17.4.12 実体験から語る「うつ」

「ブラック企業物語2」15章で述べた話だが、
世間が新たな始まりを迎えるのとは逆に、
私は仕事を辞めて有給消化(という名の療養)に入った。
鬱病の療養については話が異なるので別記したいと思う。

目下の悩み事は、向かいの解体工事に伴う振動である(笑)。
日中、常時震度1の地震が起きているので、ちょっと気持ち悪くなる事もある。
テンポラルな物なのでコレばっかりは我慢するしかなかろう。

さて、私が鬱病と診断されてつくづく思った事は、
「鬱病に対して、世間は無知過ぎる」という事だ。
その無知や勘違いが、患者を更に追い込んでいる事すら気づかない事も多い。
という事で、私が経験してきた鬱症状を幾つか列挙してみる。
*私は医者ではないので、医学的には若干違う部分もあるかと存じますが御了承ください。
薄々「かもしんない」と思っている人の参考になれば幸いです。

1:「本人が言ってるうちは、鬱じゃねーから。」は真っ赤なウソ
言い訳になるかもしれないが、私の鬱発覚が2年近く遅れたのは、
辞めた会社の上司達からこの様に言われ、私も鵜呑みにしてしまった事が原因である。

鬱に客観・主観は関係ない。
自分は異常じゃないか?と自覚したら、即病院を受診したほうが良い

誰が見ても「アイツ、ヤバいぞ」という状態は、最早末期/重度の段階であり、
メンタルリセットには相当の時間を要する状態なのだ


2:普通に出来ている事が出来なくなる、万事面倒と思うようになる
1日3食摂る事や、家を掃除する事、宅急便に応対する事、買い物に行く事等、
普通の人が至極当たり前に出来ている事も「面倒・やりたくない」と思ってしまう。
詳細は控えるが、うちの愚息もスーパーキノコにならなかったものだ(爆)。

「腹は減っているが食事の用意が面倒だから食べない」なんて事もよくある。
酷い時は、1日麦茶だけでしのげた事もある。
後輩社員に栄養失調で倒れた奴が居たが、彼もその直前に「食事が面倒」と言っていた。
*逆に、服薬してないのに食欲が増える事もある。

家なんかもカビ・埃まみれで、テラフォーマーが連日出現するような事もあった。
荒川や隅田川の近くだから、元来、虫が多い地域ではあるんだけどね。

傍から見れば「お前のやる気がねーだけ、甘ったれんな」と思われるだろう。
患者本人は「やらなきゃと思うのに、できない・やりたくないという
気持ちが先行している事」を自覚できてしまう上、
理解者も居ないどころか、誤解者ばかりで偏見を持たれる事もあるので、
更に辛いのである。

日常生活も儘ならないような状態なら、精神的におかしいって思っていい
(元から「汚部屋」「ゴミ屋敷」癖のある人は分かんないけど)
周囲の人は、「甘えでも何でもなく、当たり前のことが
遂行できない状態、それが鬱なんだ」って認識して接して欲しい


3:特定条件で何かしら異常が出る
「ブラック企業物語2」の3章前後を読んでもらえれば分かるが、
3年前に私は杜撰な人事異動に2度巻き込まれ、
その度に親御さんから電話や面談で怒鳴られて、謝り続ける事が日常茶飯事だった。

それが原因なのか、子連れの親子を見ると、
鳥肌が立つor動悸がして冷汗が出るような状態になっているのが実情だ。

それ故、カレンダーの赤い日や、テーマパークなど親子連れの多い環境が苦手になった。
TDL/SやレゴランドやUSJなんかは自分から行く事は死ぬまでないだろう。

また、学生時代は「大きなお友達」として何ら抵抗なく出入りしていた、
「トミカ博」や「おもちゃショー」なんかも行けなくなってしまった。
(ぶっちゃけ、毎年同じ「森山コレクション」を見るだけだし、
会場限定商品は転売されるから、行く必要が無いのもあるが)
八重洲やスカイツリーの「トミカショップ」ですらも少し抵抗があって、
時間を調整するくらいだ。(今はアジア系外国人の方が多いんだけど)

4:趣味を止める
2013年までは、草加と越谷の境目付近の田舎に住んでおり、
トミカを安く買う為にわざわざ自転車で池袋や大宮や柏(つまりビックカメラ)まで行っていた。
ゲーセンも近くに無かったので、
(駅前に個人経営のゲーセンはあったんだけど、2013年の春に潰れた)
国道4号をぶっ飛ばして谷塚ラウンコや草加駅前のマグマなんかに出入りしていた。
その位アクティブに動いていた人間である。

