お釈迦さまのことば

 


○今回のことば


他人の目的のために自分のつとめを捨て去るな。 インド、原始経典『ダンマバナ』166



【副住職独語】


仏教ではしきりに
慈悲を説く。自分のエゴ・自我の姿勢を転化し、他人のために尽くせ、と教える。その反面、ここにいうように、他人のために自分たる立場を失うこともいましめる。

慈悲という言葉、インドサンスクリット語で
「慈」maitri「衆生つまりこの世に共に生きる人を慈しみ、幸福を与える」ことをいい、「悲」karuna「共に生きる人達の苦難を救い、苦境を脱せしむる」ことをいっている。『禅語大辞典』(大修館書店)

この詩は
「たとえ、それが、他人にとっていかに大切なことであろうとも」という句が前にあり、後に「自分の目的を熟知して自分のつとめに専念せよ」と続く一節です。大切なことは「自分のつとめ」とは何か。ということでしょう。それは「自分の仕事」「自分の生活」であると、受けとめて良い。いくら親しい兄弟・友人・またお得意さま・愛する人であろうとも、他人は他人で、他人を立たせ自分がつぶれてしまったら、それは愚かなことです。仏教ではまず、自分というものの存在の確立を第一としています。

 

しかし、同時に、他人はどうでもよい、自分だけよければいい、ということであってはならない。世の中は、一人で生きているようで、あらゆる所で、他人・相手がいて成り立っている。それは自分の気づかない所で、つながっていることもあります。私たちが暮らす社会というものは、そういうもので自分だけ幸せになっても、相手が不幸になったら、結局自分の幸せも本当の幸せにはなりえない。

 

自分だけの主張をして、他人をふみ倒すのはエゴイストで、自分を確立させない愚かな人です。人をたてて、自分がつぶれたら、同じく愚かです。自分も、そして他人も確立させて、共に生きようと努力することが「自分のつとめ」ではないでしょうか。

 



○前回までのことば

 

