必殺シリーズ・舞台公演&ステージ【詳細リスト】

舞台―タイトル


《はじめに》
 2002年8月27日。東京・明治座で8月5日より行なわれていた、藤田まことが八丁堀同心にして闇の仕事人・中村主水を演じる舞台―「必殺仕事人 中村主水、大奥に参上!」の最終日(夜の部)の幕が降りた……。
 各種資料によると、この明治座公演が、藤田氏演じる中村主水が登場する「最後の舞台」だそうで、TV(「必殺仕事人 激突!」)・映画(「必殺!主水死す」)に続き、三度目の主水退場の「場」となったようである。また、TVのワイドショーで、藤田氏は「もし二代目主水を(自分が)選ぶなら中井貴一君」「今後も、(私に)主水を演じてほしいと言う依頼があれば、考えない事もない」…と、ファンの為のリップサービスとも考えられる発言をされているが、とにもかくにも「藤田まこと演じる中村主水の舞台」が、一応の「幕」を閉じたと言うのも、一つの事実のようだ。

一.『仕事人 舞台に挑戦!』

 振り返ってみれば、必殺の舞台は、TVシリーズに負けない程の歴史があり、確認されている最も古い舞台は、「時代劇マガジン2006年/Vol.14号」等によると、1975年9月に明治座で上演された、緒形拳主演の「必殺仕掛人」……と思われていたが、東京・明治座での「助け人走る」公演が、TVシリーズが終了して半年後の「1974年12月」に行われていた事が、今回新たに判明した(メインキャストは、別掲のリストを参照の事)。京都の(今はなき)キャバレー・ベラミでも、仕業人の殺しレギュラー総出演による「必殺祭!(=必殺仕業人ショー)」が行なわれたらしい。

 だが、比較的頻繁に、必殺の舞台が上演され、ファンの目に触れる機会が増えて来たのは、「必殺仕事人」の大人気に乗じた、京都・南座の納涼必殺まつり……その第一弾となる「必殺・女ねずみ小僧」(1981年8月22〜27日)に端を発している。その後、「仕事人ブーム」の隆盛と競うかの如く、南座の納涼必殺まつりが、毎年8月に上演。更には地方公演も増えていった。
 やがてTVシリーズの終了と共に、南座の必殺まつりも終わりを告げたが、その代わりに藤田まこと特別公演の「主水、大奥に参上!」(&そのバリエーション)が登場!東京や大阪・京都・名古屋と言った大都市だけではなく、全国各地で公演が行なわれる事になり(スケジュール表を見るや、「新・からくり人」の泣き節お艶か「仕舞人」の坂東京山一座並のハードな巡業だ!)、現在では中条きよし主演の「必殺三味線屋勇次」の舞台が上演されるまでに至っている。その最中、冒頭の「藤田まことの舞台版主水の退場宣言」に出くわす事となり、些か残念な気分だ。

二.『資料大捜索』

 必殺シリーズの各メディアの中でも、TVシリーズや映画(最近は、ビデオオンリーの「始末人」やコミック媒体の「仕置長屋」もあるが)は、全話のストーリー&作品評はまだまだ未完成ではあるものの……とらの会や音羽屋の会誌・商業出版本・CDの解説書等により、放映(公開)年月日やサブタイトル・キャスト&スタッフと言った基本的なデータに関しては、ほぼ完全に揃っていると言える。
 だが、第三の必殺メディアである「舞台版必殺」に関しては、シリーズ40周年を間近に控えた現在でも、先に挙げた「仕掛人」や「助け人」「仕業人」のように、かなりデータが少ないのが現状だ。南座の納涼必殺まつりに関しては、とらの会の「必殺まつりグラフィティ号」やムック本「明星デラックス・必殺仕事人」、前述の「必殺シリーズ完全百科」で、あらすじ・スタッフ&キャスト(&チラシも)を始めとする基本的なデータや資料が記載されているが、それ以外の地方公演の様々なバリエーションに関しては、未だ不明な点が多い。

