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メ ー ル

森園政之 生空間設計


 2階の南面には窓が3箇所開けられており、
 1階に比べて2階の床面積が小さいため、
 壁量がかなり足りておらず、東西方向の壁
 は、ほぼ耐震補強しました。既設の土壁内の
 筋交いと反対方向に新設筋交いを設置し、
 押入の中の3面全てを構造用合板補強し、
 採光をとりたいところはSUSブレースを選択して
 総合評価1.0を何とかクリア出来ました。
 途中、既設図と現場が相違したり、施工性を
 考慮して微調整しながらも、バランスよく
 耐震改修できたのではないかと思います。

     11.2階洋室、2階和室押入、
        2階階段ホール耐力壁補強工事
     左上 筋交い
     右上 構造用合板
     左下 SUSブレース

 既設筋交いで土壁に埋まっていないものは、
 金物を取り付け、新設筋交いと同等の耐力が
 出るように補強しました。
 2階外壁がセットバックして2階床の本来
 火打ち梁がほしい箇所にも1階の天井を
 一部取り外して火打ち金物を設置して
 おきました。





     10.西側和室筋交い、火打ち金物
        補強工事
     左上 既設筋交い金物、新設筋交い
     右上 既設筋交い金物、新設筋交い
     左下 2階床火打ち金物

 耐力壁を新設する場合、周辺仕上材を撤去
 補修しなければならず、既設との取り合いが
 予想外にコストがかかります。なので押入
 等の収納の壁を耐力壁にするのが、
 工事範囲の縁も切りやすく有効です。
 押入の両側面、その間の三面に筋交い、
 構造用合板補強して耐力壁化しました。
 上部に横架材がないところも発見し、横架材、
 火打ち金物も設置して2階からの力が1階に
 伝わるように補強しました。

     9.中央和室押入構造用合板補強工事
     左上 耐力壁上部横架材
     右上 耐力壁構造用合板
     左下 補強後押入

 通常耐力壁は主に、より効果的な外壁ライン
 に配置していくのですが、耐震補強では
 既設の接合部や劣化により低減係数が
 掛けられてしまうため、新築建物以上に
 耐力壁を配置しなければなりません。
 なので、建物中廊下の両側にも構造用合板
 による耐力壁を補強しました。
 当然柱脚への引抜力も大きく掛かるため、
 後施工用アンカーボルトで足元までしっかり
 固めました。
 
     8.廊下沿い壁構造用合板、
       柱脚補強工事
     左上 構造用合板
     右上 構造用合板
     左下 後施工用アンカーボルト

 既設下屋小屋裏は羽子板ボルトが設置
 されてはいるものの、釘2、3本の留め付けで
 錆付いているため、新たに羽子板ボルトを
 設置して引き抜き強度を高め、火打金物も
 設置して水平剛性も高めました。
 既設浴室CB腰壁は土台とRC基礎を特注
 金物を製作して固定し、引き抜き強度を
 高めました。この後、土台とCBの隙間に
 モルタル補修をして土台・CBの振れ止めとして
 斜め材と新設柱で両端固定しました。
 改修部分でやれる補強はやっていきます。
 
     7.下屋小屋裏、浴室CB補強工事
     左上 小屋裏火打金物、羽子板ボルト
     右上 浴室CB腰壁補強金物(土台部)
     左下 浴室CB腰壁補強金物(基礎部)

 耐力壁として頼りになるのが構造用合板。
 耐力に方向性が無く、既設部材に広く釘留め
 するので耐力伝達もスムーズに行なえ、座屈も
 防げ、コストも抑えられます。壁基準耐力は
 5.2kN/mもあり、両面貼れば、最大の
 10.0kN/mを確保できます。
 また、上部構造評点には影響しませんが、
 小屋裏の構造も大切です。既設は大きな
 丸太梁が十字に重ねて組まれていました。
 容易にズレないよう仕口を施されてはいる
 ものの、大地震の際にはずれそうな気が。
 工務店さんにお願いして予定してなかった、
 新たな雲筋交いや、短冊金物、羽子板ボルト
 で補強してもらいました。

