「必殺仕事人 VS 必殺倍返し人」


必殺倍返し人


《パロディー編》
 ……夜。阿波人形浄瑠璃の部屋に集まる仕事人たち−渡辺小五郎(東山紀之)、経師屋の涼次(松岡昌宏)、花御殿のお菊(和久井映見)……だが、匳(田中聖)がいない!実は、匳は「裏稼業の掟」を破って、勝手に他の元締の元で「裏の仕事」をした為、渡辺小五郎に引導を渡されたのだ。

涼次「……つまり『首切り』って訳か?」
渡辺小五郎「そこまで、俺は冷酷じゃねえよ。とりあえず、江戸の裏稼業からは出て行って貰った」
お菊「でも、それじゃあ、裏の仕事の手駒が足りないじゃない?」
渡辺小五郎「手駒なら、ほら……そこに、助っ人志望の奴が二人、揉み手しながら待ってるぜ!」

 そう……次期レギュラーを目論む、カルタの力(内藤剛士)と胡桃割りの坐坊(中村獅童)が、満面に笑みを浮かべて、今か今かと待っているのだ!更に、お堂の外には、匳の後釜を狙う若手連中が、ゾロゾロと列を成していた。そして……。


声『おい……俺たちの親子共演って話は、どうなったんだ?』

 何処からか聞こえて来た「声」(by 京本政樹)に、お菊が眉をひそめる。

お菊「……聞いてないよ、そんな事!そんなの、滝沢演舞城でやっておくれ」
涼次「(ため息を付く)はあ〜〜全く……どいつもこいつも、好き放題言いやがって!」


別の声『内輪もめとは、仕事人も、もうお仕舞いですね』

渡辺小五郎「……誰だっ!?」

 更に聞こえて来た「別の声」に、小五郎が周囲にさっと目をやった!やがて、暗闇の中から姿を現わしたのは……。

渡辺小五郎「本町奉行所・会計係の半沢さんじゃないですか?そうか、あんたが……」

 小五郎の問い掛けに静かに頷いたのは、本町奉行所の勘定方同心・半沢直弥(堺雅人)だった!

涼次「(小五郎と顔を見合わせて)今、巷で噂の『倍返し人』ってやつかい?」
お菊「あの……やられたらやり返すって、言ってる……?」
半沢直弥「やられたらやり返す。やられてなくてもやり返す……相手構わず八つ当たりだ!」
涼次「おい……?違うキャラクターが混じってんじゃねえか?」

半沢直弥「そんな事は、どうでも良いんです。大事なのは、あなたたち『仕事人』の時代が、もう終わったって事ですよ……。今年のトレンドは『倍返し』。流行語大賞も、見事に獲得したんですから!」
渡辺小五郎「一過性のブームなんざ、所詮徒花よ。年が変わりゃあ、無惨なモンだぜ!あれだけ持て囃された『必殺仕分け人』だって、今はもうどこへやら?…だからなあ」
半沢直弥「では、逆にお聞きしましょう……。あなたたちは、本気で『裏稼業』を再開する気があるんですか?あれだけ、必殺ファンが『新作』を期待してるのに、その気配さえ窺えないじゃないですか?中村主水がいなくなった『仕事人』は、ワサビ抜きの寿司みたいなもの……ピリッとさえ効いてこない。必殺シリーズは、『仕事人』だけじゃないんですから」

 言いたい放題の倍返し人に、歯噛みする仕事人!何処かで頷いている「非・主水シリーズ」の面々!更に、闇の中から「もう一人の人物」が現われた……。

半沢直弥「先生、遅かったじゃないですか?(半沢の言葉に、初老の男が頭を下げる)……渡辺さん、紹介しましょう。私の『裏稼業の仲間』で、剣術道場の師範−服部泰山先生です」

 渡辺小五郎に向かって、低く頭を垂れる服部泰山(里見浩太朗)!

服部泰山「渡辺さん……過日は、何かとお世話になりました。これからは、半沢さんの元で『裏の稼業』を営んで行く事となりましたので、どうか宜しくお願いいたします」
渡辺小五郎「え〜〜っと、その〜〜まあ〜〜頑張って下さい」

 しかめっ面の渡辺小五郎が、意味もない励ましの言葉をかける。いつの間にか、半沢の周囲には、裏の仲間の「倍返し人」が姿を現わしていた。剣術師範の服部泰山、狂歌師・太田蜀山人(及川光博)、噂の買取屋・直弼(滝藤賢一)、元忍びの情報屋・蘭丸(田口淳之助)……そして、倍返し人の大元締・野中佐渡守謙信(北大路欣也)!ちなみに、謙信は、いつも「白い北海道犬」を連れている。



必殺倍返し人「(全員で)『金』が浮き世の定めなら、『闇の裁き』は倍返し!」

半沢直弥


(場面に無関係な挿入ショット)与力・増村三木之進(生瀬勝久)「渡辺小五郎も半沢直弥も、どっちもろくな同心じゃねえ!」

渡辺小五郎「(ちらと横目になり)……いいだろう。正月から来年の春まで三ヶ月間、おめえらに『裏の稼業』を任せてやろうじゃねえか。その間、倍返し人が『本物』かどうか、じっくり見定めさせて貰うぜ!」

 そう言って、すたすたとアジトから出て行こうとする小五郎に、お菊が慌てて声をかける。

お菊「ちょ、ちょっと、旦那あ……!そんな事、勝手に一人で決めちまって、一体どうするのさ?」
渡辺小五郎「(振り返って)すまねえが、お菊……。俺ぁ、これからNHKで『大岡越前』の続きを撮らなきゃならねえんだ。それが終わったら、今度は『TRICK劇場版 ラストステージ』の海外ロケだ。義母上(野際陽子)も、現地に先乗りしてるからなあ……じゃ、後は宜しく頼んだぜ!」

 お堂の扉がギィと開き、一人の老人が顔を出した。

大岡忠高(津川雅彦)「……忠相、何をぐずぐずしておるのじゃ!放映日は、来年の1月10日と決まっておるのじゃぞ?……早う来ぬか!」
渡辺小五郎(=大岡越前)「はっ、父上。すぐに参りますゆえ、暫くお待ち下さりませ」

 バタバタと駆け出して行く小五郎!後に残された涼次とお菊が、顔を見合わせる。

お菊「主役がいなくなっちまったら、あたいたち、どうすりゃいいんだい?」
涼次「こりゃ、『必殺仕事人2014』は、当分お預けだなあ!」

 ガックリ落ち込む仕事人たちを目にした、半沢の穏やかな笑みが、突如消えた!そして……。

半沢直弥「ざまあ見ろ〜〜!……ばあ〜〜か!!」

お菊「ああ〜〜ん、もう〜〜!馬鹿にしたあ〜〜〜!!(半泣き)」
涼次「……やっぱり、傲岸不遜の『六法全書野郎』が混じってやがった!」

 キャラが豹変した半沢直弥が、高々と馬鹿笑いする!かくして、「倍返し人」は「仕事人」を完膚なきまでに打ち負かした(?)のであった……。

【終?】


声『……畜生、今に見てろ!春の番組改変期にゃあ、てめえらを返り討ちにしてやるぜ!!』




《ドラマ編》 近日公開!



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