【パロディー・スターウォーズ/ジェダイの復習】

《第24章》 モンスター大襲来!


 話を本筋に戻そう。第27捕虜収容所の通風口から逃げ出す時に、フリント・イーサン・クリヤキン組と離れ離れになってしまい、ダスターシュートの中へ落ち込んでしまったルーク、ハン・ソロ、チューバッカ、レイア姫。プラス番外のジェイムズ・ボンド、ジェミー・ソマーズ、森雪、ララァ・スンの8人組は、延々と続く真っ暗なシュートの中を右に曲がり、左に曲がり、Uターンを描いて方向を変え、螺旋状に急降下し、どこまでもどこまでも滑り続けて行った……。
「ねえ……?この通路、どこまで続くのよう?」「そんなの、僕知らないよ!」「誰か、マッピングしてない?」「こんな右も左も分からない状況で、どうしろってんだ!」「何だか、まっ直ぐ横に進んでいるような気もするんだが……?」「錯覚よ、錯覚!…じゃなきゃ、勘違いだわ!」「あーん!私の衣裳が汚れちゃう!」「ウォッ!ウォッ!ウオーッ!」

 皆口々に勝手な事を喚き立てていたが、遂に広大な第4廃棄物処理場の開口部から、全員が宙に放り出され、汚水の水しぶきが次々と立ち上った!
「いや〜ん!もう!」
「こんなの最低よ〜!」
 女性陣の悲鳴とブーイングが渦巻く中、ルークやハン・ソロ、チューバッカにボンドは、早速周囲の状況を見て取った。
「ウォー!ウォー!」
「チューバッカ!言われなくったって、ここが廃棄物処理場だって事は分かってるさ!」
 苛立つハン・ソロを、ボンドが制して言った。
「出口はあそこだ!」
 ボンドが指し示した方向に、メンテナンス作業員用ハッチの大きな扉が見える。廃棄物の山を、やっとの思いで乗り越えたルークは、コンコンと扉を叩いた。
「うーん。これ、内側から開くのかなあ……?」
「よーし、ルーク。そこから下がれ!俺がレーザーガンでぶち破ってやる!」
「あっ!射っちゃだめっ!」
 レイア姫の制止を振り切って、レーザーガンを扉に向かって発射したハン・ソロ。が、レーザーの光条が扉面に当たった瞬間、光線は見事に反射して、廃棄物処理場のあらゆる壁面で乱反射を繰り返した!
「アッチッチッ!」
 火線が肌を掠めて、飛び上がるハン・ソロ!

「言ったでしょ、射つなって!ここは壁面に電磁シールド保護膜が張られてるから、うかつにレーザーを発射すると危険なの!」
「そんな事、俺が知るかよ!」
 きつい目付きで睨むレイア姫に、ハン・ソロはふて腐れて言った。
「私が、デス・スターの設計図を隅から隅まで熟読してたから良かったものの……一つ間違えれば、全員フライになってお陀仏だった所よ!」
「へっ!……言いますけどね。俺はあのオビ・ワンとか言う爺さんに頼まれて、惑星アルデラーンにまで皆を運んでやる契約は確かにしたけども、あんたを助け出す手伝いは俺様の好意……言わばボランティアだぜ!後でタップり礼金を貰わなきゃ、やり切れねえや。あんたみたいなキツい女を嫁にする物好きな男の顔が見てみたいぜ!」
「私も、あんたみたいな粗野な男の元に嫁いでいく変わり者の女の顔が見たいわ!」
「フンだ!」「ヘンだ!」
「おいおい……痴話喧嘩はその位にして、このメカを見てくれ」
 ボンドの言葉に、レイアとハン・ソロは、同時に激しい抗議をし始めたが、メカ好きなルークと森雪が、一部分解された扉の開閉機構を覗き込んだ。