多くの人と共に生きる

1、人は世間愛欲の中に在りて、独り生じ、独り死し、独り去り、独り来る。・・・・『無量寿経』

物事を自分勝手にみない

2、真実でないものを真実と見・・・インド、原始経典『ダンマパダ』11

人を軽軽しく非難しない

3、見る人は、(他人)が見ているのを見るし、見ていないことをも見る。・・・インド原始経典『ウダーナバルガ』

良いゴーイングマイウエイ

4、二人にて一つ路をゆくことなかれ 『仏教聖典38節』

欲望は切りがない

5、お金の雨が降っても、欲望は満たされない。快楽は短く苦痛であると賢者はいう。インド原始経典『ダンマバダ』

愛という名のもとに

6、たとえば湿地のよく芽を生ずるごとく、愛もまた是のごとくよく一切業の煩悩の芽を生ず。『大乗涅槃経』

大切なものは

7、芭蕉は実を生ずれば枯れ、蘆竹葦もまた然り。・・・『大乗経典・雑宝蔵経』

自分勝手なストレス

8、怒りを断てば安らかに寝ることが出来る。怒りを断てば悲しむことがない インド大乗経典『相応部経典』

人生の憂い

9、人間の憂いは執著するよりどころによって起こる。 インド、原始経典『相応部経典』

悪い行い

10、悪事をなして人は憂うる。・・・ インド原始経典『ウダーナバァルガ』

愛とは

11、愛とか憎しみとかの敵は、手も足も持っていない。・・・ インド、シャーンティデーバア著。『入菩提行論』

競争世界

12、勝ちを得ば怨みを増長し、負ければ憂苦を益す。・・・インド大乗経典『雑宝蔵経』

飲酒について

13、酒は人を怠けさせる。酒におぼれる者に六つの禍がある。 インド原始経典『長部経典』

食事について

14、諸々の飲食を受けては当に薬を服するがごとくすべし。  インド原始経典『仏遺教経』

食事について2

15、食事の量を留意して、節する人に苦痛は少ない。寿命を保ち、少しずる老いる。 インド原始経典『相応部経典』

ギャンブル

16、ギャンブルに6つの害がある。・・・インド原始経典『長部経典』31

ギャンブルと財産

17、獲得した財産が出てゆく四門がある。・・・インド原始経典「雑支部経典」

欲望と幸せ

18.盛りをすぎた男がテインバル果のように・・・・インド原始経典「スッタニパーダ」

思うがならない人生

19、世の人は死に圧迫され、老いの矢に囲まれ、愛欲の矢に刺され、欲望によってあぶられているインド原始経典『相応部経典』

自分の思うがままに

20、自分こそ自分の主である。自分の拠り所は自分である。たから自分を整えよ。商人が馬をよく調教するように。インド原始経典『ダンマバダ』

なんでも他人に合わせない

21、自分を(他人)に与えるな。自分を捨てるな。インド原始経典『相応部経典』

他人よりも自分に打ち勝つ

22、自己にうちかつことは、他人に勝つことよりもすぐれている。インド原始経典『ダンナバダ』104

慈悲と自分のつとめ

23、他人の目的のために自分のつとめを捨てるな。

自分の幸せ・人の幸せ

24、私にはこどもがいる、財産がある インド原始経典『ウダーナバァルガ』1・20

命を大切に

25、奮い立てよ。怠けてはならぬ。良い行いのことわりを実行せよ。・・・『法句経168』

心の交流

26、心は風に似ている。遠くゆき、とらえられず、姿をみせない。インド大乗経典『カーシュヤバ・バリバァルタ』

許すことの大切さ

27.罪過を告白しているのに、それを許さない人は・・・インド原始経典『相応部経典』

暴力の無意味さ

28、人はすべて暴力に怯える。全ての者にとって・・・。 インド原始経典『ダンマバダ』130

怒らない

29、怒らないことによって怒りにうちかて・・・インド原始経典『ダンマバダ』123

心の寛容さ

30.かつての悪行を、のちに善行でつぐなう者は・・・

人情

31、或いは父子を哭し、子父を哭し、兄弟夫婦互いに相哭泣す。インド原始経典『無量壽経』

自我を乗り越える

32、何ものも「自分のもの」ではない。 インド原始経典『ダンマバダ』

優しい言葉を投げかける

33、自分を苦しめない言葉、また、他人を傷つけない言葉のみ語れ。インド原始経典『ウダーナハバルガ』

非難

34、人は黙っているといって非難され、 インド原始経典『ダンマパダ』

平和

35、敵意ある人々の中にあって、私は敵意を抱くことなく、幸せにいきていこう インド原始経典『ウダーナバアルガ』

前向きに生きよう

36、過去を追うな、未来を願うな。

両親の愛の深さ

37慈父の恩高きことなお山王のごとく、慈母の恩深きこと大海のごとし

かわいい自分を愛する

38.自分を愛しいものと知るなら、自分を悪と結びつけてはならない。

友情

39.助けてくれる友人、苦しいときに楽しいときにも友人である人、自分のためを思って口をきいてくれる友人、思いやりのある友人、これが本当の友人です。

人を怨むな、傷付けるな

40、殺すものは殺され、怨むものは怨まれる。罵るものは罵られ、怒るものは他人の怒りを受ける。

老い

41. 学ぼうとしない人は牛のように老いる

悪事と悩み・後悔

42、悪事をなして人は憂うる。昔にしたことでも、遠くでしたことでも、秘密にしていたことでも人は憂うる。悪い世界に赴いてさらに悩む。 インド原始経典『ウダーナバアルガ』

みんなの幸せ

43. 多くの財産、黄金、食物のある人が。自分一人で美食を追求するなら、それは破滅への門である。インド原始経典『スッタニオパーダ』

 

 

 

44. 愚者は財産を自分でも使わず、他人にも与えない。知者は財産を得て自分でも使い、(人として)なすべきことをなす。 インド原始経典『相応部経典』V・2・9・8

45.つむじ曲がりの人は心が素直でなく、何でも争い、よく説かれたことでも理解しない。たてつかず、争うことをやめ、不信の心を除けば、よく説かれた言葉を理解する。 インド原始経典『相応部経典』Z・2・6・6

46。他人を苦しめることによって自分の快楽を求める人は、怨みの絆にまつわられて、怨みから免れることは出来ない。  インド原始経典『ダンマパダ』第291

教えケチるな

47、何かを弟子に隠すような教師の握りこぶしはない。  インド原始経典『長部経典』16経「大パリニッタ経」2・25

教育と子育て

48、わずか10歳にしかならない人間にこどもができる時代がやって来るであろう。そしてこれらの男達とともに、娘たちは5歳でこどもが生まれる体になるであろう。 インド原始経典『長部経典』26