 私も、音羽屋の「殺・殺」に、1996年8月の南座・必殺公演(内容は、前述の「大奥に参上」のバリエーション)の感想評、1984年8月&1985年8月の二本の舞台−仕事人Vバージョンの「からくり猫屋敷」と「琉球・蛇皮線恨み節」のストーリーガイド、後期仕事人黄金メンバー(主水・秀・勇次・加代・順之助)による、1983年8月の「必殺・ぼたん燈籠」の誌上完全再録を書いている。また、「必殺シリーズ完全殺し屋名鑑」でのコラム「仕事人、舞台に参上!」も書いた。自作の必殺同人誌「必殺!花嫁慕情」では、(不完全ではあるものの)発行時の1999年夏時点に揃っていた資料を基に、「主水、大奥に参上!」の舞台(該当舞台五作品)のキャスティング・バリエーションとストーリーの変化についての研究文『「主水、大奥に参上!」キャスト&ストーリー研究』(別稿の研究の原型)を作っている。
 しかし……書けば書く程、資料を集めれば集める程、「舞台版必殺」研究の困難さとその全容の巨大さが、ひしひしと筆者にも感じられて来た。これは、地上波やCS、ビデオやLD・DVDで再見可能な「必殺シリーズ本編」と違って、舞台版必殺が、一度見逃せば二度と見られない「一期一会」的な状況にあり、全国各地で行なわれていた為、基本的に地元のファンしか見る事が出来なかった事。不特定多数のファンにも視聴を可能にする「TVでの録画中継」が不定期かつ単発的で、全ての舞台に対して行なわれているのではない事(1998年の中条主演の「三味線屋勇次」の舞台もビデオを発売したら、そこそこ売れたと思うのだが……)。役者のスケジュール等で、出演者が様々に変更されたバリエーション(それに伴ってストーリーも変更)が多数存在している事…等が原因として挙げられるだろう。

三.『仕事人が甦った!あんた信じるか!?』

 ……だが、2007年7月7日。奇しくも「七夕の日」に、必殺シリーズは「必殺仕事人2007」として甦り、その後「仕事人2009」も製作された!これからも藤田氏演じる「中村主水」の更なる活躍が見られる!……と喜んでいた矢先、2010年2月17日に、藤田まこと氏が死去!(残念無念。言葉もない……)。結果的に、2002年の明治座公演が、藤田氏の「最後の必殺の舞台」となってしまった。今後も、TVでは「新作の必殺」が続けて製作されるようだが、舞台の「必殺」の復活も、心より願うばかりである……。

 さて、全ての必殺の舞台のデータとストーリーガイド・資料等を集めると言う作業は、相当な困難さが感じられ、あるいは不可能かも知れない。だが、近年では、インターネットによる全国の必殺ファンとの交流から、貴重な資料(各地の舞台版必殺の新聞記事やチラシ・パンフレット、TVで録画中継された時のビデオ映像、等)を頂いたり、京都古書まつり・ヤフーオークション等で、公演当時の各種出版物を得られるようになってきた。
 では、ここからは、2016年4月の時点において、今までに筆者が集めた各種資料&映像データを基にした、「必殺シリーズ・舞台公演&ステージ」の詳細リスト(年月日&会場・主な出演者、等)、及び別項での「舞台・観劇感想」「ストーリーガイド&作品評」「主水、大奥に参上!/ストーリー&キャスト・全バリエーション研究」(前述の個人同人誌に載せたものの改訂版)「闇の仕事師全名鑑・ 舞台編」をお届けする。(その中には、ヤフオクで僅かな情報を得られた「必殺仕置人」の舞台と言う、前代未聞の《ビッグ・サプライズ》も!)。尚、現時点においては、いずれも「不完全版」である点をご了解頂きたい。



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