァVSシャアは、帝国軍と共和国軍鋸となどすっかり忘れ果て、お互いの雌雄を決すべく、1対1の決闘を繰り広げていた!

 一方、アムロに僚機を次々と撃墜された帝国軍は、νガンダムがシャアのサザビー一機に釘付けにされているのを幸い、ヤマトと〈ミレニアム・ファルコン〉への攻撃を再開。そして、デス・スターの瞬間物質移送機ルームには、スーパー・メカゴジラやキングジョーと言った、第一陣の『東宝・円谷ワールド』のスーパー・ロボット部隊に続き、第二陣の攻撃部隊が列を為した!ドナウα−1、キングダンX−10、マッドガイアスと言った『永井豪ワールド』の巨大ロボット軍団だ!

「これだけ多くの鉄の巨人どもに、一度に襲いかかられれば、ヤマトなど風前の灯し火に過ぎぬわ!」

 瞬間物質移送機ルームの操作室で、ドクター・ヘルは、あしゅら男爵を前にして豪語した!

「行け、巨人の戦士たちよ……阪神を叩き潰すのだ!」

 ドクター・ヘルが、移送機の操作員・タイガー・ジョーに向かって命令を下した……その瞬間、傍らのタラン将軍が叫んだ!

「ヘル殿!ヤマトの波動砲を封じていた、スーパー・ロボットのモゲラが……逆回転を起こして、こっちに向かって来ますぞ!」
 「……何!?」(と三度、ハナ肇の声で)


               ※

『ヤッタ〜、ヤッタ〜、マタヤッタ〜!コレデ、ドリルミサイル…モトイ、モゲラノ推進機能ノ逆回転ニ成功シタゾ!ダ〜レガ殺シタ、クック・ロ〜ビン!ダ〜レガ殺シタ、クック・ロ〜ビン!』

 波動砲最深部では、特殊工作班を率いて、モゲラの内部に侵入!まんまとドリルを逆回転させて、デス・スターへと送り返すのに成功したアナライザーが、歓喜のクック・ロビン音頭を踊っていた!


               ※

「モゲラ、瞬間物質移送機ルーム目掛けて、猛速で逆進して来ます!誘導コントロール装置も、全く反応しません!」

 デス・スターの司令室で、キース・アニアン大尉が情報コンソールを操作しながら叫んだ。デスラー総統も、席を蹴って立ち上がる!

「モゲラを落とせ!撃墜せよ!……ええい!とにかく、七色星団の決戦でドメルが陥った結果だけは、絶対に避けるのだ!」

 だが、コントロールをヤマトに奪われたモゲラは、襲い来る帝国軍の迎撃部隊を撃ち落としながら、出撃準備のため、全く無防備な状態になっていたスーパー・ロボット部隊のただ中へ、大量の爆弾を抱えたまま突っ込んで行った!デス・スター全体をゆるがすような巨大な爆発が起こり、待機していた数十台ものスーパー・ロボットもろとも、瞬間物質移送機ルームは消滅した!

「スーパー・ロボット部隊……全滅です!」

 セーラ司令の報告に、デスラー総統の蒼ざめた顔色が、更に蒼ざめて紫色に変化した!そして、その瞬間発生した空間震動が、ダースベイダーの瞑想室に伝わって行った時、再び座禅を組んで無我の境地に入っていたモロボシ・ダンの目が、カッと見開かれた!

「ジュワッ……!」

 遂に、フォースに目覚めたモロボシ・ダンは、ビュウ〜〜〜と言う効果音と共に、一瞬にしてウルトラセブンに変身!ダースベイダーの瞑想室を突き破って、その雄姿を現わした!


♪ セブン、セブン、セブン……セブン、セブン、セブン……モ〜ロボシ・ダンの〜〜、名を〜借りて〜〜! (BGM:ウルトラセブンのテーマ)

「第十三区画のベイダー卿の瞑想室から、ウルトラセブンが出現しました。第七艦隊発着口のロイエンタール、ミッターマイヤー両艦隊を始めとして、多数の駆逐艦・空母・戦艦を破壊しながら、出口に向かっています!」
「ええい……ザラブ星人はどうした?にせウルトラマンはどこにいる!?」

 打つ手打つ手が、すべて裏目になりつつあるデスラー総統が、司令席を叩いて怒鳴った!

