【パロディー・スターウォーズ/帝国の予習】


《第15章》 アルデラーン大攻防戦 =PART3=


◎ A.T.4:30/怪獣軍団司令室
『時に、宇宙世紀0080年……』
 午前4時30分ジャスト!惑星アルデラーンが映るスクリーンに、華麗なる女性コーラスとナレーションが流れる。大気圏を切り裂き、次々と地上に落下する遊星爆弾が、惑星アルデラーンを荒廃の地へと追いやって行く。その光景を見て、満足そうに呟くグレート・アトラクター!
「さて……怪獣たちよ。思う存分、暴れ回るが良い!」

◎ A.T.4:50/アルデラーン各地
 アルデラーン全土に落下した遊星爆弾から、次々と出現する宇宙怪獣!ベムスター、ブラックキング、スペースゴジラ、キングギドラ、ベムラー、ガラモン、宇宙ギャオス、ギエロン星獣、デストロイア、ギドドンガス、ボルケラー……その他、ありとあらゆる宇宙怪獣が、アルデラーン全土で精鋭の防衛軍−MAT、TAC、ZAT、MACと激突する!
               ※
「出たな……宇宙怪獣どもめ。Gフォース全軍、攻撃開始!」
 麻生司令官の合図で、宇宙ギャオス掃討に向けて飛び立つガルーダ!スーパーX編隊は、ゼットンに立ち向かい、地上のメーサー部隊がギララを攻撃する!

               ※
「ラミウス艦長!艦が……艦が空中に吸い上げられて行きます!」
 =ガロ〜〜〜ン!=
 雄叫びを上げる惑星改造用ロボット・ガロン!かつて、アトムやマグマ大使とも引き分けた巨大ロボット・ガロンが、アルデラーンの重力を操って、原潜艦隊を空中へと舞い上がらせる!デスギドラの破壊光線で四散する、レッド・オクトーバー号・シービュー号・ノーチラス号!

               ※
「見てろ、天馬博士め……ジャイアント・ロボ、ポセイドン、ガイアー!敵怪獣を倒せ!」
 敷島博士の合図で、超兵器開発局の巨大ロボットが、次々と姿を現わした!いずれも、横山光輝ワールドが誇る、巨大スーパー・ヒーローだ!
「ええい……こちらも負けていられるか!プルートゥ、ボラー、ブランド……行けい!」
 こちらは、天馬博士が誇る科学技術省の輝かしき巨大ロボットたちだ!『やれやれ』と言った表情を浮かべたプルートゥも、仕方なく立ち上がって戦いに赴く。そして、地響きを立てて進んで行く巨大ロボットたちの前に、一匹の怪獣が現れた……ギャンゴだ。
「ははは!これだけの巨大ロボットを相手にして、お前一人が相手になろうと言うのか……この身の程知らずめが!」
 嘲笑する天馬博士。敷島博士も呆れ顔だ。……と、二人の博士の前でギャンゴの姿が突如消え失せ、何とウルトラマンに変身した!「そ、そんな馬鹿な……」と、仰天する天馬博士&敷島博士!

               ※
「馬鹿なのは、お前たちだ。変身怪獣ギャンゴは、私の精神コントロールで、どんな姿にもなれると言う事を忘れたか!?行け、ギャンゴ……いや、ウルトラマン!あいつらを叩き潰せ!」
               ※
『……シュワッチ!』
 今や、完璧にウルトラマンに変身したギャンゴは、3分間の時間制限もあらばこそ、スペシューム光線と八ツ裂き光輪を駆使して、アルデラーンが誇る巨大ロボット−ジャイアント・ロボ、プルートゥ、ガイアーたちを、次々と始末して行った。

◎ A.T.6:45/ゴッサム・シティー
「く、くそっ!足をやられたか……」
 着陸した帝国艦から出現したサイロンのロボット兵を、次から次へと破壊して来た不死身の男スティーブン・セガール大佐も、遂に力尽きる時が来た……。僅かに残った部下と共にバリケードを築き、防戦しているものの、ここが破られるのは、既に時間の問題だ。
「グラント博士。本当なら、私が行く所だが、この足だ……頼む!私の代りに、奴らの真下に位置している、地下の弾薬庫を破壊してくれ!」
 セガール大佐の言葉に震え上がる、タキシード姿のデビッド・グラント博士。
「ご、ご冗談でしょう!?私は、情報分析・作戦立案が仕事で、実戦経験は全くないんですよ!成行き上、あなたと共に行動する羽目になってしまったが……ブルルルルル!そんな危険な任務は、ご免被る!」
「そうか……では、仕方がない。失礼して、こうさせて貰う!」
 傍らのバック・パックから取り出した長髪のカツラを、むりやりグラント博士の頭に乗せるセガール大佐。更に、黒の革ジャンを着せられ、アイパッチを嵌させられるや、それまで紳士的だったグラント博士の態度が、突如として変化した!
「これでどうだ、グラント博士?」
「コール・ミー・スネーク!(俺をスネークと呼べ!)」
 一瞬にして、自分の持ち役−史上最強の犯罪者スネーク・プリスケンに変身したグラント博士がニヤッと笑う!そして、自ら戦いを求めるが如く、戦火の中へ飛び出して行った!
「これで安心だ……つうっ!」
 痛みに顔をしかめたセガール大佐が、通信機に向かって話し掛ける。だが、レギオンによる電波妨害が激しく、ほとんど無線が通じない。
「こちら……隊長のセガールだ!草薙…素子、応答せよ!」
『こち……草…素子で……。良く‥聞……えま…せ……』
「いいか。現在の任務を……放棄して、今直ぐ……にA−3地区に向かい、お前の妹を救出……するんだ。分かったか!?」
『分か……まし……』
 そこまで聞こえた時、プリスケンの決死的行動によって、セガール大佐に迫りつつあった帝国軍が、轟音と共に吹っ飛んだ!