「この出入口自体、長い間使ってなくって、すっかり錆びついてるみただわ?」
「メカニックも動くかどうか分かんないや……。力でぶち破るしかないんじゃない?」
「……じゃあ、私の出番ね!」
 指をポキポキ鳴らしながら進み出たバイオニック・ジェミーを、チューバッカが遮った。
「ウッウッウォー!」「えっ?でも、私……」
 困惑するジェミーに、『任せなさい』と言う風に指を振るチューバッカ。
「よっ!チューバッカ!騎士道の鏡!」
 ハン・ソロの冷やかしにもめげず、チューバッカは、全身全霊の力を込め、扉に向かって思いっ切りぶちかましを掛けた!が、あっさり跳ね返され、ザンブと水しぶきを上げて、汚水の中に姿を消した……。
「だから言ったでしょ。私はバイオニックマン……いえ、ウーマンなんだから、こう言った事は任せてくれればいいの!」
 核融合の嵐が体内で唸りを上げ、原子力モーターの力がパワーを増幅させる……。目を閉じ、精神を集中させて、目に見えないオーラを体中から漂わせたジェミーは扉に立ち向かった!
「こ……こいつは凄げえや!」
「気が全身から感じられるよ!」
「うむ……だから、女は怖い」
 じっとジェミーを見つめるボンドとルークとハン・ソロ。やがて、気を十二分に発揮したジェミーの魂心の一撃が、唸りを上げて発せられた。
「スーパーバイオニック・パーンチ!……あ〜ん!手が痛い〜〜!」
 手を押さえて飛び跳ねるジェミー。全員ずっこけて、ひっくり返る中、ボンドはそっと彼女の手を押さえて囁いた……。
「君の手は、そんな事の為に使うんじゃない。僕の体を抱きしめるときに使ってくれ……」
「ああ……ジェイムズ……」
 見つめ合うボンドとジョミー……。
「もう!こんな時にラブシーンだなんて!」「畜生〜!この女殺し〜〜!!」「ウーッ!ウォウォウォーッ!」

「みんな、静かにしてちょうだい!」
 先程まで一言も発していなかったララァ・スンがピシリと言った。その気迫に押されて、一瞬にして場が静まる。ララァは、目を閉じ、精神を集中させながら、ゆっくり言った。
「ここに落ちた時から気になっていたんですが……真っ黒の体をして、四つ足で動き回る生き物の姿が、頭の中に浮かんで来るんです……。それが何かは分からないのですが……」
 皆は不安にかられ、周囲を見回した…と、突然!
「キャ〜!ネズミ〜〜!」
 森雪が、目の前を通り過ぎた真っ黒で大きなドブネズミに悲鳴を上げた!
「ちぇっ!何かと思やあ、単なるネズミじゃねえか!」
 へへへっと笑うハン・ソロは、さっとネズミのシッポを摘み上げ、ブランとぶら下げた。「……嫌っ!もうっ!」と、口をとんがらせる森雪。更に水面がバシャバシャと動く。何かが汚水の中で盛んに動き回ってるようだ。
「ネズミ程度で悲鳴を上げるなんて、実に女らしいじゃねえか?誰かさんとはえらい違いだぜ」
「ちょっと〜。誰かさんて、誰の事よ〜〜?」
 再び始まるハン・ソロとレイアの痴話喧嘩。一方、ララァは両の掌を二度大きく打ち合わせると、ゆっくりとお告げを発した。
「お答えいたします……」
 皆の呆れ顔を尻目に、口喧嘩を続けるハン・ソロの後の水面がザーッと音を立てて、ゆっくりと盛り上がって来た……。「狭い虫籠の中で跳ね回る、黒いバッタの姿が見えます……それは……」と、ララァは続ける。そして、ハン・ソロの背後に、巨大な頭部を持つ真っ黒な生物の醜悪な姿が!はっと気づいたレイアが絶叫した!
「あれは……エイリアンよ!」

 「……エイリアンです!」と、ララァの声!レイアの悲鳴を聞き、危険を察知した野生の獣のように、本能でもって身を翻したのが、ハン・ソロの命を救ったと言えよう。今の今までソロの頭が存在していた空間に、エイリアンの必殺の顎が唸りを上げて貫通したのだ!転がるように逃れ、物陰に身を隠すハン・ソロ……そして、ルークたち!
「畜生!ネズミじゃねえのか!?」
「私は、『真っ黒の体をして、四つ足で動き回る生き物』って言いました。嘘は言ってません!」
 その言葉に呼応するかのように、廃棄物処理場の汚水の中から、あるいは機械の残骸の中から、真っ黒な巨体も怖ろしい完全生物エイリアンが、ゾロゾロと四つ足で這い出して来た!
「なるほど、『虫籠の中の黒いバッタ』か。ある意味で、今の状況を正に暗示しているようだな」
 手近に転がっていた錆びた金属バットを手に取るボンド。更にエイリアンの数は増えてくる……。
「私たちが、久し振りのごちそうって訳ね」
 ジェミーの闘志が高まって来る。
「ソロ!古代君やアムロたちに連絡を取って、外部からここのハッチを開けて貰えないか?」
 不安気にレーザーガンを構えるルーク。
「さあな?さっきから予備の無線通信機で呼び掛けてるんだが……ここの電磁シールド保護膜のせいか、雑音がひどくて役に立たねえんだ」
「じゃあ、一体どうするんです……?」
 森雪も、ひん曲がった日本刀を構えるとエイリアンの気配を伺う。
「まあ、とりあえずは必死で戦って、この場を切り抜けるしか手はなさそうだな……」
 ハン・ソロは、先程までのおちゃらけた態度から、真剣な眼差しになってぽつりと呟いた。
「待って下さい!私がアムロと連絡を取ってみますから……」
 ララァはそう言うと、第9宇宙船係留場の管制室にいるアムロに向けて、思念を凝らした。
『アムロ、アムロ……』


