平和ミュージカル
もっと5 平和に!
第5回公演


2003年3月8日(土)14:00〜
          18:30〜
    3月9日(日)14:00〜
藤沢市湘南台市民シアター

World Peace Now3.8協賛

主催:平和ミュージカル・ふじさわ
参加者:50名
観 客:900名

脚本:

平和ミュージカル・ふじさわ脚本部
 杉山百合子・rina・垰下雅美
構成・補作・演出:
濱田重行(劇団 蒼生樹)
補作・演出助手:
武井法子(劇団 蒼生樹)
音楽:
黒田雄治
音楽助手:
飯田加菜
振付:
カネコ キヨミ(Yuiジャズダンススタジオ)
振付助手:
津国敦子(Yuiジャズダンススタジオ)
舞台監督:
笹浦暢大(うなぎ計画)
舞台監督助手:
日巻佳菜恵(うなぎ計画)
舞台美術:
さわたりちひろ(劇団気まぐれ座・さわたり組)
照明:
竹井 崇(タケスタジオ)
音響:
遠藤智宏(TOKIOアートプロ)
効果:
鈴木邦男(劇団 蒼生樹)
児玉友恵(うなぎ計画)
演奏:
くろだゆうじ&織音座

記念撮影
公演が終わって
記念撮影

プロローグ


ダンス   ダンス

天使たち
天使女:ねえ、今度の使命はなんで日本なのよ。
    憲法で戦争放棄したんじゃなかったの?
天使男:そこにはあるんだよ。矛盾がいろいろ。
    だから親分は日本に僕らを落っことしたのよ。
天使女:えー?めんどくさそう。そんなに戦争やりたいんだったら、やればあ。
    300年見てきたけれど、
    やむなく戦争になったなんていう戦争はひとつもない。
    どれもみんな戦争がやりたくてしようがない一部の人間に
    引っ張られて戦争をしてきたんだからね。

二瓶:みなさーーん、毎回、このサンパール広場で
  パフォーマンスを行っているフクナガーズでーす。
   ・
   ・
   ・
福永:みなさん、これが民主主義の実体ですよ。
   日本人の美意識、「公」のため、国のため、人のために身を捧げる
   という日本人の精神を冒涜してきた自虐教育の結果が
   公衆道徳もおろそかにする人間を生み出してきたのです。

フクナガーズ


第1幕


新聞部
長谷川:報道規制のことが問題になってるけど、
    学校新聞なんかも関係あるのかな。
    単純に考えたら、平和について考えちゃだめっていうのは、
    近いうちに戦争があるってことかな・・・?
北原:大丈夫だって、日本は憲法で戦争放棄してるんだから--------。
橋本部長:でも先生、私はどうしても納得できません。
    平和について考えることがなぜ行けないんですか?
松田先生:でもね、扱い方がとっても難しくなってきてるの。

長谷川:つまりは、政治や社会を批判するようなことを書かれたら
    困るってことなんでしょ。

中学生:福永君のいってること、すごおくよくわかる。
    戦争の話になると昔のことが必ず出てくるんだよね。
    日本が韓国を侵略したとか、大量虐殺したとか---。
    そんなこといわれたって、昔のことなんか知らないのに困るよ。
福永:そう。
    知りもしないのに、知ったような顔してどうするんだよ。
    いいか、そういうのが集まってるのが新聞部。
    二瓶もなにが目的かわかんねえけど、洗脳されてんだよ。

福永:我々フクナガーズは、文化祭は舞台でコンサート。
   教室では福永マンガ文庫とパフォーマンスを開催します。
   てなわけで、新聞部の教室を半分使用することになりました。

松田先生:倉田先生が? 生活指導の? そんなのおかしいわよ。
   平和のテーマをかえろっていっておきながら、
   小林よしのりのマンガ文庫はいいって。そんな・・
二瓶:インボーだ、インボーだ。ぜってーおかしいよ。
   何で新聞部の部屋が、マンガ文庫になるんだよ。
   おれ、サッカー部つれて殴り込んでやろうか。
橋本部長:倉田先生は、さっきそんなこと少しもいわなかった。
   ねえ?先生。
村井生徒会長:生徒会だって、そんなの初耳よ。勝手すぎるよ。
   生徒会のことどう考えてるのよ。あたしも行ってくる。