「にせウルトラマンは……ただ今、カプセル怪獣の最後の一匹を始末しました!これより直ちに、ウルトラセブンの追撃に向かわせます!」

 デス・スターの艦隊発着口から、宇宙空間に飛び出したウルトラセブンは、ヤマトと〈ミレニアム・ファルコン〉を取り囲む帝国軍の大部隊に向かって、エメリューム光線を発射!アイ・スラッガーを自由自在に駆使し、次々とモビルスーツ・宇宙戦闘機 ・タイファイターを撃墜して行った!


               ※

「な、何だ!あの赤色の巨人は ……俺たちの味方をしてくれてるみてえだが?」

 〈ミレニアム・ファルコン〉の戦闘砲座で叫ぶハン・ソロ。次の瞬間、ヤマトと〈ミレニアム・ファルコン〉に乗り込んでいるオビ・ワンの弟子たちの頭の中に、ウルトラセブンからのテレパシーが伝わった……。

『私と同じ、オビ・ワンの弟子たちよ……。私は、師の教えと導きによって、心の迷いを断ち切る事ができた。これは、その恩返しだ……!』

 二隻の宇宙船に合図をするウルトラセブン。が、その背後に、にせウルトラマンが迫る!

『デュワーッ!』『シュワッチ!』

 宇宙空間に繰り広げられる、ウルトラセブンと(にせ)ウルトラマンの壮絶な戦い!鍛錬の成果があって(?)、にせウルトラマンも見事にスペシューム光線を使いこなし、ウルトラセブンのエメリューム光線に対抗する!アイ・スラッガーが宙を飛び、八つざき光輪が闇を切り裂いた!だが……所詮、偽者は偽者。死闘の末、遂にウルトラセブンは、最大の必殺技−ワイド・ショットで、にせウルトラマンにとどめを刺した!


               ※

 そして、壮絶な斬り合いを繰り広げていたアムロが、シャアの一瞬の隙をついて、サザビーの両腕を切り飛ばし、更にとどめを刺そうとした……その瞬間!二人の間に、閃光の如く、一機のモビルスーツが飛び込んで来た!

『やめなさい、アムロ!やめなさい、兄さん!』
「その声は……アルテイシアか!?」「セイラさん!」

 二人の戦いに、飛鳥の如く割り込んで来た巨大戦闘機は、瞬時にZガンダムへと変形した。更に、その遥か彼方に見えるは、ホワイトベース と超時空要塞マクロスの巨大な姿だった!

『こちらは、共和国所属艦マクロス、並びにホワイトベースII!諸君らの援護と救出に来た!』

 〈ミレニアム・ファルコン〉の操縦室で、その連絡を受け取ったレイア姫は、思わず振り返って叫んだ!

「助かったわ……援軍よ!」

 ヤマトと〈ミレニアム・ファルコン〉の艦内で、大きな歓声が上がる!応援に駆け着けたマクロスの司令室では、グローバル艦長が待機中のパイロットに対して、戟を飛ばした!

「これよりマクロスは、交戦中の帝国軍に対し、ダイダロス・アタックを行なう!全機、戦闘準備用意!」

 一方、ホワイトベースIIのブライト艦長の元にも、通信担当のフラウ・ボウから報告が入った。

「モビルスーツ部隊・第2陣、出撃準備完了致しました!」
「よし……全機出撃せよ!」

 ブライトの声と共に、連邦のエース・パイロットたちが、次々と出撃した。

『こちらカイ・シデン!……百式出るぜ!』
『クリスティーナ・マッケンジー……ガンダム・アレックス出ます!』

 更に、マクロスの両腕を形成する宇宙空母アームド1・2が、帝国軍の包囲網を突き破って突入!