 ♪アムロ〜アムロ〜振り向かない〜で〜(BGM:永遠にアムロ)

『振り向かなきゃだめなのよ!』

 ♪振り向〜かないで〜デス・スターの人〜〜!

『いい加減にして!』

               ※

「……ラ、ララァ!」
 古代がR2-D2を一生懸命修理しているのを、後から覗き込んでいたアムロは、いきなり頭の中に響いて来た精神感応の声に飛び上がった!
「どうした、アムロ?」
 オビ・ワンの元で修業を積み、ささやかながらもフォースの萌芽を会得している古代も、何かを感じて振り返った。だが、アムロは古代の呼び掛けも耳に入らなかった……。二度と会えないと思っていた最愛の女性の声を再び耳にしたのだ!喜びに身を震わせ、ぼろぼろと涙を流しながら、アムロは思わず知らず声を出しつつ、テレパシーで会話を続けていた。
「良かった……本当に良かった……もう一度君に合えるなんて……。こんなに……こんなに嬉しい事はないよ!……え、何……?廃棄物処理場?……何だって、エイリアン!」
 ララァからルークやハン・ソロの陥った状況を聞き取ったアムロは、再び飛び上がった!
「古代さん、大変だ!皆が落ちてった廃棄物処理場には、エイリアンがウジャウジャいるんだって!早く、メンテナンス・ハッチを開けなくちゃ!」
 アムロに訴え掛けられた古代は、未だピクリとも動かないR2-D2を見て、深刻な顔になった……。
「ど、ど、どうしましょう……早く、古代さん!R2-D2を修理してやって下さい!」
 C-3POにも責め立てられる古代。
 「……分かった。とにかく間に合うかどうか、やってみる」と、古代は再びR2-D2のボディに立ち向かって行った……。


               ※

 場面は戻って廃棄物処理場。ララァが目を開く。
「R2-D2はコンピューター・ウィルスにやられて寝込んでいるようです。修理が完了するまで、彼らの助けは当てにはなりません……」
「何てこった!あのオンボロめ!」
「と言う事は、自分の面倒は結局自分で見なくちゃダメって事ね……」
 何か思い詰めたようなレイア姫の眼差し。
「皆、来たわよ!」
 一斉に襲い掛かってくるエイリアンの集団!乱反射覚悟で、レーザーガンをぶっ放すルーク、ハン・ソロ、チューバッカ!金属バットを振り回すボンド!日本刀で斬りつける森雪!ニュー・タイプ能力を発揮して、エイリアンを床に天井に叩きつけるララァ!……そして、バイオニック・パワーでエイリアンを撃破して行くジェミー!だが、エイリアンは一体どこから沸いて出て来るのか……と言うくらい、雲蚊の如くウジャウジャと現れては、次々と彼らに襲いかかってくる!光線が乱れ飛び、汗と血と酸の血液が混じり合う壮絶なる死闘が繰り広げられる!
 「さすがに、バイオニック・ウーマンのパワーは凄いね」と、戦闘の最中にも、一瞬の余裕を見せるのはジェームズ・ボンド。
「君と言い、スティーブ・オースチンと言い、エイリアンを相手に素手で戦えるのは、君らバイオニック・マンだけだよ!」
「あら……その私をスティーブから奪ったのは、一体誰だったかしら?……えいっ、このっ!……第一、デス・スターにいるあなたが、どうしてタトゥーインでスティーブがエイリアンと戦った事を知ってるの?」
「それはそれ……コネリー版ボンドであれ、ムーア版ボンドであれ、ジェームズ・ボンドに違いはない。彼の知ってる事なら、私も知ってるさ!」
 「まあ!なんてご都合主義かしら!」と、言いながらも、喜々としてエイリアンをぶっ飛ばしているジョミー。
「だったら、君はどうしてその事を知ってるんだい?……マイ・ハニー」
「スティーブは、私の永年の恋人『だった』人よ。それぐらい知っていて、当然じゃなくって?」
「……おいおい。あんたたちよく、戦闘中に……ペチャクチャ喋ってられるな!……俺には……そんな器用な真似は……到底出来ないぜ…っと!」
 エイリアンを叩き延めしながら、会話を続けるボンドとジョミーに、呆れ顔のハン・ソロ。
 「そう言うあなたも、戦いながら喋ってるじゃありませんか。戦いながら会話ができるのは、ニュー・タイプの必須条件ですわ」と、これはララァだ。
「分かったよ!……全く、俺には理解できない世界だぜ。それにしても、あの……ジャジャ馬お姫様は、皆が必死で戦ってるって言うのに、一体どこへ姿をくらましたんだ?」
 ハン・ソロがそう言った時、廃棄物処理場の奥の方から、唸りを上げるモーターの巨大な轟音と共に、レイア姫の声が響き渡った!