               ※
『お父様……妹の浅黄は、私がきっと救い出します!』
 通信が途絶した無線機を手に、唇を噛み締める草薙素子少佐!その背後から、ひそかに近付いて来るスペース・バンパイアの群れ……。だが、一瞬にして光学迷彩を作動させた彼女は、襲い来るゾンビたちの前から消え失せた!

◎ A.T.7:20/メトロポリス
「行け〜!やれ〜!撃ち落とせ〜〜!!」
 軍配を振って、士気を鼓舞する麻生司令官!その時突然、空の彼方から一つの影が現われるや、ガルーダを撃ち落とし、スーパーXIIを撃墜させ、メーサー部隊を蹂躙した!
「な……何だ、あれは?」
 愕然となって、椅子から滑り落ちる麻生司令官!
「鳥だ!」「飛行機よ!」「いや、あれは……小池さんだ!」
「美味い!ラーメンもう一杯……バカモノッ!」
 小池さんと呼ばれて怒った謎の男……パンチパーマにメガネ、銀色のスーツを身に着け、マントを翻した怪人物が群衆にビンタをくらわし、スーパーXIIをぶち抜いて、超高層ビルにすっくと降り立つ!
スーパーマン?……いや、彼こそ誰あろう!藤子・F・不二夫ワールド唯一の、アンチ・スーパーヒーロー……ラーメン大好きな小池さんが変身した、ウルトラ・スーパー・デラックスマンだ!
 = そうです!ウルトラ・スーパー・デラックスマンです!弾よりも早く、機関車よりも強く、高いビルもひとっ飛び!ある日突然、この不思議な力を与えられた彼は、ウルトラ・スーパー・デラックスマンと名乗り、『己の信じる正義』の為に、日夜戦い続けているのです!=
「厳粛なる国家の政治方針に反する者どもは、この私が断じて許さん!」
 宇宙怪獣軍団に立ち向っていたGフォースを、次々と屠って行くウルトラ・スーパー・デラックスマン(以下、略称−USDマン)!かつて無敵の存在だった彼も、不治の病と言われるウルトラ・スーパー・デラックス癌細胞によって、その崇高なる(?)スーパーマン生命を断たれたのだが……ダースベイダーの暗黒理力によって復活し、再び己の信じる『義務』を果たさんと努力しているのだった!
「奴を止められる者はおらんのか!」
 自慢の部隊を、物の見事に粉砕された麻生司令官は、廃墟と化したGフォース前線基地で、拳を握り締めながら叫んだ……。と、その時。古風な喋り方の女性の声が宙に響いた。

               ※
『私が相手になろう』
「誰だ!……今の声は?」
 欲しいままに破壊を繰り返していたUSDマンが、空中でキキーッと停止し、その声の主を求めて地面に降り立つ。そして、彼の前に立ち塞がった二つの人影こそ、友引高校の保健医にして巫女−サクラ先生と快獣ブースカだ!
「お前たち、私と戦おうと言うのか?」
 サクラ先生が、御幣を突き付けて言う。
「その通り……。お主のその所業、断じて許せん!」
「もう、あんたの好きなようにはさせないんだわさ……バラサ!バラサ!」
 ♪ ボ〜クはブースカ・ブー!人気者〜!!
「ほほう、面白い……。それで、私と何で戦おうと言うのだ……力比べか?それとも……」
「ラーメンの大食い競争だわさ!」
 ブースカの言葉に、USDマンのメガネがビカリと光った。
「ラーメンの大食い競争だと……?」
「躊躇する所を見ると、お主自信が無いのか?」
 サクラ先生の挑発するようなセリフに、勢い込んで答えるUSDマン。
「何を言う?この私に、ラーメンの大食い競争で挑んで来るとは……身の程知らずめ!胃袋が破裂して、死んでも知らんぞ〜〜!?」
「それは、そっちの方だわさ」と、ブースカ!
「よし……ならば、そこの商店街のラーメン屋で勝負だ!」
「私も望むところじゃ!」
 廃墟の中にかろうじて残った、立ち食いラーメン屋の店先に、USDマンとブースカ、サクラ先生の三人が腰を下ろした。
「親父。ラーメン百人前、頼むぞ!」
 底無し、無限大の胃袋の持ち主・サクラ先生が、ラーメン屋の親父に声を掛ける。
「二つで充分ですよ」と、ラーメン屋の親父。
「何を言っとる、親父?……言ったであろう、百人前だ!」
「二百人前にしてもらおう!」と、USDマン。
「二つで充分ですよ」と、尚も繰り返す親父。
「三百人前は、行けるだわさ!」と、ブースカ!
「へい、分かりましたよ。では……お待ち!」
 瞬時にして、三人の前に並べられる三百人前のラーメン。かくして、銀河史上に名を残す、ラーメン大食い競争の大勝負(?)が、ここアルデラーン商店街の片隅で始まった!

