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ミステリアスホラー

マインドコントロールの恐怖I〜その戦慄のメカニズム〜




 人間を機械のように操る戦慄のメカニズム、マインドコントロール。1997年にカリフォルニア州サンディエゴでは、カルト集団組織ヘブンズ・ゲートの信者ら39人が集団自殺している。1993年には、カルト集団ブランチダビディアンの信者ら77人が、FBIとの銃撃戦の末、焼身自殺をした。さらに、1978年には南米ガイアナで、密林でコミュニティーを形成していたカルト集団、人民寺院の信者らが青酸カリを使用した集団服毒自殺をはかり、実に900人以上が犠牲となった。
 彼らは本当に、自分達の意志で自殺を選んだのだろうか?静岡県立大学社会心理学博士の西田公昭氏は「彼らは、マインドコントロールされている状態だったと言えます」と話す。

 マインドコントロールとは、本人が気付かぬ内に人間の心に指示や命令を植え付け、それがあたかも自分自身の判断であるかのように他人を誘導する技術のことを言う。そして、カルト集団はマインドコントロールが起きやすい環境をつくり出す。
 ・閉鎖的状況
 ・絶対的誘導者の存在
 ・苛酷な労働
である。西田氏によると、これらの状況が重なると、人は考えることを放棄し、教祖の言う通り行動するという。

 ところが、このようなマインドコントロール現象は、カルト集団以外でも起こっている。アメリカ・カリフォルニア州パロアルト。かつてここに存在した至って平凡な高校で、その事件は起こった。
 1969年、歴史の授業でナチスの残虐行為について説明している時、生徒たちはなぜドイツ人はナチスを止められなかったのかという疑問を持った。彼らは、自分だったらこのような行為には絶対反対すると思うと口々に言った。その時、教師のロン・ジョーンズ(当時29歳)はすぐに答えることができなかった。ジョーンズ先生にも、明確な答えが見つけられなかったのだ。

 翌日、彼は生徒達とその答えを知るため、ある提案をした。この一日だけ、このクラスだけの独自の細かいルールを作り、それに従って行動するというものだった。それによって、集団が生み出す力を探るというのが目的だった。生徒達は、その実験に興味を抱いた。ジョーンズ先生は、タイムリミットは今日一日だけ、生徒達には気軽にゲームをするつもりで参加するように言った。
 まずは、細かい規律が作られた。生徒達の姿勢を正すこと、質問や答える時は必ず席の横で直立すること、発言の時は必ず最初に「はい、ジョーンズ先生」と呼ぶことなどだった。彼はこうして、生徒達の行動を規制した。

 この目的は、規律を決めることで生徒達が自分一人ではなく、グループに属しているのだという意識を強く持たせることだった。ナチスドイツも、細かい規律を定めることで800万人ものドイツ国民をマインドコントロールしたと言われる。
 細かい規律により、人間の中には組織の一員であるという自覚が生じ、単純作業の繰り返しにより次第に個人の考えは消えてゆき、規則に従うことに快感すら覚える者もいる。
 実際、一日限りという約束で始まったこのゲームだったが、生徒達は翌日になっても続けようとしていた。

 

 ジョーンズ先生は続けるべきか悩んだが、集団の生み出す驚くべき力を知り、実験をしばらく続けることにした。彼はこの実験を「ウェーブ」と名付け、独自の挨拶を考えた。これらは、その集団を深く認識させることにつながる。ナチ式敬礼やシンボルのカギ十字などもそうだ。
 このようにして、「ウェーブ」も次第にナチスと同じ道を歩み始める。ジョーンズ先生の予想しなかったことなのだが、この実験を始めて数日後には、このクラスの授業の効率、生徒の成績が格段に上昇した。生徒達は「ウェーブ」を辞めるどころか、新しい規律を欲しはじめた。ジョーンズ先生は、この頃から危険を感じはじめていた。

 「ウェーブ」は猛烈な勢いで学校中に浸透し、急激にメンバーは殖えていった。さらに、メンバーは「ウェーブ」の勧誘を断る者や抗議する者に、暴力的方法を使うようになっていた。こうして、「ウェーブ」の暴力に怯え、仕方なくメンバーになっていった者もいた。これはまさに、ナチスと同じような状況だった。反対分子は暴力を使ってでも排除するという方法だ。
 学校中が「ウェーブ」のメンバーになるまでに、一週間とかからず、さらに他の高校にも広がりはじめた。各地で暴力事件や喧嘩も多発し、ジョーンズ先生は自分の冒した罪の重さを感じ、実験を早く止めなくてはと考えた。

 彼は「ウェーブ」の主要メンバーであるクラスの生徒たちを集めた。リーダーと思われる生徒に、「君たちのリーダーは誰だ?」と聞くと、彼は「はい、ジョーンズ先生、もちろんリーダーはジョーンズ先生です」と答えた。
 ジョーンズ先生は、「いや違う、君たちの本当のリーダーは誰か、教えよう」と言って、あるフィルムを回し始めた。スクリーンに映し出されたのは、ナチスのリーダー、ヒットラーだった。生徒達が一週間ほど前にはその残虐な行動を批判をしていたあのヒットラーだったのだ。
 自分たちの本当の姿に衝撃を受けた生徒達の中には、涙を流す者もいた。

 

 この瞬間、「ウェーブ」はピリオドを打った。ジョーンズ先生は、生徒たちを傷つけてしまったと深く反省した。自由の国、アメリカにおいても、高校生たちがいとも簡単にマインドコントロールされてしまうという驚くべき真実がわかったのだった。
 西田氏は、人間の心には誰にでも、支配されたい、操作されたいという願望すらあると考えられると話す。マインドコントロールを強く受けると、絶対服従の心理が作られ、死ぬことが正しいと言われれば自殺してしまうものだという。

 

たとえば

飛行機でツインタワーへ激突させたり アメリカの戦艦へ 零戦で特攻させることさえできるのだ。

 

E N D 

 


 

□天安門広場での法輪功メンバーの焼身自殺について

 

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