【パロディー・スターウォーズ/ジェダイの復習】

《第27章》 再 会


 さて……ここで、ドンチャン騒ぎになっている秘儀の間から、命からがら脱出して来たエロイカ一行が、あれからどうなったかと言うと……。

「お〜い、済まねえな、ボビイ!待たせちまって……。あれ、どこ行ったんだ?」

 秘儀の間からの専用エレベーターから真っ先に飛び出したコブラは、彼らの帰りを警備室で待ちわびてる筈のボビイを求めて、当たりを見渡したが……。

「危ない!」

 よそ見していたコブラを、いきなり五右ヱ門が突き飛ばした!

「な……何するんだよ、一体!」

 コブラが怒鳴った瞬間、今の今まで彼が立っていた空間めがけ、鋭い金色の槍が唸りを上げて飛来!五右ヱ門の斬鉄剣と交差するや、ビィ〜〜ン!……と音を立てて超合金の床に突き刺さった!あまりの衝撃に顔をしかめ、思わず斬鉄剣を取り落とす五右ヱ門!その右腕からは、わずかに血が滴っていた……。

「くっ……無念!」
「ひえ〜〜!間一髪だったぜ」

 へたり込んで、冷汗を拭い取ったコブラに、物陰から声が掛かった。

「フフフ……。命拾いをしたな、コブラ」
「その声は……貴様、クリスタル・ボーイ!」

 警備室から姿を現わしたのは、誰あろう海賊ギルドの大幹部で、コブラの宿敵クリスタル・ボーイ!その声を耳にするや、コブラは大きく跳躍し、電光石火サイコガンをぶっ放した!更に、相手を敵と感じ取ったルパンと次元も、ワルサーとマグナムの弾丸をお見舞いしたが……。コブラのサイコ・エネルギーは、クリスタル・ボーイの体を虚しくす通りし、ルパンと次元の必殺の弾丸も、まるで効果がなかった……。

「畜生!俺様の弾丸を、まるでパチンコ玉みたいに弾き返しやがる!」

 ギリギリと歯を噛み締めるルパンと次元。デス・スターを揺るがす激しい轟音と震動の中で、コブラとクリスタル・ボーイは、奇妙な静寂感に包まれながら相対峙した。そして、宿敵同士の二人の対面に、全く口を挟めないルパンたち……。

「メフィラス司令に言われて出向いて来たのだが……ここで、貴様と出くわすとわな」
「しつこいねえ、あんたも。1度ならず2度までも……一体、何度死んだら気が済むんだ?」

 呆れ顔で呟くコブラ。その言葉に、クリスタル・ボーイは、自分の頭部をコツコツと突いた。

「言ったろう?私はここさえ大丈夫なら、何度でも甦れるのだ。原作で3度、劇場版で1度、TVシリーズで2度、貴様の為に苦汁を飲んだ……。これが7度目の正直だ!今度こそ、貴様をあの世へ送ってやる!」

 そう言うと、クリスタル・ボーイは劇場版の武器−黄金のボーン・ソードを再び胸部から抜き放った!

「おほっ!6度ある事は7度ある…ってね!」

 そう言いざま、再度サイコガンを発射!今度は、かつてクリスタル・ボーイにとどめを差したエネルギー体内反射を見舞ったが……。

「ああ〜〜。いい気持ちだ!体の奥の隅々まで、綺麗に掃除してくれるとはな〜〜。極楽!極楽!」

 クリスタル・ボーイの体内で全反射する、コブラのサイコ・エネルギーは内部から破壊する所か、いつの間にか吸収されてしまったのだ。

「私もあれから経験を積んだ。私の体内に侵入したエネルギーは、今やすべて我がエネルギーと化してしまうのだ。それに、メカニック・アームを弾替わりに発射する奇襲作戦も、もはや私には通用せん!コブラよ……そろそろ、貴様も年貢の納め時のようだな」

 必殺のボーン・ソードを、コブラに向けて大きく振りかざすクリスタル・ボーイ!さすがのコブラも、今度ばかりは打つ手がなく、米俵を担ぎ上げた……その時!クリスタル・ボーイに縛り上げられていたボビイが縄をほどき、どこから持ち出して来たのか……真っ黒なペンキの入ったバケツを、クリスタル・ボーイの頭からぶっ掛けたのだ。

「わっ……小僧!何をする!」「でかした、〈伯爵〉!」

 ボビイをひっ捕まえようと隙を見せた瞬間!コブラのサイコガンが、不透明になったクリスタル・ボーイの首をブチ抜いた!「やったぜ!大当りだ!」と、指を鳴らす次元!クリスタル・ボーイの頭が大きく宙に飛び、頭部を失った体は、そのままゆっくりと後ろへ倒れて行った……。真っ黒に染まった首を、床から拾い上げるコブラ。

「フフフ……結局、また貴様にやられたか……。だが、忘れるな。頭部が無事なかぎり、私は甦って来ると言う事を……」
「ああ、十分承知してるよ……その時は、また相手をしてやるさ」