◎ A.T.9:02/「朝まで生会議」楽屋裏
 放送時間は、ちょうどCM中。オーガナ大統領が、スタジオから楽屋裏へと元気良く駆け込んで来る。
「ハッスル、ハッスル、ハッスル、ホイッ!と……ふう〜〜」
 アルデラーンを代表する「宇宙一の脳天気男」の笑顔が、突如消え失せるや、その辺のどこにでもいそうな初老の男の疲れ切った顔へと変容する……。TVでは一度も見せなかった深刻な眼差しで、大田原官房長官に問い掛けるオーガナ大統領。
「……それで官房長官、どうなんだ?TV向けの決まり文句じゃなく、本当の事を言ってくれ。事ここに到って、我らが帝国軍に勝てる見込みはあるのか?アルデラーンに残された道は、奴らに降伏する事なのか?それとも戦い抜いて、玉砕する事なのか?」
 苦虫を噛み潰したような表情で答える官房長官。
「悔しい事ですが……。もはや、我らが帝国軍に勝てるすべは、奇蹟でも起こらぬ限りあり得ません!私も、ここまで奴らが強行手段=全面戦争を仕掛けて来るとは、予想もしておりませんでした。私の不明をお詫び致します……」
「よいよい!今まで我々は、口八丁手八丁の巧みな外交戦略と、心にもないおべんちゃら・ゴマスリで、帝国軍を大いに攪乱し続けて来たのだ。後は、私の愛娘・レイアを始めとする共和国軍=ゲリラ部隊に託すとしよう。あの娘が、きっと残虐非道なる帝国を滅ぼしてくれるだろう!老兵は死なず、ただ去り行くのみ……だ。大田原官房長官、今まで良くやってくれた!このヒトーシ・ウエキ・オーガナ、一人の男として礼を言うぞ!」
「勿体のうございます、大統領!」
 感極まって涙を流す大田原官房長官!その手を取って、何度も頷くオーガナ大統領。と、ADが駆け込んで来て、二人に合図をする。
「大統領、官房長官。後1分でCMが終了します!急いで、スタジオにお戻り下さい!」
 その言葉を耳にしたオーガナ大統領の顔が、再び元気溌溂のスーダラ脳天気男に立ち返る!
「そうか……よし!では、そろそろスタジオに戻るとするか。何しろ、私のこの脳天気ぶりは、アルデラーン全国民の希望の象徴だからな!最後まで、この『役』を演じ通さねばならん!さあ〜〜て、皆さん!ドバ〜〜ッと行きましょう!ドバ〜〜ッと!……」
 ♪俺〜〜は帝国で一番、無責任と言われた男〜〜!裏で〜はゲリラを煽動し、表〜〜じゃ、ゴマスリ、スマイル!
 苦渋に満ちた心を押し隠しながら、「銀河一の無責任男」の仮面を被って、スタジオに威勢良く掛け戻って行くオーガナ大統領!その背中に向かい、大田原官房長官は無言のまま、深々と頭を下げたのだった……。

◎ A.T.7:55/『朝生』スタジオ
「え〜〜。さて、皆さん!」
 むりやり作った笑顔で、カメラに向かう大田原官房長官。だが、番組開始時に列席していた政府首脳陣は、ほとんどが退席してしまっていた。今でもスタジオに残っているのは、司会者本人とオーガナ大統領、相変わらず元気な大島紬監督の三人だけで、残りは全て代理ばかりだ。
「我が軍は、劣勢に立たされておりますが、現在も頑張っております!ここで、一発逆転の秘策を提案されておられる二つの部所がありますので、それをお聞きしたいと思います。先ずは……超兵器開発局。沢口技官、どうぞ!」
「はい!」
 そう言って立ち上がったのは、敷島博士退席後、代理として番組に出演している、超兵器開発局の沢口靖子技官だ。制服姿にメガネと言った、キャリア・ウーマン風の美女が、スクリーンを前にして首脳陣に説明する。
「我が超兵器開発局は、最後にして最大最強の巨大ロボット兵器の開発に成功いたしました!これさえあれば、デス・スターもイチコロです!」
 ♪シュコロ!イチコロ!……ぶっ殺す!キンチョール!!
 超兵器開発局の巨大な格納庫が、正面の大スクリーンに映し出され、その天井部分がゆっくりとスライドする!地上に姿を現わす超巨大ロボット……その名もあずさ2号!時間は、正に午前8時ちょうど!
 ♪8時ちょうどの〜〜あずさ2号で〜〜、私は私は、あなたから〜〜旅立ち〜ます〜〜。
「おおっ!」
 どよめきと歓声が上がり、カメラのフラッシュが一斉に光る!思わず踊り狂ってしまう首脳陣!だが……。
「こ、こら!旅立っちゃってどうするのよ〜〜!あなたは戦うんでしょ〜〜〜?」
 沢口技官の制止も聞かず、あずさ2号は背中のロケット・エンジンを噴射すると、アルデラーンの大地を離れ、宇宙へと旅立って行った。待ち構えていた円盤艦隊の砲撃を受けて、宇宙の花火と散るあずさ2号!
『ドーン!』『た〜〜まや〜〜〜!』
「ええ……期待した割には、余り面白くなかったようです。では、次は、精神開発センターの高島所長。どうぞ!」
 Gフォースのメイン・ドックから、息を切らして戻って来た高島所長が、自信満々の表情で言う。
「政府の皆さんは、今がどう言う状況なのか、本当に分かってるんですか?現在の戦いは『怪獣映画』なんですよ?そんな時に、巨大ロボットなんて持ち出して来ても、全くの見当外れです!怪獣に対抗するには、何と言っても怪獣が一番!我が精神開発センターが誇る、ナンバーワン超能力少女・三枝未希さんによる『101匹ゴジラ大行進!』!どうぞ御覧下さい!イェ〜イ!」

