■ 防音対策を失敗しないためのノウハウ「分析情報」 ■
「マンションの天井・GL壁防音リフォーム」「防音材の留意点」「防音対策の失敗事例分析」



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■マンション天井防音対策の失敗例と分析
 天井下地の作り方、空間の取り方、防音材料の使い方などの問題に言及。今まで、非常に効果が高いと思われていた防音商品(鉛シートボード)の 欠陥・弱点を検証した重要な事例です。
 この事例の失敗内容は、改めて防音対策の留意点・落とし穴を再確認できる重要な見本です。



上記設計図は鉛防音ボード(ソフトカーム)を販売・開発している事業者が作成した失敗事例です。通常のマンションの天井に設計・施工 したものですが、まったく防音効果は体感できませんでした。
【主な失敗の要因と留意点】
*天井スラブから伝播する振動によって下地及びボードが共振すること。振動しやすい金物が使われているので防振ゴムは効果がない。
 →振れ止め効果の高い吊金具を使用して、下地を固定する箇所に防振パッキンを使用するべきだった。
*吸音材が24kg/m3という低い密度のグラスウール厚さ50ミリしか充填されておらず、吸音効果が低い。騒音反響・透過軽減を軽視している。
 →せめて48kg/m3程度のロックウール厚さ40〜50ミリ程度を2層にして使用するか、ポリエチレン繊維吸音マット厚さ40〜50ミリ程度を2層にして 使用するべきだった。
 ※天井防音の事例:マンション天井防音
*鉛のボードは振動音には殆ど効果がなく、騒音を反響させ、遮音しきれない空気伝播音すら透過してしまう。
 →防振性の高い、音を吸収しやすい素材が加工されている防音ボードを使用するべきだった。
*以上をまとめると、防音材料及び吊金具の選定ミス、空気層・吸音層の設計ミスが防音効果を体感できなかった主原因として考えられる。
 このような防音システム・基本を理解していないような専門業者は少なくなく、リフォーム依頼者は注意する必要があります。

■マンションGL壁防音対策の失敗例と分析
 この事例の失敗内容は、防音材料の使い方・選定を誤ると防音効果が出ないだけでなく、逆効果になることを示す重要な事例です。 どういう防音材料を使用すれば効果が出たのか、対策の留意点まで言及しています。



GL壁面からの騒音伝播を遮断するため、鉛シートが一体化された石膏ボードを既存ボードの上から重ね張りしたのですが、まったく効果がなく かえって、今まで目立たなかった音まで共振するようになり逆効果でした。
【主な失敗の要因と留意点】
*鉛ボード(ソフトカーム)のような騒音を反射する性質の防音材は振動音など固体伝播音には殆ど効果がない。
 →防振性の高い材料と遮音材を重ねて併用すべきだった。さらに共振しにくい吸音化粧板仕上げとすることで防音効果を高めることも考えられる。
*鉛ボードだけでなく、石膏の耐火ボードのような遮音材を重ねても同様に固体伝播音には殆ど効果がない。コンクリート自体が固体音を伝播 しやすい素材であることを忘れてはならない。
 このように固体伝播音や材料の性質を考慮しないで、高価な遮音材を使用しても全く意味がないのです。

■マンション天井簡易防音問題例
 写真のようにマンションの天井に簡易的に吸音マット(吸音素材をクロスで包んだマット)を取り付けて上階からの騒音を軽減しますと、 平気でPRしているリフォーム業者がいます。これは殆ど上階からの騒音軽減には役立ちません。もともと木造住宅よりも遮音性能が高い マンションでは天井に単独で吸音マットを取り付けても余り効果はありません。遮音・防振材と併用しないと効果がないのです。
 あくまでも居室(自室)から発する音を抑えるのが目的です。




■防音材料の豆知識
 防音材料を大別すると以下のようになります。材料の特性に応じた使い方が防音対策の基本となります。

遮音材
音を遮るもので、面密度(単位面積あたりの質量)が大きいほど遮音効果が高くなるので、通常は面密度の大きい材料を使用します。
 硫化ゴム系の素材に鉄・鉛を加えたものや、アスファルト基材などを加えたものに不織布加工した遮音シート・パネル化 したものが多いです。
*コンクリートパネル、石膏ボード、樹脂加工した石膏ボード、鉛シート・遮音シートなどの既製品があります。
*最近、メーカーによっては、鉛の入った素材が環境に与える影響を考慮して、鉛入りの遮音シート・パネルの販売や製造を 中止しているようです。
 
制振・防振材
振動を吸収・抑える素材を使用してあり、振動を瞬時に抑えたり、振動を吸収して振動音伝播を防ぐものです。
 通常は、遮音材の内側に敷いたり、挟み込んで取り付けますが、パッキンのように直接振動部にカバーするように取り付けるもの もあります。
*ゴム系・プラスチック系・アスファルト系の素材が主流です。
*高比重ゴム素材のように制振・防振・遮音を兼ね備えた優れた防音材料があり、低音域から高音域まで広範囲にわたる防音効果が期待できます。

吸音材
音の反響や空気の共振などを防ぎ、音を減衰させるもので、防音効果を高める場合は壁や天井ボードの内側に取り付けます。多孔質のウレタン系や グラスウール・ロックウール等が主流で、一般に周波数の中音域から高音域にわたる音の減衰に効果があります。
*最近は、化学物質の揮発を懸念して植物繊維やウールを素材としたライブウール、セルロース等の吸音材も使われています。
*吸音効果を高める方向性のない繊維で出来ている製品も開発されており、ペットボトルの再生材を加工して作られた吸音材もあります。
*特にペットボトル再生材のポリエチレン系素材は繊維が空気中に飛散することもなく、湿気にも強く、安定した吸音性能を発揮します。

防音材料の使い方留意点
 効果的な防音対策には、質量の大きい遮音材に、制振・防振材及び吸音材を組み合わせて使用するのが基本ですが、低音域用・中音域用・高音域用 の材料を組み合わせることによって、総合的な防音性能を高めることが可能です。

 質量則による遮音材(モルタル、鉛シート等)使用だけによる防音対策だけでは、壁厚や重量の限界があるだけでなく、振動音対策の不備や サウンドブリッジ(音漏れ、音の絶縁不良)の問題が生じるので注意しなければなりません。
*質量則:音響透過損失はコンクリート等遮音材の厚みを倍にすると理論上は5デシベル程度遮音性能が向上します。
*壁面の厚みを倍にすることは躯体の設計上、コスト上も現実的ではなく限界があります。
*既存のコンクリート躯体より面密度の低い遮音材を壁面に直に使用するとコインシデンス効果により遮音低下が起きることもあります。

当ページは、「防音の豆知識」も含めて、多くの建築・不動産業者などに無断流用されることが多く、ウェブマスターとしては許しがたい状況と考えています。 しかしながら、正式な謝罪を受けた件につきましては記事を削除することにしました。
また、これに代わり誠意のある協力をお受けする条件で、関連記事を一部削除することにした次第です。 提携先・支援者の皆様には、御了承いただきたいと思います。(更新:2015年5月11日)
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