「偽・必殺仕事人2016」



※ 画像は本編と関係ありません(笑)



「偽・必殺仕事人2016 〜真田丸編〜」


 ここは、大阪城の奥まった座敷。緊張の面持ちで座している真田信之(大泉洋)の前に、本多正信(近藤正臣)を引き連れた徳川家康(内野聖陽)が現れた。正信が横に控え、家康が上座に腰を下ろす。緊張の面持ちで、改めて平伏する信之。

「おお……待たせたな、伊豆守!」
「真田信之、お召しによりまかり越してございます」
「実はな、伊豆守。お主に頼みたい事があってな……(信之の近くまで歩み寄るや、そっと声を潜め)。実は、大坂方にちと厄介な事があってな」

 家康のその言葉に、淀殿や秀頼公がいる筈の本丸の方に、ちらと目をやる信之。

「(信之の心の中を見透かしたように)いや、厄介なのは豊臣ではない……朝日放送じゃ」



(挿入ショット)
 ♪パラパ〜〜と言うお馴染みのフレーズに乗って、悪党一味を始末する仕事人―渡辺小五郎、涼次、リュウ!


「あやつらが〈裏〉で動き回っておっては、騒がしゅうて叶わん!」

 裏とは……つまり、「裏番組」の事である。

「おまけに、我が方の情報を、あ奴らに洩らしておる裏切り者も何処ぞにおってな」

 ぎろりと睨む家康の鋭い視線にも、我関せずと言った風情で、そっぽを向いている正信。

「それで、家康様、私にどう言った事を……?」
「さあ、それじゃ!わしはな、お主を頼りにしておるのじゃ!わしも、豊臣方の件で手一杯でのう……それに、噂では、上杉もこの一件に噛んでいると聞く」



(挿入ショット)
 身支度を整えている上杉景勝(遠藤憲一)に頭を下げる、家老の直江兼続(村上新悟)。

「無事のお帰り、お待ちしておりまする」
「うむ……関が原の合戦で不本意に終わった分、思いっきり憂さを晴らしてくる。留守を頼むぞ!」


「どうじゃ、伊豆守。この一件を片付けるのに、お主に良い知恵はないか?(大げさにしかめっ面を浮かべる)」

 勿論、家康が信之を頼りにしている筈がない!只の方便であり、信之の家康への忠誠心を試すのと同時に、煩わしい厄介事を押し付けただけである。だが、それが分かっていても、信之に拒否する術はない。一旦徳川に従うと決めた以上、その命に逆らう事は出来ない。後は従うのみである。暫く頭を捻っていた信之が、不意に顔を上げて、ポンと手を打った!

「そう言えば、徳川様。私の旧友でうってつけの男がおります。たまたま我が元を訪ねて、こちらに参っておったところですので……入ってくれ!」

 信之の声に、一人の酷薄そうな笑みを浮かべた男(安田顕)が入って来るや、家康の前で平伏した。

「朝比奈藤十郎。通称、怨…と申します。宜しくお見知りおきの程を……」
「……怨ちゃん、頼んだぞ!」


 一方、こちらは紀州・九度山。蟄居謹慎中の真田昌幸(草刈正雄)の前に、出浦昌相(寺島進)が進み出る。

「おお、出浦。体の具合はどうだ?……もう良いのか?」
「その事だが、『真田丸』での俺の出番は、今週で全て終わった。従って、これから大坂に乗り込み。朝日放送で大暴れしてくるつもりだ。では、ごめん!」
「相分かった……って、ちょっと待て、出浦!来週は、わしの最後の見せ場じゃぞ!?その〈裏〉で暴れるつもりか?おい、待てと言うに!」



 2016年9月25日。「真田丸」と「必殺仕事人2016」の血で血を洗う、熾烈な視聴率決戦……その勝敗や如何に!?



「偽・必殺仕事人2016 〜シン・ゴジラ編〜」


 ……クライマックス。朝比奈藤十郎を追い詰めた渡辺小五郎が静かに言う。

「朝比奈……超人気のアイドル集団を使って、江戸の庶民を洗脳せんとする貴様の野望、もはやこれまでだ!」
「おい、ちょっと待て!今日の『必殺仕事人2016』……そんな内容だったか!?」

 懐から台本を取り出し、慌ててページをめくる涼次!リュウも花御殿のお菊に「どうなってるの?」と問い質す。小声で以て、涼次たちに目配せする小五郎。

「いいんだよ……。これは、作者の《都の商売人》が前々から考えていた、二次創作のネタなんだから」
「元ネタは、『スケバン刑事・風間三姉妹の逆襲』と『女王陛下の007』だな?……って、ええい!そんな事はどうでもいい!」

 追いつめられた筈の朝比奈が、開き直って逆ギレし、手にした眼鏡の如きものを、パチンパチンと折り畳みながら、不敵に笑った。

「小五郎……。貴様は俺が『安田顕』だと言う事を忘れているようだな?」
「何だと……?」
「つまり、俺は『アンノ監督』でもあると言う事だ!」

 次の瞬間、朝比奈は全身から"アオイホノオ"を発した!胸元には、いつしか「カラー・タイマー」が輝いている!