◎ A.T.8:15/精神開発センター研究所
「全く、所長ったら……。私に、なんて恰好させるのよ〜〜!」
 ここは、アルデラーンの首都が一望に臨める場所に位置している、精神開発センターの特別研究所兼保養所。高島所長の趣味か、インドのサリー風の衣裳を着せられた超能力少女・三枝未希が、思わず不平を洩らす。
「でも、まあ……こんな時だから、仕方ないか。じゃ、所長。そろそろ、行くわね!」
 コスチュームもバッチリ決って、神秘の巫女の雰囲気を漂わせた未希が目を閉じ、両の掌を合わせる。静寂の中に、次第に増して行くオーラ!目に見えぬエネルギーが彼女を被い、激しく渦巻き、やがて明るさを増して行く!目映いばかりに光り輝く未希!そして、彼女の体から一筋の光が放たれた瞬間、アルデラーンの大地が激しく震動した!

               ※
「な、何だ……今の地震は?私の計画には入ってないぞ!」
 廃墟の中で、今尚V3と死闘を繰り返している悪神亜久馬が狼狽して叫んだ。次の瞬間、彼が立っていた地面が、天にも届けとばかりに盛り上がり、怪獣王ゴジラが、その雄姿を現わした!しかも一匹だけではない!あるゴジラは大地を割って出現し、あるゴジラはビルを突き破って姿を現わす!海の中から現れるゴジラもいれば、氷河から登場するゴジラもいる!あるゴジラは火山の中から、あるゴジラは干拓地から……。ありとあらゆる場所から出現したゴジラ!第一作「ゴジラ」から「ゴジラVSデストロイア」まで、何と総計22匹!

               ※
「どうです!これこそ、我が精神開発センターの秘策『101匹ゴジラ大行進』!またの名をWOWOW作戦です!」と、得意満面の高島所長。「……何?ワンワン作戦だって?」と大島監督の聞き損ないに、一瞬ムッとなった高島所長だが、気を取り直して言った。
「良く聞いて下さいよ……ワンワン作戦じゃなくて、WOWOW作戦です!監督、あなた数年前のWOWOWのCMを御覧になられませんでした?あの中で、数十匹のゴジラが暴れまくっているのを見たのが、この作戦のヒントになっているんです!アルデラーン遺伝子工学研究所の所長で、バイオテクノロジーの権威・白神博士の全面的な協力を得て、我々はゴジラ作品22作に登場する全ゴジラを、個々にクローン培養する事に成功したんです!そして、幼少時の刷り込み〈インプリンティング〉により、すべてのゴジラは三枝未希を母親と思い込むようになっています!言わば、ゴジラたちは彼女の可愛い息子なんです!」

               ※
『さあ……私の可愛い息子たち。私の故郷を破壊する、悪い奴らをやっつけて!思う存分叩き延めしてやって!』
 三枝未希のテレパシーを受けて、22匹のゴジラが一斉に雄叫びを上げる!そして、アルデラーン全土で破壊を繰り返す、宇宙怪獣大軍団を相手に激闘を開始した!

               ※
「おのれ、数を頼りにするとは、何と卑怯な!」
 デス・スターの戦略司令室で、自分の所業は棚に上げながら(?)、未希のWOWWOW作戦を非難するグレート・アトラクター!

               ※
 ゴジラのパンチが、キックが唸りを呼び、巨大な尾が轟音と共に旋回し、放射能火炎が全てのものを焼き尽くす!閃光怪獣キーラをKO!ミサイル超獣ベロクロンを破壊し、パワードドラコの巨大鎌を吹き飛ばす!(夜に出るから)バンデル星人の怪獣要塞バンデラーを叩き潰し、恐竜戦車をひっくり返し、戦艦大和から復活したアイアン・ロックスが放った必殺の「波動エネルギー」を吸収する!ダコーダをたこ焼きに、ガニメを焼きガニに、バイラスをイカ焼きにして食ってしまうゴジラ!
『あ〜〜腹いっぱいだ!』
 満腹状態になったゴジラが、熱く火照った体を、海の中へ飛び込んで冷やす!そして……。
『貴様……ゴーデスだな?』『そーです!』
『ならば、死んで貰おう!』
 ウルトラマンパワードの宿敵−邪悪生命体・ゴーデスを、スパイラル熱戦で葬るゴジラ!更に、体中に巻き付いてきたキングギドラ・ヤマタノオロチ・宇宙竜ナースを、体内エネルギー放射で一瞬の内に吹っ飛ばす!ギャンゴが変身したウルトラマンには、究極の赤色破壊光線で立ち向かい、知能に優れたガッツ星人には、突然の『シェー攻撃』で唖然となったところを張り倒す!
 一方、巨大な結晶柱を、何十本も形成して、究極の防衛体制を築いたスペース・ゴジラに、ゴジラが向かい合い、睨み合う両者の間で、激しく火花が飛び散る!……と、ゴジラの目が妖しく輝くや、突如スペース・ゴジラが苦しみ始めた!両肩の巨大な結晶体が抜け落ち、体形が急激に変化して行く!そして、その体から分離するようにして現れたのは、……ビオランテ!スペース・ゴジラの体の一部と化していたビオランテ細胞が、今反旗を翻したのだ!結晶生命体だけとなったスペース・ゴジラは、苦しそうに一声上げるや、そのまま宇宙へと逃げ出して行った!