「カモン!来なさい、エイリアン!」
 闇から光の中へ突如として出現したのは、巨大な鋼鉄製の腕を振り回すパワー・ローダーだった!
「あれは、リプリー?……いや、レイアだ!」
 汚泥と錆に汚れ切ってはいるものの、未だ強大な力を発揮する作業用バワー・ローダー!レイア姫の巧みな操作により、ドシンドシンと足音を立てながらエイリアンに迫り、あっと言う間にその巨大な腕で、押し寄せるエイリアンを次々と叩き潰して行く!
「私はゴキブリが嫌い!嫌い!大嫌い!」
 皆、ただ呆気に取られて見とれている内、あれほどいたエイリアンはすべて、パワー・ローダーの圧倒的な力の前に駆逐され、姿を消して行った。
「ウーッ!ウォッ、ウオーッ!」
 勝利の鴇の声を上げるチューバッカ!
「まだよォ!まだ、まだ!」
 早々と勝ち誇るチューバッカを、レイア姫が制した途端、ルークやハン・ソロたちが陣取っていた場所自体がグワッと盛り上がって、全員が弾き飛ばされるや、その下から漆黒の怪物エイリアン・クイーンが、その巨体を現わした!
「勝負よ、エイリアン・クイーン!」
 怒号を上げ、復讐の念に燃えて襲いかかって来るエイリアン・クイーン!日本の巨大ロボット・アニメの影響を受けてデザインされたパワー・ローダーも、原子力パワーのすべてを開放して激突する!正に『エイリアン2』のクライマックス決戦の再現だった!絡み合い、掴み合う2体の巨大モンスター!他の者はただ傍観者と化して見つめる中、全身これ凶器とも言えるエイリアン・クイーンに対し、とりたてて武器らしい武器を持っていないパワー・ローダーは、じりじりと押されぎみになっていた。が、その瞬間……ルークが実戦にはまだ一度も使っていないライト・セイバーが腰からふわっと外れると、レイア姫の手元に飛び込んで来たのだ!
「あっ!それ、僕のなのに……!」

 ライト・セイバーを生れて初めて手にしたレイア姫は、コントロール・レバーから手を放すと、何の躊躇もなくライト・セイバーを作動させた!操縦席からふわっと躍り上がるレイア姫。光り輝くライト・セイバーが、パワー・ローダーの鋼鉄腕と組み合ったまま動けないエイリアン・クイーンの頭部を深々と貫いた!
『グギャー!!』
 絶叫して、酸の血しぶきを噴水の如く吹き上げたエイリアン・クイーンが、そのまま仰向けに倒れて行った……。大量の酸を頭から浴びて、溶け始めたパワー・ローダーから間一髪脱出するレイア!
「凄いよ、レイア!僕だって、まだ上手く使えないライト・セイバーを、あんなに巧みに使いこなすなんて!」
 興奮したルークの賛辞が、まるで聞こえていないかのように、レイアは手にしたライト・セイバーをルークに返した。
『どうして?……なぜ私に、ジェダイの騎士のライト・セイバーが使えたの……?』
 自らの出生の秘密を、未だ知らないレイアが首を捻る……。その間、ソロやボンドたちは気を緩める事なく、周囲に目を配っていたが……。やがてソロが、ガラクタの上にストーンと腰を下ろすと、やれやれと言った表情で呟いた。
「OK!……どうやら、この親玉が最後の一匹だったらしいな……」
「本当に、これで終わりにして貰いたいもんだ!」
 そう言いながら、汚水の中に倒れ込んだまま、ピクリとも動かないクイーンを軽く蹴るボンド。ルークやチューバッカたちも、疲れ果てた表情で座り込んだ……。ソロは内ポケットから通信機を取り出すや、管制室にいる古代に呼びかけた。
「お〜い!こっちは何とか片付いたぜえ〜〜!そっちはどうだあ〜〜!?」