 クリスタル・ボーイの捨てゼリフに、ニヤッと笑い返したコブラは、真っ黒のクリスタル・ボーイの首を、手近なダスター・シュートの中に放り込んだ。

「じゃ……それまで、ゴミと一緒に寝てるんだな。達者でな、あばよ〜〜!」
「わっ!何をする〜〜!!」

 ダスター・シュートの奥に消えて行く、クリスタル・ボーイの首を見送ったコブラは、エロイカたちの方を振り返った。五右ヱ門も既に血止めを済ませている。

「余計な時間を食っちまったな……行こうか」
「ああ……余り時間がない。急ごう!」

 エロイカが先頭を走り、彼らは一路タートル号を目指して行った。


               ※

 一方、海賊同盟と帝国軍が、デス・スター周域で派手にドンパチやってる間、第10宇宙船発着場に強制着陸させられた999に近付く二つの影があった。

「さあ、私の可愛い坊や……。いつまでも逃げ回ってないで、いい加減に出てらっしゃい!」

 ムチを小脇に抱えながら、官能的な表情のシスター・ジルが、ゆっくりと周囲を見回す……。ダースベイダーに、レイア姫に対する尋問を途中で横取りされたシスター・ジルは、その欝憤を晴らしに、ベイダーの秘書・ソルダム四世を弄ぼうとして、ずっと追い回していたのだ。

「クソッ!誰がお前なんかに……」

 険しい顔付きをして、そう呟いた四世が、身を隠そうとして999の車両にそっと忍び込んだ時……。彼の背後から、突然声が掛かった。

「おい!おまえ……もしかして、四世じゃねえか?」
「その口の悪い喋り方は……フロル?」

 さっと振り返った四世の目に入ったのは、銀河大学星のかつての友……フロルと彼の膝枕でグッスリと眠っているタダの姿だった。

「生きてたんだ、四世!」

 喜びで、顔がくしゃくしゃになったフロルが立ち上がって、四世の元に駆け寄る。床に放り出されて、ガツンと頭を打ったタダが、後頭部をさすりながら起き上がった。

「あ痛たたた……何だよ、フロル!いきなり立ち上がってして。お蔭で目が……四、四世!?」

「どんな訳だか分からないけど……良かった!生きてて本当に良かった!」
「早くここを出て、アリトスカへ行こうよ!王様と婚約してる君の妹がどれだけ喜ぶか!」
「うん……。でも、僕は……」

 笑顔のタダとフロルを目にした四世が、突如憂い顔になる……。

「どうしたんだよ、四世!何か気になる事でもあるのかよ?」

 フロルの言葉に、何も答えようとしない四世……。と、突然三人の背後から、かん高い声が掛かった。

「……坊やがここを離れるなんて事、出来る訳ないでしょ?だって……ベイダー様に命を救って貰って、第一秘書を承っている身分なのに」

 振り返った三人の目に入った人物……それは、先程から四世を追い回していたシスター・ジルだった!皮肉っぽい笑みを浮かべたシスター・ジルが、999の扉に寄りかかりながら、四世を熱っぽく見つめている。

「それに……この私が、あなたを絶対に離してあげないから!」

 鞭をビシッと床に叩き付けるや、ゆっくりと三人に近づいて来るシスター・ジル……。妖しく光る彼女の瞳に捕えられ、身動き一つ出来ない四世が、力を振り絞って必死に叫んだ!

「僕は……僕は、いくら命を救って貰った……からって……。もう、帝国の為に働くなんてこと……絶対に嫌だ!」
「まあ!……何て恩知らずなんでしょう!?坊やのその間違った気持ち、私が正してあげるから、感謝なさい!」

 とっさに、四世を庇って、シスター・ジルの前に立ち塞がるフロルとタダ!だが、シスター・ジルの瞳から発せられた妖しい光−催眠術によって、彼らは指先一つ動かなくなってしまったのだ!

「タダ……俺、動けないよう!」
「僕もだ……クソッ!」

 歯噛みして悔しがるタダたち。

「あなたたち、三人とも美形ね……。やっぱり、萩尾望都が描く少年キャラは違うわ。私がたっぷり可愛がってあげるから……うふふっ!」

 長い指先でゆっくりとタダの頬を撫でるシスター・ジル。嫌悪感に顔を歪めるタダ……。と、その時突然、彼女の背後から声が掛かった。

「やめなさい!人には、自分の意志って言うのがあるのよ!自分の思うままに、人を従わせようとするのはエゴでしかないわ!」
「メ……テル…!」

 タダが叫ぶ。振り返ったシスター・ジルの目に、長い銃を構えた黒衣の美女……メーテルが映った!その背後で、鉄郎も必死に戦士の銃を構え、車掌さんだけが物陰に隠れながら、ガタガタと震えている。

「私が銃を目にして、退散するとでも思っているのなら、大きな誤りよ……はあっ!」

 次の瞬間、シスター・ジルの鞭が、唸りを上げて旋回するや、メーテルの腕を切り裂き、鉄郎の銃を奪い取り、車掌さんの帽子を跳ね飛ばした!