◎ A.T.8:30/聖プライオリ女学園
 ゴッサムシティー。未だ、奇跡的に何の被害も受けていない《A−3地区》。折しも、聖プライオリ女学園の女子寮では、男性教師殺害事件の捜査に訪れていた古畑任三郎警部補が、女生徒に質問していた。
「それで、君……草薙浅黄さんだったね?ちょっと君に聞きたい事があるんだけど……」
 そこまで古畑が言った時、浅黄の横に突如「戦闘服姿の美女」が出現した!「どうしたの、お姉さま?」と驚く浅黄。
「浅黄……お父様に、あなたを何としてでも救い出すようにって言い付かったのよ。すぐにも、ここから退避するから。勾玉は持ってるわね?」
「はい、肌身離さず持ってます」
「いいわ。じゃあ、行きましょう。捜査の途中で誠に申し訳ありませんが、非常事態ですので、私たちはこれで失礼させて頂きます……」
 そう言って、あっと言う間に姿を消す、草薙浅黄&素子の姉妹。あっけに取られていた古畑任三郎が、黒バックのピン・スポットに照らし出されるや、画面に向かって激しく罵り始めた!
「どうして、私が出演している時に、話がこんなになってしまうんですか?新聞の番組欄で『古畑任三郎最後の事件』なんて、知らない間に書かれていたので、どうもおかしいと思っていたんですが……こう言う訳だったんですね。ん〜〜ふふふ、謎が解けました。……古畑任三郎でした!(……ジャジャジャ、ジャ〜ン!)」

◎ A.T.8:42/精神科学センター研究所
『いいわ、その調子よ!……皆、頑張ってね!』
 アルデラーン各地の宇宙怪獣大軍団を、片っ端から倒して行くゴジラたちに、励ましのテレパシーを送る三枝未希。……と、彼女の背後に迫る怪しの影があった。
「ほほう……こんなところで、ゴジラどもを操っていたとはな?」
「……誰っ!?」
 突然の声に、はっと振り向く未希!彼女の目に映ったのは、帝国の破壊工作員−指をパッチン!パッチン!と鳴らしている素晴らしきヒィッツカラルドと、中東のアラブ風衣装に身を包んだ幻惑のセルバンテス。二人共、最強の破壊工作員−BF団の十傑集だ!
「可哀想だが、我々の邪魔をする奴は、あの世へと旅立って貰おうか?」
 ゴジラにテレパシーで呼びかけるのに精一杯で、十傑集に立ち向かう余裕もない未希が窮地に立たされた……その時!
「……そうはさせねえ!」
「そうだぜ、兄貴……!か弱い女の子がピンチに立たされてる時に助けなくっちゃ、男がすたるってモンだ!」
 そう言って、十傑集の前に立ち塞がったのは、中条長官の指令を受けて、ひそかに未希を護衛していた「国際刑事警察機構」のメンバー、噴射拳の戴宗と黒旋風の鉄牛だ!
「ジャイアント・ロボ本編じゃ、不本意にも途中で退場しちまった俺たちだが、ここじゃ、そう言う訳には行かねえぜ!覚悟するんだな!」
「お前たちこそ、我が『ポール牧攻撃』の恐ろしさを、身を以って知るがいい!」
 瞬時にして、戦闘体制に入る4人の男たち!戴宗の噴射拳が唸りを上げ、ヒィッツカラルドの指パッチン攻撃が、全ての物体を切り裂く!
 ♪ポール〜牧、牧。ポール〜牧、牧。指を鳴らして、チョンチョンチョン!
 鉄牛の巨大な鉄球が轟音と共に旋回し、セルバンテスの幻覚が、意識を変容させる……そして。
『ママをいぢめる奴は、僕が許さないぞ〜〜!』
 研究室の壁を破って出現したゴジラJr.が、未希を守ろうと雄叫びを上げる!……一方、その頃。聖プライオリ女学園を後にした草薙姉妹は……。