♪ こんにちは ニッポン
アイ・アイ・アイ・アイ・アイしてる
ダキ・ダキ・ダキ・ダキ・ダキしめたいよ この国を
カミ・カミ・カミ・カミ・カミの国
続く我らの大和の血!
  ・
  ・
  ・
  ・

天使女:これってまずいよね。
   若い子が民族主義に走ると、どうしてもこうなっちゃうね。
   国を愛することって大事だけど、ちょっとちがうんだな。
   どうにかしないといけないんだけど。どうしよ。
   仕方ない。年寄りに相談してみよ。

フクナガーズ
福永 対 二瓶
福永:何が新聞部だ。
   新聞なんて世の中のあかをほじくり返してるだけじゃねえか。
北原:新聞がどんなものか知りもしないで、わかったような口聞くな。

橋本部長:こうなったら同じ部屋でテーマぶつけてやろう。
   向こうが戦争論で来るんだから、こっちも戦争論で行く。
   体験者を並べるの。
二瓶:ここにずらっと年寄りが並んで、ボタンを押すと
   「昔々、あるところに・・・」ってしゃしゃべり出すのかよ。
橋本部長:その話を聞いた生徒やお客さんにインタビューして、
   それをすぐ記事にするのよ。

松田先生:いいじゃない。福永君の考え方も、ひとつの考え方なんだもの。
   否定も批判もできるけど、抹殺することはできない。
   これが民主主義よ。同じ部屋で、どれだけ多くの人に訴えて
   共感を得るかが問題よ。
天使女:あの子、福永君? このまま突っ走らないといいんだけど。
天使男:突っ走ったらそれまで。そこまで止めることはできない。
天使女:いい子なんだから。あのままいっちゃうっていうのも残念な気がして・・・。
天使男:気になるなら、面倒見たら?天使だって好きもあれば嫌いもある。
文化祭 二瓶:平和マガジンだよ。平和マガジン。読んでためになるよ。
   聞いて得する平和マガジン。
   何かなと思ったら新聞部のブースまでおいでください。
北原:かっこいいじゃん。俺なんか、誰だかわかんないよ。

岡田:はーい、平和マガジンツアーをお選びの方はこちらでございます。
   このマガジンは、私たちが知らなかった昔のこと、
   知っておきたい昔のこと、聞いてみたかった昔のこと。
   戦争の記憶はどんどん薄れ、遠いものになってしまいそうです。
   平和マガジンはその記憶をよみがえらせ、
   再びあの参加を繰り返さないようにと、
   体験者の体験にふれることができるマガジンです。
   次に発行します第2集は「知っていました? 台湾からの少年工」です。
保坂:これから私が話をするのは、その台湾の優秀な少年たちに起こったつらく悲しい出来事です。
   1941年、帝国海軍は新しい航空機生産の中心となる工場を
   神奈川県高座郡の地域に、海軍工廠として設立することを決定したのです。
   そして、1942年、台湾各地で少年工の募集が始まったんだ。

教師:みんな聞いてくれ、おそれ多くも天皇陛下の赤子として、
   君たち台湾の少年にも日本国のお役に立てるときがやってきた。
   君たちを日本の優秀な若者に育てるためには学ぶことも大切だと軍部は
   考え、働きながら勉強もできる環境を用意しているということだ。





慈源:卒業証書をもらって帰ってきたら、
   立派な仕事にも就けるしお金も貯まる。
粗皮:これで母さんにつらい仕事をさせなくてすむ。

台湾の教師から



少年たち
粗皮と家族

卓勇と姉妹

祖母:おまえは家の跡取りだろうが。跡取りが自分の国を捨ててどうする。
粗皮:国を捨てるんじゃない。偉くなって帰ってくるんだよ。



卓勇:10倍のむずかしい試験に合格したんだよ。
   日本は僕たちみたいに優秀な台湾の若者の力に期待してるんだよ。
   戦争に勝ってる国だもの、きっとすばらしいところだと思うよ。