「きゃあ〜〜っ!」「畜生!」「わ、私の帽子が……!」

 思わず叫ぶ三人!辛うじて銃を取り落とさなかったメーテルも、その腕から血がタラタラと滴り落ちていた。

「さあ、次はあなたの銃を奪おうかしら?……それとも、その美しい顔をズタズタに切り刻んであげようかしら?」

 シスター・ジルが、鞭で床を打ちすえる。苦痛に顔を歪めたメーテルが、何とか銃を構えようとするが、腕が上がらない。

「覚悟は良いかしら?」

 そう言って、シスター・ジルが鞭をブンブン旋回させる!

「だ、駄目だあ!メーテル〜〜!!」

 メーテルを庇おうと鉄郎が前に飛び出し、車掌が思わず目をつぶった瞬間!身動き一つ出来なかったタダの目がキラッと光ったかと思うと、メーテルたちに唸りを上げて飛来した鞭の先端が、粉微塵になって消滅した。タダのテレキネシス能力だ!その衝撃でもんどり打って横転したシスター・ジル目掛け、メーテルの銃が遂に火を吹いた!そのまま、動かなくなるシスター・ジル……。鉄郎が、恐々彼女の体をつつくながら言う。

「死、死んじゃったの……?」
「大丈夫……峰撃ちよ!」

 鉄郎の問いに、顔をしかめながら答えるメーテル。シスター・ジルの催眠術から解放されたタダたちと鉄郎は、失神しているシスター・ジルを身動き出来ないよう縛り上げ、とりあえず999の貨物室に放り込むや、再び客室に戻って来た。

「ありがとう、タダさん。貴方のお蔭ね!」
「全く。君がいなかったら、今頃僕たち、どうなってたか分かんないよ!」

 タダに向かって、車掌さんに手当をされているメーテルと鉄郎が礼を言う。

「そんな事。こんな時はお互い様なんだから……」

 大きくアクビをしながら言うタダに、車掌さんも言う。

「私も、命を救って頂いたお礼を何か致したいと存じますので……」
「い、良いんですよ!」

 車掌さんの丁寧な言葉に、慌てて言うタダ!……と、突然フロルが口を挟んだ。

「ねえ、タダ……。せっかく車掌さんもお礼がしたいって言ってるんだからさあ……。ここは、四世も一緒に999に乗せてって貰えるようお願いしてみようよ!タダで乗車する事になるけど、良いでしょ?……ね?ね?」

 車掌に、媚を見せながら擦り寄る(?)フロル。タダも笑顔で大きく頷く。そして、メーテルまでもが……。

「何か複雑な事情があるみたいだけど……私からもお願いするわ。何とか、この人を999に乗せて上げられない?」

「もし、どうしても乗車賃が必要だって言うのなら、僕が何とかして払います……だから、お願いします!」

 頭を下げて頼み込むタダとフロル。それにメーテルの懇願に、車掌さんは頭を掻き掻き、仕方なさそうに呟いた。

「まあ、良いでしょう。命を救って頂いたお礼もあるんだから……。特例として認めて上げましょう!でも、これっきりですよ、タダで人を乗せて上げるのは。これ以上は、どんな理由があってもタダ乗りは一切認めませんからね!」
「ワ〜〜イ!車掌さん、大好き!!」

 首っ玉にかじり付いて、喜びを表わすフロルに、目を白黒させる999の車掌!嬉しさの余り、どう答えて良いのか分からない四世は、タダの胸の中に顔を埋めながら、ぼろぼろと涙を流した。タダが優しく言う。

「……四世。あっちに言って、ゆっくり話をしようよ。僕も、君に伝えたい事がいっぱいあるから……」

 寄り添うようにして、その場を離れるタダと四世。そして、相変わらず騒がしいフロルの三人が、隣の車両へ向かうのを、鉄郎とメーテル・車掌さんの三人は、いつまでもじっと見つめていた……。


               ※

 ここで、再びストーリーを元へ戻そう。バウンティー・ハンターの追撃を振り切ったルークたちは、途中で別れ別れになったボンドたち、そして後に残ってバックアップ役を受け持っていた古代たちと、遂に合流した!

「やったぜ……おい!後は〈ミレニアム・ファルコン〉で脱出するだけだ!」

 愛機〈ミレニアム・ファルコン〉を目前にして勝鬨を上げるハン・ソロ!皆は手を叩き合い、お互いの無事を喜び合って、大きな歓声を上げた!そして、その中で感動の再会を果たした2組の恋人があった……。

「雪、よく生きていてくれた……」
「古代くん!私の古代くん……」

 強く抱き合い、熱い口づけを交わす古代進と森雪の二人が、フル・アニメーションで回り込む……。

「ララァ。こんな……こんな嬉しい事はないよ……!」
「アムロ……私の一番大事な人……」

 そして、アムロとララァの二人は、二分割の画面でじっと見つめ合う……。かつて、最愛の恋人同士でありながら、『さらば宇宙戦艦ヤマト』と『小説版・機動戦士ガンダム』において、運命の悪戯により無残に引き裂かれた、古代と雪……そしてアムロとララァ!オビ・ワンの力で再び甦って、フォースの修業に励みながらも、失った恋人の姿が脳裏から離れなかった古代とアムロ……深い傷を負っていた二人の心が、やっと癒やされたのだ!