◎ A.T.8:50/ゴッサムシティー郊外
「……危ない、浅黄!」
 いきなり素子が浅黄を突き飛ばした!その瞬間、唸りを上げて飛来した七節棍が、地面にブスリと突き刺さった!
「ほう……?我ら血風連の手練の技を察知するとは大した奴だ。……だが、それも無駄な抵抗だ!」
 いつの間に近付いていたのか、深編笠の忍者集団・血風連が、二人を取り囲んでいたのだ。
「浅黄。ここは私に任せて、早く逃げるのよ!」
 瞬時にして、光学迷彩で姿を消した草薙素子が、血風連に襲い掛かる!近未来の高性能サイボーグ対中世の忍者集団の血闘!そして、必死で、戦いの場から逃げようとしていた浅黄だったが……。
「忍法……影縫い!」
 その声と共に銀色の流線が飛来するや。一瞬にして浅黄の影を地面に縫い止めた!身動き一つ出来ない浅黄の背後に近付いて来る人影……直系の怒鬼だ!
「浅黄〜〜〜〜〜!!」
 草薙素子が叫ぶ!だが、手傷を負い、幾人もの忍者たちとの戦いで手一杯の彼女には、妹を救う事は不可能だった……。すらりと太刀を引き抜いて、大きく振りかざす怒鬼!素子が唇を噛み締め、浅黄が絶望に目を閉ざす……。
「さあ、観念して……うおっ!」
 怒鬼が苦痛に顔を歪めた!何一つ抵抗出来ない筈だった浅黄の影が不意に変化すると、その中からペガッサ星人が姿を現わしたのだ!怒鬼に組み付くや、そのまま背骨折りに行くペガッサ星人!
「貴、貴様!その手を離せ!離せ……!」
 怒鬼の刀でズタズタに斬り裂かれながらも、絶対に腕を離そうとしないペガッサ星人!やがて、怒鬼の背骨がボキリ!…と音を立てて折れ、両者は絡み合ったまま地面に倒れた。尚も、魔の手を浅黄に伸ばそうとする怒鬼!そこへ、血だらけになりつつも、血風連の忍者集団を全て倒した草薙素子が駆け付け、怒鬼を背後から串刺しにした!影縫いから解放された浅黄が、命の恩人−ペガッサ星人を抱き起こす。
「どうして私を救ってくれたの?」
 瀕死のペガッサ星人が、途切れに途切れに呟く……。
『私は……ウルトラ警備隊の攻……撃で、故郷のペガッサ……シティーを失って…から……安住の地を求めて、影から……影へと放浪し続けて来た。そんな私が……一時の安らぎを…得られたのが……あなたの影だ。私は……常に…影の中から、あなたを……見…守り続けて……来た。既に……寿命が……残り少ない、私の……命など、如何程の事が……あろう?私は……あなたの…お役に立てて……満足だ……』
 そう言い残して、満足げに息絶えるペガッサ星人……。浅黄が立ち上がって叫ぶ!
「じゃあ……じゃあ、あなたは、いつも私の影の中から、私をず〜っと見ていたって訳ね!お風呂にいる私も、着替え中の私も!馬鹿〜〜っ!」
 ペガッサ星人の遺体を、ドン!と突き放す浅黄!命の恩人に対してするには、あんまりな行為だ。そして、彼女の元に駆け付けた素子も、既に虫の息だった……。彼女の体を抱いて、涙ぐむ浅黄!
「お姉さま……しっかりして!」
「心配……はいらない……わよ、浅…黄!電脳サイボー…グの私は、頭の中……のゴー……ストさえ残って……れば、体なん……て、何度でも……取り換えられる……のよ。私の事は……いいから……。大事なのは……あなた……なの」
 全ての人格を記憶させたマイクロ・チップを、浅黄に手渡す草薙素子。やがて、彼女の瞳から輝きが消える……。愛する姉の遺体を抱き締めたまま、草薙浅黄はいつまでも泣き続けていた……。

◎ A.T.9:00/首都メトロポリス
 グレート・アトラクターの宇宙怪獣軍団を撃破したゴジラたちは、最終決戦地である首都メトロポリスを目指す。そして、巨大レギオンを始めとする宇宙怪獣軍団も、ゴジラの後を追った!今や、巨大なるバトル・ゾーンと化したメトロポリスで対峙する二大怪獣軍団!そして、Gフォース&アルデラーンの地上軍も、僅かに残された火力を集結する!決断を下す坂東師団長!
「火力をレギオンの頭部に集中し、ゴジラを援護せよ!」
 ゴジラと共に、死力を振り絞って攻撃するアルデラーン地上軍!そしてゴジラ軍団は、巨大レギオン、デストロイア、ギャンゴ=ウルトラマンに向かって最後の戦いを挑む!

               ※
「……未希!未希ったら、どうしたのよ?」
 彼女を呼ぶ声に、はっと目を覚ます三枝未希。見回すと、そこは自分の部屋で、彼女を揺り動かしていたのは、同じ超能力少女の大沢芽留だ。
「……ゴジラ!ゴジラはどうなったの?」
「ゴジラですって?いいこと……未希!ゴジラはとっくの昔に死んじゃって、もういないのよ!寝呆けちゃダメ!」
「……そうだっけ!ゴジラは『VSデストロイア』で死んじゃったんだ……」
「そうよ!今はもう平和な時代なの!未希も、ゴジラの事なんか忘れちゃいなさい!」
 笑顔でそう言う芽留に、ほっと気を抜く未希。

               ※
『そうね……。もう、ゴジラの心配なんかしなくていいんだわ……』
 アルデラーン精神科学センターの床に寝転んで、ムニャムニャと寝言を呟く未希!幻惑のセルバンテスによる心理攻撃を受けた彼女は、幻覚の世界の中に捕われてしまったのだ!
「未希!目を醒ますんだ〜〜!まだ、ミレニアム・シリーズもあるんだぞ〜〜!!」
 戴宗の必死の呼び掛けも、未希には届かない!