               ※

 ハン・ソロのうんざりした様な声を耳にしながら、一心にR2-D2の修理に勤めていた古代進が、ようやく顔を上げる。
 「終わったの?」と尋ねるアムロに、古代は袖で汗を拭きながら言った。
「ああ……。アナライザーの修理をした経験が、何とか役に立ったよ。どうだい、R2-D2……調子は?」
 やっと、コンピューター風邪から回復した(?)R2-D2は、古代の顔を見返すや、『ビイッ?』と問い返すように答える。
「おい、R2-D2!お前、まだ完全には目が覚めてないな……?」
 相棒の体調を見て取ったC-3P0が言う。その間にも、通信機からはソロの『何してんだ?』だの『早くここを開けろ!』だの、やいのやいの言って来る声が伝わって来た。
「おい、聞こえたろう、R2−D2?早く第4廃棄物処理場のメンテナンス・ハッチを開けるんだ。ご主人様方がお困りなんだぞ!」
 C-3P0の叱責に、R2-D2は何やら含みのある態度(?)で、古代たちを見つめていたが……。やっと、管制盤に向かうと、ターミナル端末に自分のコネクターを接続。次の瞬間、正面スクリーンに、第4廃棄物処理場の情報データが映し出され、画面上に『作動まで15秒』の文字が表示された。
『おい、いい加減に返事をしろ!!』
 堪忍袋の緒が切れかかっているソロに、古代が通信機を掴んで言った。
「今、R2-D2がデータ接続をしましたから……後、10秒で開きます!」


               ※

 「おい!残り、10秒でハッチが開くそうだぜ!」と、ソロが告げるや、ジョミーが皆に提案するように言った!
「じゃ、皆でカウント・ダウンをしましょうよ!」
 「賛成!じゃあ、私から…5!」と、森雪が言う。
 「…4!」と、ララァが続ける。
 「…分かったよ、3だ!」と、仕方なく言うソロ。
 「…ウーッ!(ウーキー語で2の意味)」と、ノリノリのチューバッカ!
 「…1!」と、勢い込んで言うレイア!
 「…0!」と、ボンドが言った途端、ガタン!…と言う金属音がして、処理場に震動が走った。「やった!……これでやっと、ここから出られるぞ!」と、飛び上がって言うルーク。だが、その喜びを打ち消すかのようにソロが叫んだ!

「違う!……ハッチが開いたんじゃねえ。壁面が動いてるんだ!」
 ソロが指摘した通り、ルークたちの目の前で、廃棄物処理場の左右の壁面が、ゆっくりと……だが、確実にルークたちを押し潰さんと動き始めた!
 「畜生、あのオンボロ・ロボットめえ〜〜!メンテナンス・ハッチと、水圧プレスのスイッチを間違えやがったなあ〜〜!馬鹿野郎〜〜〜!!」
 思いっ切り、R2-D2を罵るソロ!
「ソロ……このままだと、僕たちペッチャンコになっちゃうよ〜〜!」
 ルークも慌てふためいて叫ぶ!ジョミーが、自分のバイオニック・パワーを最大限に発揮して、壁の動きを止めようとするが……。
「あ〜〜ん!私の力じゃどうにもならないわ!」
 必死に壁を押し戻そうとするジョミー。だが、それも虚しい努力だ……。ソロが、レイアに向かって叫んだ。
「パワー・ローダーを、何とか壁面の突っ支え棒に出来ないか?」
「駄目よ……元からガラクタだった上に、エイリアン・クイーンの強酸の血しぶきを、頭から浴びちゃったから、もうオシャカよ……どうにもならないわ!」
 悔しげに唇を噛み締めて、吐き捨てるように言うレイア!その間にも、壁面は大量の廃棄物やエイリアンの死体を、ベリバリボリバリ!……と押し潰しながら、次第次第にルークたちに迫りつつあった……!


