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 再  会

〜「消えた古畑任三郎」の謎

【イメージ・ゲストキャラクター:中森明菜・津川雅彦】

 黒バックに黒服の古畑がピンスポットに照らし出され、画面に向かって振り向く。

「え〜〜、人には誰しも、触れられたくない過去と言うものが存在します……。ホームズのコカイン常習癖に、ポワロのチョコレートの箱。いつの間にか消えたクイーン夫人に、神津恭介のもう一つの顔。そして、私の場合には……」

♪パ〜パ〜ラ〜パ〜パ〜ラ〜、パパラパ〜……(「古畑任三郎」〜オープニング・テーマ)

 長野県はボウズヘッド荘。ニューヨークから日本へ戻って来た、小説家の安斎亨と最愛の妻・ちなみ(旧姓・小石川ちなみ)は、恩人である古畑たちと共にパーティーを行っていた。警察犬訓練所時代の経験を活かし、ちなみの愛犬・ゴールデンレトリバーの万五郎を巧みにあしらう古畑。

「古畑さん……。長い間、この別荘を預かって下さって、本当にありがとうございました」

 古畑と今泉・西園寺の前に、料理やワインを甲斐甲斐しく運んで来ながら、安斎ちなみが言う。

「いや〜〜、彼女が罪に問われる事なく釈放されて、私と結婚できたのも、古畑君……すべて君のお陰だよ!」

 古畑の小学校時代の同級生でもある安斎の絶賛に、照れ恥ずかしそうな表情を見せる古畑。

「そんな〜、私は何もしてませんよ〜〜。彼女が無罪になったのは、すべて担当弁護士の小清水さんの功績なんです……ん〜ふふふ!」
「あ、あんな奴!褒めてやる必要なんかないですよ、古畑さん!!」

 顔を真っ赤にしていきり立つ今泉を、何とかなだめようとする西園寺……。だが、謙遜する古畑に対し、安斎は声を潜めながら、尚も続ける。

「確かに……あなたは、公判では弁護士の小清水さんとは、一度も顔を合わせてられませんが……私は、ちなみから聞いて知ってるんです。鑑識係が到着するまでの僅かな間、あなたが現場検証と称して、地下室の扉をガタガタにしてしまった事を……。その結果、裁判では、犯行現場は完全な密閉状態ではなく、被害者の死因も、パニックによる呼吸障害で心臓麻痺を引き起こした…と結論付けられました。全て、あなたのお陰なんですよ!」
「古畑さん!あ、あの時……僕を地下室から追い出したのは、そんな訳があったんですか?それって、事後共犯か証拠隠蔽罪じゃないですかあ〜〜!」

 咎めるような視線を向けて来る今泉を、鋭く睨み返す古畑。

「……だけどね、今泉君。君が私をここの地下室に閉じこめた時も、扉の間から僅かに空気が流れ込んでたから、私は助かったんだ。もし完全に密閉されてたら、私は生きてなかっただろうし。君は今頃……」と、今泉を指差す古畑。
「……間違いなく刑務所に入ってる筈だ。その事を忘れるんじゃない!」
「どうやら、安斎さんが口にされた事は、この場にいる私たちだけの秘密にしておく方が良さそうですね……」
 西園寺の言葉に、黙って頷く古畑・安斎・ちなみたち。ただ一人、今泉だけが納得行かないと言った表情を浮かべるのだった……。



【終】


《解説》
 この創作は、総集編スペシャル「消えた古畑任三郎」放映当時、何故密室状態にあったボウズヘッド荘の地下室で古畑が助かったのか?……と言う疑問を持っていて、パート3でボウズヘッド荘が舞台になる事を知ってから作った、一種の「研究パロディー」です(初稿作成が放映の前だったので、本編自体の内容とは全く関わりが無く、小石川ちなみが安斎亨と結婚していたと言うのも、一つの「ギャグ」です!)。

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