100 稚咲内(北海道豊富町)6月中旬

最後をどの作品で締め括ろうかと少し考えた末、この作品にしました。

「サロベツ原野を突き抜けた西の果ての鄙びた漁村。そこには古びた小屋と、数艘の漁船が砂浜に横たわっているだけで人影は全くなかった。潮風が強烈な日だった。沖に見える利尻島の西方には、今まさに夕日が沈もうとしていた」・・・二十八年前の記憶です。現在、その面影は微塵も残っていません。新設された漁港や海岸道路は本当に必要だったのでしょうか?今回の取材、前日は雨天、次の日の早朝も残念ながら利尻富士は見えませんでした。そして波打ち際だけが、あの頃の記憶を思い起こさせてくれました。

撮影アドバイス

古き良き時代の記憶を再現できたら・・・と思いつつ訪れた稚咲内。しかし時の流れは、懐かしい風景(殊に自然)を容赦なく破壊していきます。我々が考えを改めない限り、この流れは止められないでしょう。そう考えると、今ある姿を記録しておくことが大切なことに思えてきます。

                  20〜35mm・絞りF16・オート・RVP

ライブカメラ・・・稚内から利尻富士の映像を観ることができます。

 

 

 

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  終わり

 

最後に、本館をご覧いただいた皆様のために一言申し上げておきます。

風景写真は体力勝負的なところがあり、ある程度の努力は必要ですね。しかし、本館で紹介している作品は一部を除いて、その殆どが誰でも訪ねられる場所で撮影したものばかりです。私は風景写真を撮るために、一般の人が行けない秘境や、行くことが出来ても体力的に困難な登山や遡行を伴うハードな取材をする必要はないと思っています。誰も撮れない、あるいは誰も見たことがないという写真は貴重ですが、それを撮ること自体が目的になってしまうと写真の楽しさは半減しするし、危険も伴います。それよりも、身近な自然や旅の風景、誰もが被写体としている素材であっても、それを自分なりのセンスで受け止めて自己表現すればよいと思います。その方が写真は楽しいし、テーマ性を持って取り組んでいけば内容も充実していきます。だから写真を趣味として「普通に楽しみたい」方は、決して無理はしないで下さい。

 

御高覧ありがとうございました。