               ※
 教え導く存在である未希からのテレパシーが途絶えたゴジラたちは、自分以外の生物を全て「敵」と考え、仲間のゴジラをも攻撃し始めた!そして、巨大レギオンの群れが、ゴジラに対して一斉に電磁波を発射する!言わば、巨大な電子レンジに入れられた状態だ!ゴジラの体が、内側から赤熱化し、体表が見る見る内に、鈍いオレンジ色に輝き始める!限りなく上昇して行くゴジラの体内核反応!苦しそうに悶え、叫ぶゴジラ……ゴジラの断末魔だ!
『ゴジラ料理、いっちょう上がり〜〜!』
 勝ち誇るグレート・アトラクター!やがて、臨界を突破したゴジラは次々と核爆発、メルトダウンを起こして行った!

◎ A.T.9:15/『朝生』スタジオ
「……だめだ!もう終わりだ!」
 最後の秘策「101匹ゴジラ大行進!」が敗れ去った高島所長が叫ぶや、大田原官房長官が、遂にヤケクソで唄い始めた!
「♪あれをや〜っても、ホ〜ンダラッタ、ホ〜イホイ!これをや〜っても、ホ〜ンダラッタ、ホ〜イホイ!や〜っても、や〜っても、ホンダラホダララ、ホ〜イホイ!」
 大島紬監督も、ヤケクソで踊り出す!
「♪何をや〜っても、ホ〜ンダラッタ、ホ〜イホイ!だから、や〜らずに、ホ〜ンダラッタ、ホ〜イホイ!」
 スタジオ中の人間が、憑かれたように踊り出す!
「♪ホンダララ〜、ホンダララ〜、ホンダラホダララ、ホ〜イホイ!ホンダラホダララ、ホンダラホダララ、ホンダラホダララ、ホ〜イホイ!ホンダララッタ〜、ホンダララッタ〜、ホンダラホダララ、ホ〜イホイ!……」(BGM:ホンダラ行進曲)
「ハイッ……ご苦労〜〜さん!」と、オーガナ大統領が、見事に締める!ドーッとコケる番組出演者&スタジオ・スタッフ……。

               ※
『これで、朝まで生会議の番組放映を終了致します……』
 廃墟の中で、半分壊れたテレビに映る映像。血にまみれつつ、必死にガレキの中から這い出て来た瀕死のセガール大佐は、それを見ながら、このアルデラーンのどこかにいる筈の愛娘・草薙浅黄の姿を思い浮かべた……。
「頼むで。お前が最後の頼みの綱なんや……」
 ベタベタの関西弁で呟いて、セガール大佐はバタッと息絶える……。そして、姉・草薙素子の決死の活躍で助け出された浅黄は、廃墟の只中に一人たたずみ、曲玉を握り締めて祈った!
『お願い……XXX、私達を助けて!』
 浅黄の曲玉が赤く輝いた……その時!帝国軍の攻撃によって荒れ果てた大地に、幾条ものひびが走り、もうもうたる砂塵が舞い上がる!そして、核爆発で炭と化したゴジラの体を、内側から押し破るようにして、一つの巨大なる影が姿を現わした!それは……(BGM:「地球を飛び立つヤマト」)

               ※
「あれは……宇宙戦艦ヤマトよ!」と、叫ぶ沢口靖子技官!
「違う!あれこそ、我がアルデラーンの守護神!ガーディアン・オブ・ユニバース……ガメラだ!」
 大田原官房長官が叫ぶ!遂にお手上げとなって、番組が終了したスタジオの大スクリーンいっぱいに映る、大怪獣ガメラの雄姿!その途端、スタジオ全体から、一斉にどよめきと歓声が起こった!
「そうだ!我々はガメラがいるのを、すっかり忘れていた!」
「怪獣は、何も東宝の専売特許じゃないんだ!」
「ガメラー!帝国軍なんか、こてんぱんにやっつけちまえーー!」
 先程までのヤケクソ振りとは打って変わって、大いに意気上がる『朝生』のスタジオ!番組が再開し、1%以下に落ちていたTVの視聴率がぐんと跳ね上がった!ひばり児童合唱団の『強いぞ、ガメラ!』のコーラスも、どこからか聞こえて来るようだ!
「最後の希望−ガメラ……頼むぞ!」
 皆の一心の願いが聞こえたかの如く、真打ちとして最後の最後に勿体ぶって登場した、〈大地の守護神〉ガメラ!天にも届けとばかりに咆哮を上げたガメラが、きっとした表情でデス・スターを睨みつけた瞬間、天空に巨大な光の帯が出現した! 惑星アルデラーン全域から押し寄せた巨大なエネルギーの波が、ただ一点……ガメラに向かって集中する!