「あのー、ラブ・ストーリーはいいんですが……オビ・ワン様は何処に居られるのですか?」

 周囲を見回して問い掛けるC-3POに、ルークがはっと顔を上げて言った。

「そうだ、忘れてた!……でも、先生の行方を知ってるのはジョミーだけだし……」

 皆の視線が、負傷して意識不明で、床に寝かされているジョミーに集まる。

「とにかく……今は〈ミレニアム・ファルコン〉に運び込んで、応急処置でもする事だな。こんなところでワイワイ言ってても仕方ねえ……」

 ハン・ソロがそう言った時、ふとルークは胸騒ぎを覚え、知らず知らずの内に視線を他方へ移した。そこで彼の目に映ったのは……。

「……ケノビ先生!」

 それは、ダースベイダーと果てしない死闘を繰り広げていたオビ・ワンの姿だった!ルークの声が届いたのか、一瞬振り返ってVサインを出すオビ・ワン。だが、すぐに真顔になった所を見ると、どうやら押されぎみらしく、じりっじりっと後退している……。

「先生、今行きます!」

 思わずオビ・ワンの元へ、ルークが駆け出そうとした瞬間!第9宇宙船発着場にドクター・ノオ率いるクリンゴン兵士の一個大隊が出現。レーザーガンを乱射し、ルークたちに雨霰の如く熱線を浴びせ掛けた!

「ボンドよ、今度こそ貴様の最後だぞ!覚悟するが良い!」

 鋼鉄の義手を握り締めて、不気味に笑うドクター・ノオ。クリンゴン兵も雄叫びを上げて迫って来る!「畜生!ここまで辿り着いたってえのに!」と、思いっ切り罵倒するハン・ソロ!

「とにかくバリケードを築いて応戦するのよ!」

 レイア姫の言葉に従って、周囲にある物でバリケードを築き上げた彼らは、クリンゴン軍に向かって激しく応戦した。更に、〈ミレニアム・ファルコン〉にも一団の兵士が迫って行くのを目にした古代が、チューバッカに言った。

「〈ミレニアム・ファルコン〉に連絡して、敵兵がそちらに向かっているから、撃退するよう言ってくれないか?」

 うなずいたチューバッカは、携帯用通信器でもって〈ミレニアム・ファルコン〉を呼び出したが……。

『キーッ!ウッキーッ!ウキウキウッキー!』
「何よ〜!一体、何を言ってるのよ〜?」

 〈ミレニアムファルコン〉で通信を受け取った女性陣だったが、生憎ハン・ソロと違って、ウーキー語は全く理解出来なかった。

「彼の言ってる事はさっぱり分からないけど、この喋り方からすると、大変な事態みたいよ」と、言ったのは、やっと回復した火田七瀬だ!「レーザーガンの発射音が聞こえてくるし、爆発の震動音も伝わって来るから……どうやら、外でドンパチ始まったみたい!」と、これは砂姫明日香。

「じゃ、いよいよ大銃激戦の開始ね……暇つぶしはこれでお終い!いよいよクライマックス……いいわね、皆行くわよ!」
「(全員で)……おーっ!」

 エイリアの戟に奮い立つ女性陣。5人の女性超能力者は、それぞれの能力を発揮して、帝国軍が船に近付けぬよう撃退。古代からの連絡も、真意は伝わらなかったものの、結果的には見事に防戦に務めていた。そして、ルークやハン・ソロ、レイアたちも次々とクリンゴン兵を撃ち倒していたが……。「レイアさん。私、先程から何か危険な存在がすぐ側に迫って来ているのを感じるのですが……」と、レイアに対し不安げな表情を見せるララァ。

「そうね……私もそんな気がするわ」

 ジェダイの騎士の素質の萌芽を発揮しつつあるレイアも、何か漠然とした不安感を抱いて、こくりとうなづいた……。その瞬間、インディアンの如き雄叫びを上げながら、宇宙の狩人種族−プレデター&ヒロージェン十数体が突如実体化するや、彼らの頭上から降って来たのだ!

「敵は頭の上だわ!」

 ララァの指摘に、慌てて顔を上げる一団!ボンドとルークが銃口を彼らに向けるが……。

「だめだ、間に合わねえ!」

 プレデターによる大量殺戮を脳裏に思い浮かべて、すくみ上がるハン・ソロ!が、その時……。

「合衆国騎兵隊、只今参上〜〜!」

 その声と共に、ハン・ソロたちの背後から強烈な光の束が次々と発射され、銀河一狂暴な二大狩人種族は、全て一瞬の内に頭を吹っ飛ばされて絶命した!