「ダイダロス・アタ〜〜ック!」


♪ アタック〜、アタック〜〜、ナ〜ンバ〜ワ〜〜ン!(BGM:アタックbPのテーマ)

 次の瞬間、一条輝、マクシミリアン・ジーナス率いるスーパー・バルキリー部隊が、アームド1・2の先端から発進!ホワイトベースIIのモビルスーツ部隊と巧みに連係プレーを取り、次々と敵機を屠って行く。νガンダムとウルトラセブン、スーパーロボットのモゲラの攻撃によって、攻撃部隊の大半を失った帝国軍は、応援部隊を出す事もできずに、次第に劣勢に追いやられて行った……。

               ※

 一方、そんな事は我関せずの態度で、語り合う三機のモビルスーツがあった……。

『ニュータイプ同士、どうして戦い合わなきゃならないの?どうして、心を通じ合わそうとしないの?』
『アルテイシア……戦いは我等ニュータイプの宿命なのだ。避けられるものではない!』と、シャアが言う。
『そうだよ……悲しい事だけど、人間には戦いを求める本能があるんだ。そして、永遠なる平和が訪れる日まで、僕達は戦い続けなきゃならないんだ……』と、アムロもそれに答える。
『ええい……引っ込んでいろ、アルテイシア!アムロを倒すのは、私の悲願なのだ!』

 シャアはZガンダムを回避するや、両腕を失ったサザビーで、尚もνガンダムに迫って行った!

『キャスバル兄さんの分からずや!私はアムロを愛しているのよ?どうして、それを分かってくれないの?兄さんにはいずれ、私とアムロの結婚式に列席して貰おうと思ってたのに……』

 シリアスな場面から一転!セイラの突然の告白に、サザビーがキキーッと音を立てて、宇宙空間で急停車!νガンダムのコックピット内では、ララァが険悪な表情で、ゆっくりとアムロの方に振り向く……。

「アムロ……よくも、あなた!私と二股かけてたって訳ね!?」
「ち、違うんだ!誤解だよ、ララァ!あれは、セイラさんの一方的な片想いなんだ……まあ、TVシリーズ前半のラブ・ロマンスの伏線としてはあったんだけど……。結局、僕が愛しているのは、君だけなんだから、ララァ!」と、必死になって弁解するアムロ!
『酷い!アムロって、そんなに薄情だったの?』

 涙をしとどに流すセイラのスクリーン映像を目にしたララァは、アムロに詰め寄った!

「言い訳無用!女心を弄んで、泣かせるような男には、たっぷりお仕置きが必要だわ!さあ、アムロ……ホワイトベースに戻って、セイラさんに謝るの!」
「ご免なさい……もうしませ〜ん!」

 ララァに追い立てられるように、ホワイトベースIIに戻って行くνガンダムと、その後を追うZガンダム。シャアは女同士の愛憎模様に毒気を抜かれたのか、追撃する事も忘れ果てて、ぽけっとその後を見送っていた……。


               ※

 帝国軍の反撃を封じ、999を無事に収容。共和国軍の基地が存在している惑星ヤヴィンのデータを、〈ミレニアム・ファルコン〉とヤマトに送信したマクロスが、ホワイトベース と共に、長距離ワープの態勢に入る。そして、寸暇を惜しんで、ハイパースペースへ突入する準備をしていたハン・ソロが、ふと船外に目をやって言った。

「見ろよ……。あの宇宙人、俺たちに別れの挨拶をしてるぜ!」

 帝国軍の〈無敵艦隊〉を散々に蹴散らし、見事にせウルトラマンを倒したウルトラセブンが、同じオビ・ワン・ケノービの弟子であるルークたちに向かって手を振った。

=では……さらばだ、友よ!私は、これから故郷の星へ戻る=

 そのテレパシーに、ハン・ソロが答えて言う。

「よ〜し!俺たちも、あいつに別れの挨拶を返してやろうじゃねえか!!1、2、3……!」

=デュワ〜〜〜ッ!!=

 ソロたちのガッツ・ポーズにウルトラセブンが応えた瞬間、共和国軍の宇宙船は、一斉にハイパー・スペースへ姿を消した。そして、一人残ったウルトラセブンも、生まれ故郷−懐かしのM78星雲へと戻って行った……晴れて、新作「ウルトラセブン/太陽エネルギー作戦」に出演する為に!


               ※

「おのれ〜!みすみす、あやつらを逃してしまうとは〜〜!この馬鹿者共が〜〜〜!!」

 援護に駆けつけた共和国軍に、全く太刀打ち出来ない帝国軍の兵士たちを罵倒するデスラー総統!その肩がポンと叩かれた。ゆっくりと振り返ったデスラー総統の目に入ったのは、長年の宿敵オビ・ワン・ケノービをまんまと取り逃がして、怒り心頭に達していたダースベイダーと、体中湿布薬と包帯だらの恰好のモフ・ターキン総督だ!

