あなた、「山崎格之進」を知ってますか?
……「大村兵庫」を知ってますか?
  ……「千坂京之助」を知ってますか?
……「的場弥平次」を知ってますか?
  ……「服部左内」を知ってますか?
……「島 忠助」を知ってますか?


  ……あなた、「中村主水」を知ってますか?


♪ チャンチャンチャンチャン
チャカチャカチャン、チャンチャンチャンチャン……。
パンパンパンパン、パンパンパンパン
チャカチャカチャン、チャンチャンチャンチャン……(手拍子付き)。

西暦千八百三十七年。当時の江戸の人口は、百二十八万四千八百十五人。
ロンドンを凌ぐ世界一の過密都市であった。
この大都市の治安維持に当たる町奉行所の陣容は
南北両町奉行…与力・同心合わせて、わずか二百九十六名。
現在の警察機構とは比較にならぬ、お粗末な治安体制であった。
……にもかかわらず、その僅かな陣容で
世界最大の都市−江戸八百八町の平和と安全が保たれていたのは
町奉行支配の裏に、闇の仕置人が存在していたからである……。
( by TV時代劇「江戸の牙」オープニング……?(笑))


 同心部屋探索帳 
〜必殺の旋風〜



《はじめに》 三つの顔を持つ男―中村主水

 中村主水と言う「一人の男」には〈三つの顔〉がある。一つ目は、ある意味で「真の顔」(だが、決して表には出せない)とも言える〈仕事人〉……裏稼業の世界。二つ目は、仕事人としての自分の正体を隠す「仮面」であるのと同時に、日常における生活手段である「表の顔」……いわゆる、昼行灯としての北町&南町奉行所における〈昼行灯の八丁堀同心〉。そして三つめが、自分の正体を隠す為の「仮面」と「素の顔」が渾然一体となって分かちがたい「中村家」……俗に言う〈種無しカボチャの婿殿〉だ。

 その中でも、日々の糧を稼ぎ(ただ、副収入の仕事料がないと、かなり苦しいらしいですが)、仕事人としての顔を隠蔽し、表裏両面の情報を集め、依頼人となるべき人間との接触も計る事ができる〈八丁堀同心としての顔〉が、主水にとって、最も大きな「活躍のフィールド」だと言えるだろう。一日の内の大半の時間を、奉行所や江戸市中の見回りで費やしている主水は、必然的に数多くの上司・同僚・配下と顔を会わしている。
 そこには、裏の仕事の標的となる「悪党」もいれば、その悪党の犠牲となる「被害者」、単に奉行所の同僚として役務をこなすだけの「脇役的人物」も存在する。また、物語に関わる設定や個性・役名すらなく、EDクレジットで「同心」としか表記のない人物や、役名も役者名もない同心たちも、数多く存在している。ある意味で、彼ら…名もなき同輩達こそが、主水が勤める奉行所の「日常」を支えているのだと言えるだろう。事実、非・主水シリーズに登場する「奉行所の同心」は〈日常の風景〉としての役回りよりも、物語に深く関わって、「レギュラーの仕事師と敵対する」や「被害者的立場の人物を痛め付ける」のどちらかの役回りでしかない場合がほとんどだ。また、南北どちらの奉行所に属しているかも分からない事も多い。
 こう言った点からすると、必殺シリーズに登場する〈奉行・与力・同心〉は、役割・表記別に次の様に分けられるだろう。

(1)各シリーズでのレギュラー&セミレギュラー
      (例/島忠助や与力・村野、筆頭同心・田中…等)
(2)最後に仕置きされる「悪役」
      (例/諸岡佐之助・的場弥平次、奥田右京亮…等)
(3)悪党の犠牲となる「被害者」
      (例/小堺兵馬・関根啓之進・安田弥一郎…等)
(4)2&3 までは至らないが、ストーリーにはある程度関わる「脇役的人物」
      (本編で名前を呼ばれ、EDテロップにも「役名」「役者名」の表記あり)
(5)ストーリーにほとんど関わらない「背景的人物」
      (本編では名前は呼ばれないが、EDテロップで「役名」「役者名」の表記あり)
(6)本編で名前は呼ばれるが、EDテロップでは「役職」と「役者名」のみ表記あり
      (「役職」「役者名」は分かるが、「役名」は不明確)
(7)本編で名前がなく、EDテロップでも「役職」のみ表記あり
      (「役職」「役者名」は分かるが、「役名」は不明)
(8)画面には登場するものの、「役名」も「役者名」も不明の上司・同輩たち
(9)奉行所の成績表や役務一覧表等にのみ、名前が登場する上司・同輩たち
 EDテロップで、キチンと〈役名〉&〈役者名〉が表記されているのは(1)〜(5)まで。(6)は(4)の範疇で一応〈呼び名〉の存在しているグループである。このグループは〈役名〉の漢字が不明な為、この名鑑でも「当て字」を使っている(役者の本名の「姓」が、そのまま本編での〈呼び名〉に使われている場合が、時折見受けられる)。また、本編で名前が呼ばれても、本当に〈その人物〉が登場しているかどうか分からない場合もある。
 逆に(5)は、EDテロップで表示されているのが、画面上の〈どの人物〉なのか見極めるのが難しい場合がある(目立つ特徴があったり、お馴染みの役者さんなら楽なのだが……)。その場合、物語に関わる割合の大小やEDテロップからの消去法に頼らざるを得ない。
 (7)に至っては、名鑑での項目立ても出来ない為、可能な限り関連する人物の項目に加えている。
 (9)は、完全に物語&設定上でのみ存在している人物で、〈役柄名〉はあっても〈役者〉がいない(画面上の文字が判読しにくい為、推定した「名前」がある事をご了承下さい)。そして「必殺シリーズ」で最も多い〈主水の同輩たち〉が……(8)なのである。

 奉行所の同心部屋で、主水と馬鹿話に興じ、鬼塚様に睨まれ、村野様の指図で飛び出し、田中様と共に現場検証に当たる、〈役名〉も〈役者名〉もなき人々。ストーリーに深く関わる事はなく、その「死」が描かれる事もない。だが、主水が活動する〈フィールド〉には、必ず「背景」として存在している……。物語において活躍し、この名鑑に登場する「奉行・与力・同心」たちも、縁の下の存在と言える「無名の同心たち」がなくては成り立たない。そんな〈彼ら〉に敬意を払いつつ……そろそろ主題に移ろう。



◆ 八丁堀組屋敷&南北両町奉行所・同心役職


◆ 必殺シリーズ/奉行・与力・同心名鑑

◎ 非主水シリーズ    ◎ 前期・主水シリーズ    ◎ 後期・主水シリーズ


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