「危なかったな、ハン・ソロ!」
「コブラか……これで二度目の借りになっちまったな!」

 危機一髪で、ハン・ソロたちの危機を救ったコブラとガッチリ手を握り合うハン・ソロ。更に、その後から現れるエロイカと〈伯爵〉ことボビイ・ニューマーク、それにルパンたち三人組。「何だかんだあったが、結局デス・スターで、お前と再会する羽目になるとはな……」と、感慨深げなハン・ソロ。

「これも運命ってものさ……それにしても、今回俺は、誰かが危ない時に駆け付けて、間一髪命を救う役割ばかり……全く、ご都合主義もいいとこだ!」

 コブラは苦笑して言った。

「まあ、俺がお膳立てした、銀河サーカス団の暴動や宇宙海賊同盟の抗議行動に加えて、ハン・ソロ……あんたたちみたいな予想外の出来事が加わり、デス・スターは思っていた以上の大混乱だ。今の内に、さっさとズラかろうぜ!」
「…てえと、《黄金の聖櫃》は手に入ったのか?」

 ハン・ソロの目がキラリと輝く。

「ああ。今、高飛びレイクが聖櫃のすぐ側に残って待機してる。陽動作戦を起こしてくれた銀河サーカス巡業団は、そろそろ撤退に掛かってるし、ハーロックたちの攻撃ももうすぐ山場だ。後は、俺たちが協力して、あのクリンゴン兵を片付け、タートル号に駆け込めば、作戦完了……エンドテーマのお時間さ!」

 コブラはそう言って、〈ミレニアム・ファルコン〉の隣に並んでいる宇宙船を指差した!


               ※

 コブラの言葉通り、カメレオン・スーツを着て、暗黒の中に溶け込み、気配を消している高飛びレイク。周囲のドンチャン騒ぎに巻き込まれず、気づかれる事もなく精神を集中している。が……。『くそっ!俺だけ一人、こんな危険な所に残して、皆引き上げやがって!……』と、雑念が多くなかなか集中出来ない。そして、上半身だけの無残な姿のまま、執念でレイクに迫り行く魔人・加藤!

               ※

「よーし、もう興行はお開きだ!皆、余計な物は放っておいて、直ぐに巡業宇宙船に乗り込んでくれ!」

 大暴走を起こした帝国兵士の大群から、ひそかに逃れて身を隠していた銀河サーカス団の一行は、変装をかなぐり捨てた七色いんこの指揮の元、何が何だかさっぱり分からないまま、第1宇宙船発着場目指してひた走った!異星人をも含めた、ありとあらゆる芸人たちから、鳥人間や人魚・虎・ライオン・象・イルカ・クジラまで……ありあらゆるサーカスの人間・動物・妖精たちが、地響きを上げて駆け抜ける!が……一行が第1宇宙船発着場へ辿り着いた時、彼らの宇宙船《クロース・エンカウンター号》は事もあろうに、廃棄物処理場から出現した怪獣ペギラの冷凍光線でコチコチに固まってしまっていたのだ!

「どうします、団長?」と、既にジェフリー・フォーマイルのライフ・マスクを剥ぎ取った〈するりのジム〉が言う。
「どうするったって、こんな事態は予想もしてなかったからなあ……今更、どうにもならんよ!」

 そう言って、ため息をつく七色いんこ……。彼らの目の前では、マイ・クローン装置で巨大化したゼントラーディー兵と冷凍怪獣ペギラとの、地響き立てた激闘が繰り広げられていた。

「やっぱり、生で怪獣を見ると迫力感じるなあ……。こんなに興奮したのは、『ジュラシック・パーク』と『ガメラ2/レギオン襲来』以来だ!」

 ロー・アングル、下方から巨大感を強調する絵づくりで捉えられた、巨大生物同士の激闘に心を奪われた七色いんこは、現在の苦境も思わず忘れ果たまま、見惚れていた。だが、如何に巨大化したとは言え、ゼントラーディー兵も所詮は人間。特殊能力を持った怪獣には叶わない。いつしか防御に回り、じりじりと劣勢に陥って行った。

「やっぱり、怪獣を倒せるのは、怪獣退治の専門家でなくっちゃ!」

 するりのジムのその言葉が聞こえたのか……次の瞬間、彼らの目の前に尖光が走り、巨大な白銀の巨人が出現した!


♪ ウルトラマ〜〜ン、フラッシュ〜ビームが〜〜、輝〜や〜けば〜、ウ〜ルトラマンの登場だ〜〜!

「ウルトラマンだ!」「違う!あれは……」

 七色いんこが指さして叫んだ!

「……にせウルトラマンだ!」

 いかにも、本物そっくりの出現シーンと共に、登場したにせウルトラマン!日頃からの研究と訓練の賜物か、TVシリーズ登場時のやられ役とは遥かに違っていた。にせウルトラマンの、にせウルトラマンたる所以……悪魔的なメイクとシルエットに換わりはなかったが、声や動きのパターン・リアクションまでが、本物のウルトラマンと寸分違わなかった!

『シュワッチ!』

 にせウルトラマンはそう声を発すると、やられっ放しになっているゼントラーディー兵にとって替わって、冷凍怪獣ペギラに立ち向かって行った……と、それを呆然と見つめている二人に、おずおずと声が掛かった。

「あのう……差し出がましいようですけど……乗る宇宙船がなくてお困りでしたら、僕達の銀河鉄道999に乗られませんか?」

 振り返った二人の目に入ったのは、誰あろうタダとフロルだ。

「12両連結の999なら、ほとんどの人が乗り込めると思うんだけど……?」

 タダの言葉に七色いんこは飛び付いた!