そして、14年GWに千葉に近い東京の地元に戻ってきた。
ゲーセンもトミカもチャリ3分or徒歩10分で事足りる。

しかし、トミカを集める事や、買いに行く事自体が面倒に感じるようになり、
見て愛でていたのも何とも思わなくなってしまった。
「金と時間の無駄遣い」とすら思ってしまった。
幼少期は120台ラインナップや世代番号を全て暗記していたのだが、
最早三十路間近のコヤジには着いて行けない状態である。

ゲームも同じで、新作の任天堂ゲーを発売日に買っても、(信者って言わんといて)
カービィやスマブラ以外は殆どプレーせず、ていうか開封すらせずに放置している。
プレーしてもクリアしか眼中に無く、ただの「作業」としか思えないのである。

BEMANIも同じで、ただ眼中に降って来る、
1000を越えるoggファイルをタイミング良く鳴らすだけという認識になってしまい、
どんなにヤバい音楽ドラッグでもテンションが全く上がらないのだ。
腕前はお蔭様で少しずつゴリラ化してきてはいるが、
昔の「リトミック」のような愉しさは介在しなくなった。

5:何をしてもアガらない
6:何をしても疲れが取れない
昔はレッドブルやモンエナを飲めば、記載通りの効果があったが、
(トイレも近くなったが)
鬱が悪化するにつれ、「全然効果ないよ〜」と
某栄養剤CMのダチョウ倶楽部のような状態になった。
(アレ、完全にエナドリをdisってるよな〜)

アルギニンか?カフェインか?亜鉛か?鉄分か?と、
何か特定の成分が体に欠乏しているのかと思って、
ダイソーやサントリーのサプリを飲んだり、苦手なコーヒーをガブ飲みしたり、
密林でエナドリを箱買いしたり、激強打破やアロパノールを連日一気飲みしたり、
キューピーコーワを3〜4錠ドカ食いしたり(*良い子は真似しない様に)したが、
この手のオーバードースも、これといった効果は見込めなかった。

ヤケ酒に走った事もあったが、所謂「〜ストロング」系を1缶空けるだけで、
両目共にカービィ3のラスボスみたくなるような体質なので長続きしなかった(笑)。
体は温まるので、寒い日は寝酒程度に
梅酒や養命酒をちびちび飲んでいたが、上気する事はなかった。
*後に知ったのだが、「寝つきが悪くなるので、鬱病患者にアルコールはダメ」だそうだ。

慢性的な疲れが必ずしも鬱に直結するわけでないが、
(寧ろ他の大病の可能性もある)
あらゆる手段を講じても「だるい・眠い」が続くなら、
体の病ではなく心の病を疑っても良いだろう

*鬱病関係の服薬治療中の場合は、副作用で眠くなるので例外だが。

ゼノブレイドXのリン・リー・クーが
「すみません、テンションがあがりません」とたまに言う様に、
(回復系アーツを即発動すれば「有難うございます」と言われるのだが)
テンションというのは、人間の活動力、
ビジネス用語に置き換えれば「生産性」の源でもある。
「時間を忘れる」位に何かに没入できなくなったり、
テンションが全然上がらなくなったりしたら、
「ちょっとおかしいな」と思って良いのではないか


6:何を言われても動じない
「ブラック企業物語2」の8章で述べたように、
どんなに恫喝されたり、嫌な事を言われたりしても
自分が恫喝・罵倒されている事自体に興味を持たないので、
全くもって耳に入ってこないのだ。

ある意味では鉄壁メンタルの頑固野郎とも言えるが、
メンタルが膠着・閉鎖状態にあると形容した方が妥当だろう。

7:物事をちゃんと考えられない・自信を持てなくて不安に感じる
「ブラック企業物語2」の7〜8章で述べた様に、
上司や部署との関係が悪化した、16年の夏以降、
意見を求められても、軽いパニックになって頭の中で考えがまとまらず、
苦肉の策で口を開いても、言っている事に纏まりがなかったり、
論点がずれたりしてしまうのだ。
それで更に上司に追い詰められて自信喪失に繋がり、
最終的に何も言えなくなってしまった。

物事以上に、言動の思考・決断力が無くなってしまったと思ったら、
心が弱っていると考えても良いかもしれない

放っておくと、「どうしてこんな状態になってしまったのだろう」と
自責の念に駆られる悪循環にも陥ってしまいかねない


8:ペシミスティックになる
鬱病で特に分かりやすい症状だが、
物事を悲観的に捉えて、悪い方向にばかり考えるようになってしまうのだ。

東芝やライザップではないが、前職も半ば営業だった以上、
「〜月は生徒を〜人入れること、営業利益は〜万円」という「コミット」を決めて、
その達成度合いで評価されていたわけだ。
罰則は無かったが、コミットを達成できなければ「ウンコ」呼ばわりである。
(「11月の1ヶ月で生徒7人入れろ!」と法外なコミットもあったがww)