               ※

「大変だ!メンテナンス・ハッチが開かずに、水圧プレスが動いてるんだって!このままじゃ、ルークさんたちが潰されちゃうよう〜〜!」
 皆のパニック感を、テレパシーで聞き取ったアムロが叫ぶ。古代もR2-D2の方を振り返って怒鳴った。
「R2-D2、一体何をしたんだ!? 」
  怒る古代に、『シッシッシッ……!』と、低い声でケンケン笑いをしたR2-D2が嘲笑するように言う。
『記憶にございません……』
「この……オンボロ・ロボットめ!まだ、風邪が直ってなかったんだな!?」
 ムカッとなった古代が、一発張り手を食らわすや、R2-D2は『ビュイッ!』と一言言って、そのままバタッと倒れてしまった。
「ど、どうしよう……。古代さん!」
 通信機から何度も何度も聞こえて来る『何とかしろ〜〜!』と言う、ソロの声を耳にしたアムロが、床に倒れたR2-D2を見て言う。思いつめたような表情になった古代が、突然アムロに向かって叫ぶ。
「最初はグー!ジャンケンポン!」
 グーを出す古代!つられてアムロがチョキを出す……。
「グー……で僕の勝ち。グ・リ・コ!」
 両手を大きく上方に掲げる古代!
 「だから……何が言いたいんですか!?」と、アムロが問い詰める様にして言う。「グリコだから、お手上げ…って言う事さ。もう、僕にもどうにもならないよ……」と、肩をすくめる古代。
「そんな……そんなヘタなシャレだったなんて!」
 呆然として、床にへたり込むアムロ!
 「座蒲団、全部取っちゃいなさい!」
 C-3P0が、三遊亭円楽の様に怒り狂って叫んだ!


               ※

「おい!……何とか言え!畜生!」
 ルークたちに迫りつつある死神……廃棄物処理場の水圧プレスの壁は、今や3mの距離にまで縮まっていた。絶体絶命の危機に陥ったルークが、思わず手を組み合わせて叫んだ!
「お願い……リーブラ、助けて!」
「バカヤロー!ここは『ソーサリー』の世界じゃないんだ!そんな願い、誰が聞いてるって言うんだ。この……ゲームブック・マニアめ!」
 そう言って、ルークを怒鳴りつけるソロ。だが……そんなルークの願いを、密かに聞き取っていた者がいた。オビ・ワンに心と体の傷を癒して貰ったモロボシ・ダンだ!ダースベイダーの瞑想室を勝手に拝借して、精神の統一を図っていたダンは、デス・スターの内外で起こっているドンチャン騒ぎから伝わって来る、様々な『精神の声』に耳を傾けていたのだが……その時!ルークの助けを求める声を感じ取ったのだ!
『師の弟子たちが危機に陥っている。彼らの危機を見過ごす事は、私には出来ない!』
 決意したダンは瞑想室から出ると、近くにあるダスター・シュートの投入口に立った。
「ウィンダム!ミクラス!アギラー!ペギラ!レッドキング!……行け!」
 モロボシ・ダンが投入したカプセル怪獣は、ダスター・シュートの中で5つに分かれ、それぞれ第1から第5までの廃棄物処理場の真っただ中で巨大化した!