「いや、ありがとう!これこそ、渡りに船……いや渡りに宇宙船だ!にせウルトラマンと怪獣が戦っている今がチャンスだ。早速、利用させて貰おう……で、999は今どこにあるのかね?」
「隣の第10宇宙船発着場だよ。強制着陸させられてから、ずっとそこで身を潜めてたんだけど……そしたら、こっちで何か起こったみたいなんで、タダと一緒に見に来たんだ!」と、フロル。
「それで、貴方たちの声が耳に入って……。お力になれればと思って……」

 タダは、怪獣とにせウルトラマンの死闘にビクビクしながらも二人に言った。

「分かった……諸君!これこそ天の助けだ!全員、ただちに銀河鉄道999に乗車しろ!」

 七色いんこが一声合図するや、銀河巡業サーカス団の一行は、隣の宇宙船発着場へと急ぎ、先を争って次から次へと999に乗り込んで行ったが、それを見た999の車掌は慌てて制止した!

「ま、待って下さい!パスか乗車券のない方は、銀河鉄道・第3社則で乗れません!」
「こんな時なんだから、タダで乗ったからって別に構う事ないじゃん!」と、フロル。
「そうだよ!固いっ事言いっこなしだよ!」と言ったのは鉄郎だ。
「それに……僕も特別に乗せてくれたじゃありませんか!」と、四世も言う。
「車掌さん。私からもお願いします」

 メーテルの訴えかけるような瞳に、一瞬ぼうっとなる車掌。だが、次の瞬間には、きっぱりと頭を振って拒絶した!

「いいえ!たとえメーテル様のお願いであろうとも、これ以上無賃乗車の方が増える事は、この私が……と言うよりは、銀河鉄道社則によって許されません!」
「全く……融通がきかないんだから!」

 膨れっ面をするフロルに対し、〈するりのジム〉が『俺に任せとけって!』と言う風にウインクするや、999の車掌の肩を親しげに抱きながら言った。

「おうおう、車掌さんよう。俺たちは別に無賃乗車させて貰おうって訳じゃないんだ。必要な物は……ほれこの通り!ちゃんと、銀河鉄道運航会社発行の団体用チケットを持ってるんだから……」

 〈するりのジム〉が差し出したチケットを、引ったくるようにして眺める999の車掌!

「こ、これは!確かに……当社発行の団体用チケット!間違いありません。私の確認印もきちんと押してあります!!」

 首を捻る車掌の手から、慌ててチケットを奪い返した〈するりのジム〉は、念を押すようにして言った。

「じゃ、これで問題はねえんだな?チケットは、これこの通りここにあるんだから、列車に乗せて貰っても構わねえんだな!?」

「はあ……でも……」

 詰め寄るジムに、思わず後ずさりする車掌……。

「それとも、まだ何か必要なのかい?」
「いえ。別に……これで十分ですが……」
「よ〜し、OKが出たぜ!皆、乗り込むんだ!」

 おーっと言う歓声が上がり、未だに疑問を抱いている車掌を後にして、再び銀河巡行サーカス団の一行が、次々と999へ雪崩込んで行った!

「よく団体チケットなんて、こんな時に都合良く持ってられましたね?」

 ドドドド……と地響きを立てながら、乗り込んで行く一団を横目で見ながら、感心して言うタダに、〈するりのジム〉がクククッと笑って応えた。

「なーに、そんなもん持っちゃいねえさ。俺様はステンレス・スチール・ラット−別名〈するりのジム〉。人様の物をちょろまかすのは、得意中の得意よ!」
「じゃ……あれは!」
「そう……あの呑気な車掌さんの懐にあった奴さ!こっそり摺り取ったんだが、奴さん全く気がついてやしねえ……。ああ言った杓子定規のお役人は、規則にはうるさい割りに、一旦チケットがあるとなれば、何にも文句は言わねえんだ!」

 何にも気づかずに、サーカス団の一行の乗り組みを渋々確認する車掌さんの後姿を見ながら、タダは『そんなものかなあ?』と首を捻る。やがて、総勢100名にも当たる、銀河サーカス団の全員が999に乗り終えるや、七色いんこは小型無線通信器でコブラに連絡を済ませると、〈するりのジム〉に向かって言った。

「よし……エロイカやコブラ・ルパンたちも、そろそろ脱出する頃だそうだ!デス・スターの牽引ビームはもう切ってあるし、氷結していた発着口も溶け始めたことだから、999も無事に脱出出来る!ペギラとにせウルトラマンが戦っている間に、私たちも早いとこ出発……」

 そこまで言いかけて、七色いんこの声がピタリと止まった。首筋に触れる冷たい金属の感触……。背後からピリピリと伝わってくる、凄じいばかりの殺気に、七色いんこは声も出せずに硬直した!