母:母さんだって泣くものか。慈源、おまえが元気で帰ってくるまで
   涙はとっておくことにするよ。

慈源:手が痛むのか?
   鉄のハンマーで打ちつけたんじゃあ折れてるかもしれないな。
   もう一度医療班に見てもらったらどうだ。
粗皮:そんなことしたら班長に何いわれるかわからないよ。
   悔しいなあ。試験に合格して喜んだのが馬鹿みたいだな。
卓勇:勉強だってほとんどやらせてくれないし。
   あ〜〜、国に帰りたいよ。


粗皮:慈源、慈源どこだ!
   僕たちが目を離したすきに、いったいどこへ行ったんだ。
卓勇:慈源は熱があるんだぞ。

粗皮:いたぞ! 引地川の中だ。
卓勇:こんな真冬に川で何してるんだ。

慈源:この川の向こうに母さんがいたんだ。ほら、母さんが笑ってるだろう。
粗皮:もうだめだよ、慈源が死んじゃうよ。だれか助けてくれよ。
   おばさん、慈源を守ってくれよ。
卓勇:まさかこんなになるなんて。死ぬなー、慈源!



保坂:戦争中、日本につれてこられた少年工のうち50人は
   空襲などで命を落とし、帰ることさえできませんでした。
   その後、台湾に帰れた人たちも、日本に協力したということで
   差別されたり、いろいろな苦労をされたと聞いています。

けがをして



日本の工場で



文化祭:体験者のお話
新聞部とフクナガーズ
福永:みなさんにお知らせがあります。
   日本の教育を受け国に帰った台湾少年工は、現在は台湾の
   重要な地位に多くついております。
   ヨーロッパの植民地だった東南アジアも台湾も、
   解放したのは日本軍なのです。
北原:解放したあと日本が何をしたか知ってるの。
   歴史の一面だけを取り上げて当時を美化するなんて。
福永:美化ですか。
   中国・韓国のように日本軍が鬼か悪魔のように教え込まれて、
   いつまでも日本人が謝罪だの謝ってばかりいたんでは、
   日本人としての誇りはいったいどこに行ってしまうんだよ。
北原:その考えで平和が守れるのなら僕も手を貸すよ。
   でも、喜ぶのは君たちを戦争の道具に使おうとしている人たちだよ。
福永:家族や愛する人を守るってことは、
   日本の国を守ることと同じなんだよ。
   だとしたら「やられる前にやる」これが防衛の基本じゃねえか。
北原:戦争で身体張るより、平和を守るために身体張るんだよ。


第2幕


婦人3:あんたたちは、愛国心と国を守ることを混同している。
   あなた達が守ろうとしているのは、
   郷土や家族の人たちが住む風土なのよ。
   でも、国が守ろうとしているのは、東京や大阪。
   もっとわかりやすくいえば、国会議事堂や皇居周辺なのよ。
   ほかがみんな攻撃されてそこだけ残っていればいいの?
清野:私だって戦争なんかしたくない。
   でもね、自分本位の正義や言い分を張り合っている限り、
   戦争は絶対なくならないし、どっちかっていうと
   その間においしいところをさらわれて、
   どっちも戦争に行かなくてはならないような気がするの。
田中:福永君の言ってることは気持ち的にはわかるんだけど、
   以前外国にいた友達に福永君の受け売りを話したら
   「友達いなくなるよ」っていわれたの。
   私が日本という国で生まれて育ってきたその日本について、
   あまりに知らなすぎるって。