     6.下屋一部(洋間+DK)
       構造用合板、小屋裏補強工事
     左上 構造用合板
     右上 小屋裏新設雲筋交い
     左下 小屋組補強金物

 接合金物が設置されていない古い建物の
 上部構造評点を1.0以上にするには、とにかく
 強い耐力壁をバランスよく配置しなければ
 いけません。しかし強い耐力壁ほど、
 阪神・淡路大震災で倒壊の原因となった
 引抜力も強くなりますが、その補強工事は
 必須ではありません。昭和56年以前の
 建物の基礎はRCでないものも多くあり、
 そこまで求めるのは現実的でないのかも。
 幸い、ここの基礎は状態のいいRC造で、
 補強可能。引抜力が大きな主要箇所に
 後施工用アンカーボルトで基礎と土台をしっかり
 緊結。その土台と柱を柱脚金物でしかっり
 緊結しました。小屋梁に火打ち金物を設置し
 妻梁の継手も短冊金物を設置して水平構面
 を補強しました。

     5.下屋一部(洋間+DK)
       筋交い、金物設置工事
     左上 後施工用アンカーボルト
     右上 新設筋交い、金物
     左下 火打ち金物、短冊金物

 洋間とDKは天井、壁(土壁を除く)、床を撤去。
 それにより、既設図面とは異なる筋交いの
 配置や不明だった向き、また既設筋交い上部
 で新設火打ち金物設置付近にある妻梁の
 継ぎ手の発見、2階と下屋が取り合う部分の
 補強を下階の天井を壊さず、天井裏へ直接
 アクセス可能なこと等が明らかになり補強計画を
 微調整しながら進めることになりました。



     4.下屋一部(洋間+DK)
       天井、床解体工事
     左上 2階建て方向を見る
     右上 下屋妻梁を見る
     左下 下屋小屋組を見る
 
 今回大きくする浴室は、基礎も一部新設。
 耐力壁を新設する下部にも、もちろん
 基礎を新設しました。
 既設基礎とは主筋をケミカルアンカーにて
 接合しました。







     3.新設基礎配筋工事
     左上 浴室下部基礎
     右上 洋間−DK間下部新設基礎
     左下 中央和室押入下部新設基礎

 これまで何度か受けた講習会で得た知識、
 参考資料や関係団体のHP等を基にして、
 お施主様や工務店さんと打ち合わせをして、
 今回改修する部分を中心に耐震計画する
 ことにしました。
 2階耐力壁線下部や下屋コーナー部等に
 バランスよく耐力壁を配置し、まず上部構造
 評点を1.0以上にして市から補助金を受け
 られるようにしました。
 その上で、実際の耐震性を強化できるよう、
 新設耐力壁の下部にはきちんと新設基礎を
 設け、既設柱と既設土台、既設土台と既設
 基礎を柱脚金物や後施工用アンカーボルトを
 設置して、耐力壁からの力を確実に地盤に
 伝えられるように考えました。
 また下屋のある2階建て建物のウィークポイント
 である、2階部分と下屋部分が取り合う梁に
 羽子板ボルトや火打ち金物を設置して、
 2階の耐力壁からの力を1階の耐力壁に伝え、
 接合部も強化を図りました。
 
     2.耐震改修計画
     左上 耐震改修参考資料
     右上 耐震改修参考資料
     左下 耐震改修参考資料
 
 大学2年生まで過ごした愛西市での耐震
 改修工事。築34年の2階建て木造住宅で、
 1階に比べて2階の小さなタイプです。
 こちらのお宅は平成15年と平成24年に
 市の無料耐震診断を受けられており、
 総合評価(上部構造)はそれぞれ0.44、0.33
 で倒壊する可能性が高いという結果。
 押入から天井裏、畳を外して床下を覗いて
 現地調査を行い、既設図面を預かりました。
 平成24年版の最新ソフトの一般診断法で診断
 すると総合評価0.15とさらに低くなりました。
 悪い地盤にあたるのですが、現時点では
 その影響は見られず、コストも掛かるので、
 木造軸組と一部基礎の補強を行なうことに
 なりました。

     1.現況調査
     左上 現況1F天井裏
     右上 現況1F床下
     左下 現況1F床下