そんな状態で「コミット」を見ても
「どうせ達成なんて無理…」「俺はクソでいいや…」と
悲観的・自責的に考えてしまうのだ。

意欲も失せている以上、達成しようなんて気も起きず、
営業としては機能不全に陥っていた。
うちは「やる気スイッチ」(スクールIE)系列ではなかったが、
人を奮い立たせるには、その人の心まで肉薄しないと、
空回りになってしまうのではないか
と、当時の同じ歳の上司に対し反感を覚えていた。

9:自殺願望を持つ
ここまで来ると末期症状なのだが、
生きている事自体が辛くなって死にたいとしか思えなくなるのだ。
簡単に言えば「自殺願望」だが、「希死念慮」とも言うらしい。

私の希死念慮については「ブラック企業物語2」の閲覧注意部分に記載した通りだが、
ナイフやフォークなどの鋭利な物を見るだけでも、自殺を想起するような状態だった。
私は何とか思い留まったというか臆病だったので、自殺行為に出る事は無かった。

だが、ホントにヤバい状態の人は、
Youtubeで公開されているGTA動画の如く、
抵抗無く高層ビルの屋上から飛び降りたり、乗り物に突っ込んだりしてしまうのだ。
(あのゲームもどうかとは思うけど…)
そこまで追い込まれた人のブログは、検索すればいくらでも出てくるが、
自殺しないように、病院の隔離病棟に入院させられる事が多いようだ。

SNSなどで「あー鬱だー」とか「死にたい」と書いている人が少なくないが、
本気で死にたいと思った経験も無しに易々と使うべきではない


10:ワケも無く痛い
所謂「神経性疼痛」って奴。
武田鉄也が出てる、人形の手足にまち針が刺さってるCMで有名でしょう。
ケガで痛めたわけでもないのに、手首や肩や膝に、
針で刺されるような軽い痛みを感じるのだ。
これは私には特に何とも思わない程度だったけど、「あ〜コレね〜」と自覚は出来た。

11:思考停止して過呼吸になる
一度だけだったが、所謂「パニック障害」を発症した事がある。
時系列で言えば「ブラック企業物語2」の2章あたりの話だが、
休日返上でも片付かないくらい、納期の迫った業務が押し寄せている中に、
社外研修の場で、更に短納期の重たい案件が積み重なった事で、
「あれもこれもやらなきゃ」と思っていた心理状態が決壊。

何も考える事が出来なくなり、頭(こうべ)を垂れて過呼吸に陥ってしまい、
(某ユナイテッド航空ではないが)私は2名がかりで研修会場から引き摺り出された事がある。

12:アイデアが浮かばない
私が長らく作曲や同人音楽界隈から離れているのは、
超多忙だったのもあるが、何も浮かばないからだった。

高校生だった頃は、下校の道中であれやこれやとアイデアが浮かんで、
宿題そっちのけで携帯電話に打ち込んでいた事が多かった。
(宿題は何とか片付けてたけど)

前職の場合、誰かにクレクレしない限り、
POPも自分でデザインしなければならなかったので、
自分で全部デザインしていたのだが、
鬱が悪化するにつれて、何も思い浮かばなくなってしまった。

一介のクリエイターとして、何も浮かばないってのは
本当に辛いし、今もまだ治っていない。
だからと言って、無理にひり出したアイデアを形にしても、
自分も世間も納得が行くモノは決して出来ない事は分かっているので
これまた辛いのである。

13:長文が頭に入らなくなる・本が読めなくなる
元塾業なのに!?と言われるかもしれないが、
私の場合、国語、英語の教科書は学生時代に内容を粗方暗記していたし、
目にするのは短い英文や数式、化学反応式くらいだったので、
大した負担ではなかったのだ。

しかし、仕事を辞めて療養に入り、
ちょっと本でも読むか〜と本を開いても、目で文字を追うだけに留まり、
内容が頭に入らないのだ。5頁読むのもやっとな状態。
この感覚は、鬱病になった人間じゃないと分からないと思う。


(参考文献)
http://utsu.omci-clinic.com/symptom/
http://www.cocoro-h.jp/untreated/overview/case.html
(いずれも17.4.12閲覧)

追記
ステマではないけど、田中圭一著 「うつヌケ」(株式会社KADOKAWA)が、
鬱の諸症状について分かりやすく解説している。
患者本人以上に、周囲にいる人間が読むべき書籍だと思う。