サンパール広場で


福永君の言うことも・・・だけど
松田先生:みんな、安心して。福永君、気が付いた。今、家族の人と話してる。
田中:福永君、コンサート中、急に倒れちゃんだもの。

北原:はい、え?奥ガス?
   一昨年、寒川の造成地で昔の海軍が埋めた毒ガスのびんがでただろう。
   体育館の拡張工事であれが出たらしい。
   福永がそれを浴びた可能性が高いってこと。

倉田先生:松田先生。ちょっとこちらに。
   今回の「ガス化する化学物質」の入ったびんの出土については、
   あまり大げさに騒がないようにお願いしますよ。
   このことは新聞に取り上げるようなことがないようにしてくださいね。
   校内の新聞ですから、常にテーマは
   「明るい湘南、素直な学生」これですよ。
天使女:(福永に)あんたさあ、ついでにいい機会だからちょっとあたしと散歩しない?
   毒ガスなんか浴びちゃって、損したと思ってるでしょ。
   去年の修学旅行の広島、行かなかったでしょう。あたしが連れてってあげる。
広島にて


原爆投下


母
岡田:すいません、これどうやるか教えていただけますか?
森嶋:すいません、大勢で押し掛けて。
おばあさん:ええよ。よけいの方が楽しゅうてええねえ。
   ところであんたらはどこから来んさったの。
   藤沢!まあ遠いところからおいでじゃね。
   わたしらはここを離れるわけにはいかんのよ。
   娘が二人ここにおるけんね。
   きっとここにおると信じてね。
おじいさん:ほら、あっこに大きなビルがたっとるじゃろう。
   あっこが昔女学校だったところじゃけん。
おばあさん:二人の娘が通っておった学校での、
   ほいであんピカの日から帰らんようになって・・・。
   ああそりゃそりゃ地獄のようじゃった。


母:いったい何が起こったんじゃろ、太陽でもおちんさったんとちがうか?
   とにかく圭子と早苗を連れに学校へ行って来るけん。


   早苗、圭子! あんたらどこにおるんや。
   母さんの声が聞こえたら返事をしんさい!
   早苗、圭子!

おじいさん:あれから妻は、私が止めるのも聞かずに
   何度も娘を捜しに出かけていきよた。
   そしてある日の朝、妻は帰らぬ娘の着物を大事そうに抱いていたんです。

   その日から二つの人形が家族となったのです。

   あれから妻はあの世とこの世をいったり来たりしとりました。
   そうやって自分を慰めておったんもしれませんねえ。
   まるで子どもの人形遊びのようじゃった。

被曝


兄:私が逃げる途中の坂道でなにやら叫びながらふらふらと歩いてくる
   青年に出会いました。
   やけてぼろぼろになったシャツのようなものが垂れ下がり、
   子どものように泣きじゃくっていました。
   でもよく見るとおれは黒い髪の生首だったのです。
   きっと愛する人の亡骸なのでしょう。・・・・
天使女:どうだった?
福永:どうってことねえよ。

天使女:「君たちの死は無駄ではなかった」なんて言われたい?
  君たちの死の後の平和なんて、平和なんかじゃない。
新聞部とフクナガーズ
二瓶:福永じゃん。登校できるようになったのか。
福永:もうとっくだよ。
   ところで新聞はどうした?相変わらずの「お子ちゃま」か。
   俺のこと、記事にしたのか。
松田先生:心配しないで、記事にしないから。福永君のプライバシーだから。
橋本部長:それに、倉田先生から止められてるし。
福永:書けよ、俺の実名で。
   昔の連中は昔の考え方から少しも変わっていない。
   つまり、いつでも昔の過ちを繰り返す要因がそこら中に
   あるってことだよ。
   だから、俺は体を張ってそのことを伝えたいって言ってるんだよ。


天使男:お疲れさん。やったね。
天使女:結局、なんにもできなかった。みんなあの子たちの自力。
天使男:感慨に耽っている場合じゃないよ。次の仕事が入ってるよ。
天使女:もう、どこ?
天使男:北朝鮮とイラクだってさ。
天使女:しばらくは天国に帰れないね。
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