「そうか……何か予感がしたので、ここに残ったんだが……。分かったぞ!この大騒動は、全部お前たちが謀らんで引き起こしたのだな!」

 一歩も動けない七色いんこの顔が、ゆっくりと回り、やがて彼の視界に入ったもの……それは!

「ダ、ダ、ダ、ダースベイダー!」

 するりのジムが思わず叫んだ!「違う!」と、七色いんこの首筋に、黒光りする大刀を突き付けている黒い鎧の長身の男が、プライドを傷つけられて言った。「で、で、でも……ベイダーにそっくりだぜ」と、再び投げ掛けられる声。触れられたくない事を、ズバリ指摘された男は、忿怒の表情を浮かべた……。

「許さん!貴様ら……私が内心気にしている事を!」
「……父さん!」

 999から飛び出して来た鉄郎が叫ぶ!黒い鎧に全身を包んだ長身の男……それは、鉄郎のかつての父−機械化帝国に屈服した黒騎士メフィストだったのだ!

「私は、断じてダースベイダーもどきではない!……それはともかく、私を父と呼ぶお前は、一体誰だ?」(と、成原博士の声で)
「僕だよ!僕の顔が分からないの、父さん?息子の鉄郎だよ!」

 首を傾げながら、鉄郎の顔をまじまじと覗き込む黒騎士メフィスト。

「いいや、違う!私が知っておる鉄郎は、もっと二枚目のハンサムな少年だ。お前のような、潰れた大福餅のような不細工な顔は、私は知らん!……去れ!このパタリロもどきが!」

 そう叫んだメフィストの太刀が、ジワリと七色いんこの首筋に喰い込み、ツーッと一筋の血がしたたった……。死を覚悟する七色いんこ!

「父さん!どうして……どうして分かってくれないんだよう!?僕は鉄郎だって言ってるだろう、父さん!」
「だめよ、鉄郎。この人には、あなたが息子の星野鉄郎だって、分かる筈がないわ……」

 いつの間に列車から下りてきたのか、メーテルが鉄郎を遮って言った。「どうして、メーテル?」と、問い掛ける鉄郎。

「だって……この人が知ってるのは、劇場用映画『さよなら銀河鉄道999』に登場してる、二枚目の方のあなただからよ。TVアニメ版のあなたとは初顔合わせなの……。だから、何を言ってもダメなのよ!」

 自分が『二枚目でない方』と言う事を指摘された鉄郎は、心にグッサリと深い傷を負った……。

『僕だって……僕だって、自分がハンサムじゃないって事くらい知ってるよ……。でも、でも、その事をメーテルが口にするなんて……』

 心にぐっさりトラウマが……。うじうじと拗ねている鉄郎を横目に、メーテルがメフィストに向かい合った。

「久し振りね、メフィストのおじ様……」

 機械化帝国の同朋のメーテルを目にするや、氷のように鋭いメフィストの口調が、コロッと変化した。

「おお……お前はメーテル!どうだ、元気にやっておるか?お前は確か、息子の鉄郎の指導教育係を担当していたと聞いたが……鉄郎はどこにおるのだ?」

 当の本人である鉄郎の頭越しに、きょろきょろと周囲を見回すメフィストに、ハーッと溜め息をつくメーテル。

「おじ様ったら……全く、状況が分かってらっしゃらないみたいね……とにかく。ここは、この人を解放して、999をデス・スターから発車させて!」

 メーテルの言葉に、メフィストの口調が再び厳しくなった。

「いや、それはならん!たとえ親しいお前の頼みだとは言え、こ奴ら帝国への反逆者どもを、そのまま解放してやる事など断じて出来ん。七色いんことか言ったな……その首きれいに落としてやるから、安心して冥土へ行くが良い!」
「おじ様……何て事!」

 柳眉を逆立てるメーテル。だが、そんなメーテルを遮って、999の車掌が前に出た。

「メーテル様……。ここは、どうか私にお任せ下さい」
「でも……」と、心配げな表情のメーテル。
「大丈夫です、メーテル様。列車の運航スケジュールと、乗客の安全を守るのは私の役目です。一旦、999の乗客として確認されれば、私にはその人の安全を確保する義務があるのです!」

 きっぱりと言い切った車掌に対し、列車中の乗客から、一斉に拍手が起こった!照れて真っ赤(?)になる車掌。が、メフィストは嘲って言った。

「たかが、列車の車掌ごときが、この黒騎士メフィストに立ち向かえるとでも思っているのか!?」

 チッチッチッと指を振る車掌。

「あなたはご存じないのですよ……私の正体は、TVアニメや劇場用映画はおろか、原作コミックでもはっきりと描かれていません。と、言うのも猫……いや仮面を被っていたからなんで……」

 帽子を被り、大きな制服にスッポリ全身を被っていた、999の車掌の姿が不意に変化し始めた!

「……俺の真の姿は、実はデビルマンなのさ!」

 車掌は、強大な力を擁するデビルマンに変身して、宙に舞い上がった!メフィストがそれに注意を奪われた瞬間、電光石火メーテルが七色いんこの体を、メフィストから引き離す。次の瞬間、デビルマンの強靭な腕が、メフィストの太刀をガッチリと受け止めた!