「出でよ……シン・ゴジラ!」

 本町奉行所をぶち破って出現した巨大怪獣―シン・ゴジラが咆哮を上げる!焦りまくる渡辺小五郎!シン・ゴジラの猛威の前に、仕事人たちは為す術もない!「ハハハハッ……!」と、高笑いを上げて勝ち誇るアンノ監督!(……をい?)

「な、中村さん……何とかして下さい!」
「久し振りに私の出番かと思ったら、何ですか、これは!?」

いきなり引っ張り出された中村主水が唖然となる。

「だって、あなたは『シン・シゴトニン』でしょ?」
「そりゃまあ、そうですけど……」
「婿殿、何を言っとるか……!?ゴジラの一匹や二匹倒せなくてどうするか!?」

 更に、某婦人国会議員(?)の如く、主水を叱咤する中村せん!

「義母上、そんな事を言われてもねえ……。秀、勇次、何かいい手立てはねえか?」
「お、俺に振るのかよ!?」
「待ってたぜ、八丁堀。俺に任せろ!」

 突然引っ張り出されて、迷惑千万と言った感の勇次!そして、自信満々の表情で、薬の入った小瓶を取り出す秀!

「こいつぁ、俺が『ゴジラVSビオランテ』の時に作った抗核バクテリアだ!」
「『こうかく』?……どう言う字を書くんだ?」
「か〜〜っ!何だ、八丁堀。そんな事も知らねえのかよ?『こうかく』ってのはな……こう、かく(書く)んだよ!」

 ヒョオオオオオ〜〜〜〜〜〜〜!

 秀(=三田村氏)お得意の、余りにも"寒い"ギャグに、その場が凍り付く!「寒い、寒すぎる」と一斉に呟く、渡辺小五郎・涼次・リュウ・お菊・中村主水・中村せん……そして、朝比奈藤十郎!だが……。

 ピシピシピシピシ……!

「し、しまったあ〜〜〜!!!」

 その「音」に頭を抱える朝比奈!そう……絶対零度にも達するような、秀の「寒い」ダジャレは、一瞬にしてシン・ゴジラを凍結させてしまったのだ!「ゴジラの逆襲」然り、「ゴジラの息子」然り……南海生まれのゴジラは、その出自故、寒さに弱かった。シン・ゴジラも、また然り!原典の映画同様、絶対零度にまで急速冷凍させられたシン・ゴジラは、次の瞬間粉々に爆散した!

「く、くそ!こうなったら……!」

 慌てて、手にした眼鏡(=ウルトラアイ)を装着しようとする朝比奈!だが、次の瞬間、小五郎の剣が、手にした眼鏡ごと朝比奈を叩っ斬った!

「ギャア〜〜〜〜ッ!」

 断末魔の悲鳴を上げて吹っ飛ぶ朝比奈!

「危ねえところだった……。あの眼鏡を装着されたら、俺でも勝てるかどうか分からねえ!……って言うか、ゴジラに頼らず、最初から『自分の力』でやりゃあ良かったんだ!」
「お、おのれ……!この恨みは、次回作『シン・ゴジラの逆襲』で、朝日放送の社屋をぶっ壊す事で晴らしてやる。円谷先生……ごめんなさい!」

 胸のカラータイマーが消え、そう言い残してくたばるアンノ=朝比奈。いつしか陽が昇り、どこからか「♪らんらんら〜〜ん!」の能天気ED曲も聞こえてくる。「終わりだ、終わり!」「八丁堀、帰ろうぜ!」「お先に失礼しま〜す!」「上杉様、真田丸に帰るか?」等と言いながら、三々五々解散して行くレギュラー&ゲスト陣!そして、最後に一人残った渡辺小五郎が、厳しい顔で呟いた……。

「奴が最後のアンノだとは思ねねえ。必ずや、第二・第三のアンノが……」



 (ED曲)「ゴジラのテーマ」


 《翔べ!必殺うらばなし》
 この2編の「必殺仕事人2016」パロディーは、どちらも今回の悪役ゲスト―安田顕氏と「アオイホノオ」「真田丸」「水曜どうでしょう」「シン・ゴジラ」を組み合わせたもので、一番最初に書いたのが「シン・ゴジラ編」(の原型)。この時は、ツイッターに連続投稿したものの、オチのみ書き込めなかったので(笑)、字数&時間の関係でカットしたネタを復活させ、最後のオチも含めて全面改稿しました。「真田丸編」は、次週で真田昌幸が退場すると言う予告編を見てから思いつき、該当回の放映直前に、何とかツイッターにアップできたものを改稿しました。
 蛇足ですが、実際の「真田丸」と「必殺仕事人2016」の放映は上手くずれてましたので、両者が〈裏番組〉でぶつかると言う事態は回避できました!(笑)

 また、トップの画像は「必殺仕事人2016」が京都で撮影されていると言う情報のみ判明していた時点で、その頃NHKで放映されていた連続時代劇「鼠、江戸を疾る2」(主演:滝沢秀明)とコラボしたもので、実際の「必殺仕事人2016」(&今回のパロディー)とは、全く無関係です(笑)。このパロディーをHPに最初にアップした後、上記の「シン・ゴジラ編」のネタを元に作成した「シン・シゴトニン」をアップします。



シン・シゴトニン


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