               ※
「いかん!あれは、ウルティメイト・プラズマの前兆だ!あれを真面に浴びては、デス・スターとて只ではすまん!……デストロイア、レギオン、ギャオス!ガメラの行動を阻止せよ!」
 慌てふためくグレート・アトラクターの指令で、ガメラに向かって殺到する宇宙怪獣大軍団!だが、既に時遅く、惑星アルデラーンの持つ"全てのエネルギー"を吸収したガメラの腹部が、目映いばかりに光輝く!自信満々の笑みを浮かべたガメラが、デス・スターに向かって腹部を向け、一歩踏み出した……瞬間!
『あっ、いけね!』

 足元の岩塊につまづいたガメラが、ポテッとうつ伏せにコケる!何とその弾みで、ガメラ最大最強の兵器ウルティメイト・プラズマが、ガメラの腹の下……つまり、惑星アルデラーンに向けて発射されてしまったのだ!
「オウ、ノウ!ガッデ〜〜ム!」
 下品に罵るオーガナ大統領!惑星アルデラーンのあらゆるエネルギーを収束した巨大なる光の奔流が、ガメラにすべてのエネルギーを与えてしまって、スッカラカンになった惑星の中心核をもろに直撃!その凄まじい威力に、惑星アルデラーンは一溜まりもなく、粉微塵になって吹っ飛んだ!

               ※
 =緊急事態発生!緊急事態発生!=
 ムーンベースαのコンピューター・ボイスがけたたましく告げる!母星の突然の消失によって、重力の支配を失った六つの月が、突如宇宙空間へと放り出されたのだ!
「全員、何かに捕まるんだーー!」
 司令席から弾き飛ばされたコーニッグ指揮官が叫ぶ!アルファのメンバーは、巨大なGに襲われて床に押し付けられ、身動き一つ出来なかった!そして、他の六つの月の要塞も、それぞれ僅かに残った部隊を乗せたまま、全く違った方向へと宇宙をさ迷い始めた!

               ※
 アルデラーン宇宙艦隊の中で、唯一兵力が残っていたムーンベースγでは、艦隊指揮官のアダマ長官が、月に残った全艦船に向かって無線通信で呼び掛けた。
『諸君。悲しむべき事だが……我々の故郷・惑星アルデラーンは消滅した!我々の家族に、友に哀悼の意を捧げよう……。だが、諸君!いつまでも悲しんでいるばかりではダメだ!故郷を失った我々は、今こそ我が民の生れし〈真なる故郷〉−惑星テラを目指そう!我ら生き残りしアルデラーンの民が、もう一度アルデラーンの文化を復興させるのだ!新・アルデラーン共和国の誕生を目指して……還ろう、テラへ!』
 アダマ長官の演説に、兵たちの間から一斉に声が上がる!
「そうだ!還るんだ!」「もう、戦いはご免だ!」「我らが故郷……テラを目指すんだ!!」
 ♪カミン・ホ〜ム、トゥ・テ〜ラ〜。カミン・ホ〜ム、トゥ・テ〜ラ〜……美しい、その名はテ〜ラ〜〜。テ〜ラ〜〜、テ〜ラ〜〜〜!(by ダ・カーポ)
 かくして、僅かに残るアダマ長官の残存艦隊も、寺……いや惑星〈テラ〉を目指し、惑星アルデラ ーンを無責任(?)に旅立って行った……。

               ※
 帝国地上軍のかなりの勢力を道連れにし、宇宙艦隊にも大いなる損害を与えて、巨大なる閃光と共に消滅した惑星アルデラーン……。その拡散しつつある凄まじい星屑の中から、突如巨大な影が現われた!惑星アルデラーンの厄病神……いやいや、守護神(?)ガメラだ!
『ガメラのバカ〜〜〜〜ッ!』
 何処からか聞こえて来る浅黄の非難の声……!ガメラは『いやー、すまん!すまん!』と言った殊勝(?)な態度を見せるや、後も見ずに宇宙の彼方へと飛び去って行った……。

               ※
「いや〜〜冷汗モノでしたな!」
 惑星アルデラーンの消滅をスクリーンで眺めていたダースベイダーが、モフ・ターキン総督の自室に赴いて言った。
「うむ……。ガメラがウルティメイト・プラズマの発射体勢に入った時は、さすがの私も一瞬ひやりとしたぞ。夜逃げしようかと思った程だ!それにしても……私は、出来れば無傷のままで、アルデラーンを占領したかったのだが……。あのような結果になるとはのう」
 宇宙の塵と化したアルデラーンを、感慨深げに見つめるターキン総督。今まで、オーガナ大統領の手練手管の外交戦略に、散々手を焼いてきた総督にとって、正に胸の支えが取れたようだった。
「地上軍が幾漠かは犠牲になったとはいえ……。惑星全域を占領する為の、手間も費用も省けたのですから、逆に良かったのでは?これで結局、デス・スター砲一発でけりが着いた〈映画〉と同じ結果になったのですから」
 ターキン総督がベイダーの顔を覗き込む。
「ベイダーよ!仮面の奥に隠れておるので、お前の真意ははっきりとは掴めんが……。それほどアルデラーンを吹っ飛ばしたかったのは……やはり、自分を裏切った女房を、奴らが匿まったせいか?」
「滅相もござりませぬ!帝国の大いなる軍事計画に、私の個人的な怨恨を持ち込むような事は、このダースベイダー、毛頭考えて居りませぬ。あれは、純粋に作戦計画の結果の上でございます。どうか、お信じあれ……総督閣下」
「果たして本当にそうかな?だが、まあいいじゃろう!越後屋、お主も相当悪よのう……」
「いえいえ、お代官様こそ……」
「わあっはっはっは……!」
 共に声を合わせて、高々と笑い合うモフ・ターキン総督と、ダースベイダー!お茶目な二人であった……。



《第16章:未知との遭遇?…へ続く》


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