ホ ー ム 設計コンセプト

建築計画案

建築作品 住宅コンペ案 素朴な疑問 設計ネタ帳
お知らせ 設計者紹介 写真日記 家 創 り 設計監理料 メ ー ル

生空間設計

 
  □石上純也
    講演会   

2012.10.15
 
 石上純也氏は去年豊田市美術館で展覧会を開かれ、私も
 見に行きました。その時に講演会も開かれていましたが、
 学生さんでいっぱいで、整理券がゲット出来ず、本人の話は
 聞くことが出来ませんでした。展覧作品だけではよく理解出来ず、
 モヤっとした状態で会場を後にした印象だけは残っています。

 なので、毎年行われる建築総合展の中の今が旬の著名建築家
 による記念講演会は、なぜか聴衆者が少ないので、話が聞ける
 のを楽しみにして行きました。

 テーマは設計する際、氏が考えた六つの概念について。
 氏が設計した建築や家具を通して話してくれました。

 1.スケールをつくるということ。
 2.風景をつくるということ。
 3.透明さをつくるということ。
 4.不透明さをつくるということ。
 5.自然さをつくるということ。
 6.抽象性をつくるということ。

 1.とても長いテーブルを薄い鉄板で創った作品。
  当然たわんでしまうので、あらかじめ逆のたわみ?(力)を
  加えたテーブルは真横からみると紙のように薄く、ちょっと
  触れると波打つという、部屋の中の、ある意味 柱のない
  メガストラクチャー(巨大建築物)という風景をつくり出したとのこと。

 2.大学の中のカフェテリアととても広いカフェテラス?(半屋外空間)。
  この建物も薄い鉄板で屋根をつくり、半屋外空間では大小
  様々な四角い孔が開けられています。その風景は天気に
  よって変化し、晴れた日には木漏れ日のような光が落ち、
  明暗によって空間があいまいに分けられ、雨の日にはその中
  の二つの孔に導かれた雨水が滝のように落ちてくる。
  気温によっても変化し、部分によって天井高さが変わるのだ
  そうです。氏はメガストラクチャーによる巨大美に可能性を感じ、
  人間の心地良さを求めていました。
  地球という球体を取り巻く大気圏は広く薄く広がった中に我々
  の生活を内包し、地平線を見せている。メガストラクチャーの中にも
  地平線を風景としてつくり出したとのこと。

 2.ニューヨークの2面道路に面する三角角地に建つ既設建物の改築。
  前面道路幅員と同巾の導線で建物を離隔して二つの道路を
  繋いだり、敷地角地部分のデザインを変化させて人の流れを操作    
  しています。外では見る方向によって異なる街の風景となり、
  中では、ただ見える外の風景が内装となっいます。

 3.細い列柱とそれを支える細いワイヤーで構成したインスタレーション。
  それらのスケール間を雨粒と水蒸気(だっけ?)という自然現象
  のスケール間に例えることによって、肉眼で認識し難い(見えない)。
  つまり、透明感を無ではなくスケール間によってつくり出して
  いました。

 4.乱立させた柱に薄い屋根がのっかる大学の工房。
  柱断面、柱配置を一見無秩序に思わせながら、機能を充足
  させるために極めて慎重な意図の基につくり出した半自由な
  空間がつくり出されていました。柱のまちまちな変形断面や
  柱の均一でない配置によって空間の密度を変化させ、異なる
  場所や緩やかな動線をつくり出していました。それにより、
  グリット柱の規則性や強い壁による強制力のない開放性をつくり
  出していました。

 5.取り壊し予定の木造民家をその架構と屋根瓦だけを移築し、
  集めて規則性を感じさせないように配置したグループホーム。
  アイディアはあからさまに操作を見せず、自然に見せるべきとの
  こと。
  
 6.中にガスを入れて浮遊させたアルミの四角い風船のインスタレーション。
  それは雲のように漂い、ゆっくりとその位置は変化し続け、同時
  に展示空間と風船の間の空間も変化し続けます。見る物を引き
  付け続け、雲という具象的なものではなくアルミの四角い風船と
  いう抽象的なものに置き換えることによって、より多様な想像力
  を触発し、よりパブリックになっていくとのこと。
 
 講演を聞いて初めて氏の意図することがわかりました。実際に
 身を置いてみた時にどう感じるか体験してみたくなりました。
 
 意図を理解できないままに感じていた氏の建築の魅力は
 視点を変える、広げる、俯瞰する、転換するといった思考方法、
 より近い周辺環境、自然から地球・宇宙空間といったスケール間、
 人間に対する観察力等によることがわかりました。