「デスラー総統……私がここを留守にする間、デス・スターの指揮を貴様に任せていたのだが……肝心要の海賊連中を見逃して、たかがヤマト一隻に総攻撃をかけるとはどう言う事だ!」

 オビ・ワンを倒せなかった為、デスラー総統に八つ当たりするベイダー!

「反乱軍との決戦を控えておると言うのに、燃料や弾薬・兵器を無駄使いした挙げ句が……この様だ!お蔭で、肝心要の連中を逃してしまったではないか!まあ、奴らの逃げ込み先−反乱軍の秘密基地の在り処は、私がオビ・ワンから聞き出しておいたから良かったとは言うものの……。この不始末の責任は、デスラー……お前に取って貰うぞ!自室に戻り、暫くの間休養せよ!」

 休養とは名ばかり……実質上の監禁処分の宣告に、ダースベイダーをフン!…と鼻であしらったデスラーは、さっさと司令席を立って、自室へと戻って行く。慌てて、その後を追うストーム・トルーパーズ保安主任のヨミ。

「……だが、ベイダーよ。デスラーだけに責任をおっ被せる訳には行かんぞ。お前も、この大騒動の最中に司令部を離れて、個人的な恨みを晴らしに行ったではないか!?」

 モフ・ターキン総督の叱責に、今度はダースベイダーが縮こまる!

「いや……ですが、しかし……その結果、反乱軍の基地が惑星ヤヴィンに存在する事が判明したのですから……」

 もみ手を使い(?)、ひたすらターキン総督にゴマをするベイダー。だが、総督は無情な目つきでダースベイダーを見据えるや、ビシッと言った!

「もう、良い。ベイダー、お前にデス・スター司令官としての役目は任せられん!キース・アニアンの被害報告書によれば、今回の戦いで、我が艦隊は半身不随に陥ったようだ……。総督命令により、パロディーはもうこれで終わりにする!これからは、本家本元の映画通り、デス・スター砲で反乱軍に止めをさしてやるのだ!」
「ですが……デス・スター砲は、アルデラーンとの交戦時に、一度破られておりますが……?」

 ベイダーがそう食い下がると、ターキン総督はニヤリと笑って言った。

「その為にも、わしはこいつを、首都コルスカントから呼び寄せたのだ。新型デス・スター砲のメンテナンスのチームと一緒にな……入るが良い!」
「ありがたきお言葉にございます!総督閣下……」

 ターキン総督の言に応じて、司令室に姿を現した人物。彼こそ……。

「お、お前は……!プリンス・シゾール!?」

 アルデラーン政府にデス・スター砲の機密情報をリークし、宿命のライバル・ダースベイダーの追い落としを謀っていた、秘密結社ブラック・サンの首領プリンス・シゾールだった!

「ベイダー卿。結局、最後に笑うのは、他の誰でもない……。この私だったと言う事だ!」

 本家の映画版に出られなかった恨みを、今こそ晴らさんとばかりに、ダースベイダーを嘲笑うプリンス・シゾール!

「シゾールが、メンテナンスを済ませた新型デス・スター砲の指揮を取る!ベイダーよ……。お前には、新型デス・スター砲の発射準備が整うまでの間、我らに向かって来る反乱軍を、タイ・ファイターで迎撃する戦闘員としての任務を命じる。それまで、お前も自室に引っ込んでおれい!」

 デス・スター司令官としての任を解かれ、一パイロットに貶められたダースベイダーは、怒りの余りに両の拳を力一杯握り締め、ワナワナと身を震わせながら、心の中で叫んだ!

『おのれ、ターキンめ〜〜!この屈辱……いつか晴らさでおくべきか〜〜!!』

 ダースベイダーの心の中の怒りも知らず、惑星ヤヴィンの反乱軍を一掃する計画を、プリンス・シゾールと熱っぽく語るターキン総督!海賊同盟&ヤマト攻撃に向かった帝国軍も、次々と帰艦する……。デス・スターが、亜空間航法による連続ワープでヤヴィン恒星系に達するまで……タイム・リミットは、後4時間に迫った!



《第31章:共和国軍基地にて…へ続く》


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