               ※

「な、何だ!何だ!何が起こったんだ!?」
 今にも押し潰されようとしていた、ルークたちの廃棄物処理場で突如巨大化したレッドキングが、一気に天井をぶち破ったのだ!幸運にも踏み潰されなかった彼らは、暴れまくるレッドキングが開けた穴から必死の思いで逃げ出した!同時に他の4つの廃棄物処理場もぶち破り、デス・スター内部を破壊し回る5匹の大怪獣!デス・スターに非常警報が鳴り響き、すぐさま怪獣退治の専門家・芹沢博士が司令室に呼ばれた。
「おや?これはデスラー総統。怪獣が出現したと言われたので来たのだが……。ターキン閣下、並びにベイダー卿はどこに居られるのかな?」
 白衣をラフに着こなし、眼帯を掛けたマッド・サイエンティスト・芹沢博士に対し、司令官代理のデスラー総統は苦り切って答えた。
「ターキン総督は、自室で睡眠中に事故に合われたのか、何度呼び掛けても起きてこられん!おまけに、本来なら総督の居られぬ時は、デス・スターの防衛司令官であるべき筈のベイダー卿も、つい先程まではここにおられたのだが……。『対決の時が来た。奴が私を呼んでいる……』と呟いて、いきなり姿を消してしまいおった……。それからはどこに行ってしまったか、行方不明。その為に、自室でゆっくり休養していた私が、むりやり引っ張り出されたのだ。全く無責任な奴だ!」
 怒り狂うデスラー総統の顔色が青ざめた!(ガミラス人の血液は青いから)
「デス・スターの内でも外でも、大規模な戦闘や破壊工作が繰り広げられ、それに加えて、何やら訳の分からん騒ぎが、次から次へと起こっておる!艦内のコンピューターにウィルスがばら巻かれて、片っ端から機能不全を起こしている上に、補給とメンテナンスがなっとらんから、デス・スターはまるで半身不随の重病人だ!おまけに今度は、怪獣の出現と来た!まるで13日の金曜日、仏滅に三隣亡、暗剣殺に大殺界がまとめてやって来たようなものだ!本家の映画版でも、このような大騒動はなかったぞ!」

 苛立ったデスラー総統が、目の前の司令コンソールを叩いた途端、艦内を映し出していた画面は、いきなりスペース・インベーダーと化した。
「くそっ、またか!さっきはスーパー・マリオ・ブラザースだったが、今度はスペース・インベーダーだ!」
 めったに見られないデスラーの姿を横目に、芹沢博士は冷ややかに呟いた。
「それで、あなたは私に何をさせたいのかな?」
「だから我々は、デス・スター内外の事件鎮圧に忙しく、怪獣退治にまで係わっておられんのだ。本当なら、科学特捜隊でも呼びたい所だが……。専門家として何らかの方策を出して頂きたい!」
「何故、宇宙猿人ゴリやゴア、又はギロチン帝王配下の怪獣を出してきて戦わせないのだ。奴らなら、十分に太刀打ちできるだろうが?」
 芹沢博士の言葉に苦虫を潰したような表情を見せるデスラー総統。
「馬鹿な!デス・スター内部で怪獣同士を戦わせられるものか!グレート・アトラクターは、自分の仕事は終わったと言って風呂に入っておるし、帝国の宇宙怪獣軍団は、惑星アルデラーンの消滅時に、大半がやられてしまって、ほとんどが残っておらん!それでもゴリやゴア・ギロチン帝王らは、先程の欝憤を晴らそうと、残った怪獣を出動させようとしたが、私の権限で中止させたのだ!」
 「では、オキシジェン・デストロイヤーでも持ってこようか?」と、嬉しそうな芹沢博士。
「博士……私は冗談は嫌いだ」
 デスラー総統の鋭い目付きに、些かなりともひるまない芹沢博士は、オモチャを取り上げられたような顔付きで応えた。
「……まあ、仕方ない。それなら、ゼントラーディー軍のカムジン部隊を、マイ・クローン装置で巨大化して、怪獣と組討ちでもさせるんだな。それなら大丈夫だろう。それでも駄目なら、ザラブ星人を偽ウルトラマンに変身させて、怪獣を仕留めてもらうと言う手もあるが……」
 芹沢博士のその言葉に、デスラー総統はうむと頷き、セーラ司令に対し命令を発した。
「博士、ご苦労だった……もう下がって良い。セーラ司令、ゼントラーディー軍の指揮官カムジン・クラヴシェラに命令したまえ。携帯火器で武装の上、20人編成の小隊を率いて、ただちにマイ・クローン装置室へ整列せよとな。巨大化して、デス・スター内を暴れ回っている怪獣を制圧するのだ。それと、もう一人……ザラブ星人にも、臨戦態勢に備えよとの指示をせよ!」
 そこまで言うと、デスラー総統はがっくりと椅子に腰を落として、頭を抱えた。
『私の居場所は、このようなガチャガチャした世界ではない……やはり、私がふさわしいのは男同士の静かな対決の世界だ。ヤマトよ、古代よ!……私はお前を待っているぞ!』
 デスラー総統は天を仰ぐと、好敵手・古代進と宇宙戦艦ヤマトの姿を思い浮かべたのだった……。



《第25章:死闘!オビ・ワン対ベイダー!!…へ続く》


「Parody「目次」へ戻る    前章へ戻る「第23章」へ戻る    次章へ進む「第25章」へ進む