「フフフ……『デビルマン』『バイオレンス・ジャック』『デビルマンレディー』…と、際限なく続く戦いに疲れ果てた俺が、安息を求めて選んだ役柄が、ひたすら仕事一筋。平々凡々な999の車掌だったが……。所詮、運命からは免れられぬ定めか……?」

 諦めの表情を浮かべたデビルマンが、メーテルに向かって叫んだ!

「行けーっ!メーテル、鉄郎!ここは俺に任せて、行くんだーっ!」

 デビルマンの叫びに、ボーッ、ボーッと言う999の汽笛が重なる。グチグチと愚痴っている鉄郎と、気力を失った七色いんこを、タダとフロルと四世の手助けで999に引っ張り込むメーテル!次の瞬間、ガッシュガッシュ……と言う轟音と共に、999はデス・スターの宇宙船発着場を進んで行った!それを見送るデビルマンの口元が、血に飢えた悪鬼のようにニヤリと吊り上がる。

「さあて、これで邪魔者はいなくなった。お互い、好きなだけ戦おうぜ……スラムキング!」
「ほほう……さすがはデビルマンだ!よくぞ、私が貴様の宿敵スラムキングの輪廻転生した姿だと気づいたな!?」

 鉄郎の父−黒騎士メフィストが、機械化帝国に屈服したのも、実は輪廻転生したスラムキングの怨念に支配されていたからだった!

「俺たちはお互いに離れられない定めなのさ!」「その通りだ!」

 デビルマンとメフィスト=スラムキングの死闘が、突如として始まり、いつ果てるとも知れぬまま続いて行った……。だが、遂にメフィストの剛刀を叩き折ったデビルマンの腕が、メフィストの首に巻き付き、首をもぎ取った!メフィストの首から噴水の如く吹き上げる大量の血。全身血塗れになったデビルマンは、ガックリと腰を落とすと、飛び立つ999の姿をじっと見つめた……。

『お別れだな、鉄郎、メーテル。俺も、お前たちと一緒に旅を続けたかったが……戦い続ける事こそが、俺の運命のようだ。お前たちは、俺のような男を必要としない−戦いのない平和な世界を作ってくれ……頼んだぞ!』

 疲れた表情を見せるデビルマンの視線が、キッと一カ所に向けられた!

「出て来い、飛鳥了……いやサタン!スラムキングがいたんだ!お前もいるんだろう?」

 デビルマンの言葉に、物陰から白いスーツに身を包んだ美青年−飛鳥了が姿を見せた!


               ※

 車掌……いや、デビルマンと黒騎士メフィストの死闘を後に、大勢の臨時乗客を乗せた999は、帝国軍と海賊同盟との戦火渦巻く空域へと出て行った!如何にデス・スターの牽引ビームが切断してあるとは言え、何の攻撃を受ける事なく、この場を切り抜けるのは、非常に困難だ。

『999、許可なき発進は禁止する!直ちに停止し、デス・スターに帰還せよ!繰り返す……直ちに停止し、デス・スターに帰還せよ!』

 デス・スター官制室からの緊急通信に、思わず顔を見合わせる七色いんこと〈するりのジム〉!999は帝国軍の砲撃を避ける為、ジグザグに低空飛行する。更に、海賊同盟側からも無線通信が入って来た!

『999に告ぐ。ここは現在、帝国軍と海賊同盟との戦闘空域だ!撃ち落とされたくなければ、直ちにここから離脱せよ!』
「まずい!すぐに我々が999に乗ってるって事、ハーロックたちに伝えなきゃ!」

 飛び上がった七色いんこが、慌てて通信機をひっ掴むや、海賊同盟に連絡を入れた。

「……OK!これで、ハーロックたちとも連絡がついた。海賊同盟の方は一安心だぜ!」

 その言葉に、四世が立ち上がって言った。

「帝国軍は、僕が何とかしてみます!」

 もう一つの通信機を手にした四世が、デス・スターの官制室に向かい、冷静な声で呼び掛ける。

「私は、ダースベイダー卿の第一秘書・ソルダム四世ドリカスだ!卿の命令により、緊急任務でデス・スターを離れる。999に対する攻撃は、全て中止せよ!」
『ドリカス第一秘書と音声確認しました……が、念の為に合言葉をどうぞ』
「……合言葉?」

 = 疑ってるな?=そう感じた四世だったが、何食わぬ顔をで合言葉を口にした。

「♪シスコが樹〜を切る〜〜。ベイベイジョ〜〜。ベイベイジョ〜〜♪」

 ……時間が経過する。デス・スター管制塔からの返事はない。緊迫した空気が999に流れる。

『その合言葉は、緊急事態につき無効となりました。直ちに帰還して下さい!』

 「畜生!」と、思いっ切り通信機を床に叩きつける四世!結局999は、帝国軍の攻撃を受けながら、デス・スターを脱出する機会を伺い続ける事となる……。



《第28章:一億に一つの偶然…へ続く》


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