苦しみを乗り越えてこそ

49.太陽が現れて、明るいと見るのもひとときの心であり、太陽が隠れて、暗いと見るのもひとときの心である。『首楞厳経』

真の友人

50、助けてくれる友人、苦しいときにも楽しいときにも友人である人、自分のためを思って口をきいてくれる友人、思いやりのある友人、これが本当の友人である。インド原始経典『長部経典』31経「シンガーラへの教え」

悔やむなかれ

 

 

 

 

51、財産が減ったら、「私は財産を得るためにあらゆることをやった。それなのに、財産が減った」といって悔いるな。 インド原始経典「増支部経典」

52、手段が正しかろうと不正だろうと、おかまいなしに儲け、嘘をつき、平気で盗んだり、だましたりしながら富を集めることに巧みで、しかも、快楽を追求している人、彼は地獄に赴く。 インド原始経典「増支部経典」

財産は貯めようと思わない。活かす

53、愚者は財産を自分でも使わず、他人にも与えない。知者は財産を得ても自分でも使い、(人として)なすべきことをなす。

幸せって?  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

54、多くの財産、黄金、食物のある人が、自分一人で美食を追及するなら、それは破滅への門である。インド原始経典「スッタニパーダ」

55、痴者が、月を指すを見て、その指を見て月を観ざるがごとく、名字に計著する者は、我の真実を見ず。インド大乗経典「楞伽経」

56、たとえば巨海に下らざれば無価の宝珠を得ること能わざるがごとく、是のごとく煩悩の大海に入れざれば、即ち、一切の智宝を得ること能わず。 インド大乗経典「ゆいま経」

57、大慈は一切衆生に楽を与うるなり、大悲は一切衆生の苦を抜くなり。 インド「大智度論」

58、仏、一音を以って法を演説したもうに、衆生は類に随って各々解を得る。インド大乗経典『維摩経』

59.識は能く諸業を集め、智は能く了分別す。 インド大乗経典『楞伽経』

60、うるわしく、あでやかに咲く花でも、香りの無いものがあるように、善く説かれたことばでも、それを実行しない人には実りがない。
うるわしく、あでやかに咲く花で、しかも香りのあるものがあるように、善く説かれた言葉も、それを実行する人には、実りが有る。 インド大乗経典『ダンマパダ』51・52

61.一字ないし四十二字、一切の語言は皆、初字の門に入る。インド大乗経典『摩訶般若波羅蜜多心経』

62.菩提心とは、一切諸仏の種子となす。よく一切の諸々の仏法を生ずるがゆえに。インド大乗経典『華厳経』

63.身は無常、苦、非我と観ずるを名づけて惠となす。身に疾あり、常に生ありて、一切(衆生)をじょう益するもえんけんせざるを名づけて方便となす。 インド大乗経典『華厳経』

64。自らを島とし、自らを拠り所として、他を拠り所とせず。法を島とし、法を拠り所として、他を拠り所とせずにあれ。インド大乗経典『長部経典』大パリニッバーナ経

65.悪国に生じ、道を修習せざれども、道力を以ての故に悪業をなさず。インド大乗経典『大般涅槃経』

66、是の好き良薬を今留めて此処におく。汝取って服すべし。差じと憂うることなかれ。インド大乗経典『法華経』

67、一切の諸仏の所作に非ず。他をして作さしめたにあらず。・・・若しくは諸の如来の出現したもうも、若しくは諸の如来の出でざるも、諸の法は法にとして是のごとく住したもうなり。インド大乗経典『大日経』

68、一切の星の光明を映し出し、その増減をも示現するえんぶだいに於いて、(如来は)一切の浄水にその影を現さざること無し、一切衆生見るものは対面す。 インド大乗経典『華厳経』

69愚かな人々に近づかないこと、賢者に親しむこと

70、人間は生きている間に、いろいろなことを願望し念願する。が、それらは必ずしも実現するとは限らない。当人の期待にそむくことがどれほどあるだろうか。そういう厳しい現実から目をそむけてはならない。真正面からしっかり見究めなさい。

71.ただ、非難されるだけの人、また、ただほめられるだけの人は過去にもいなかったし、未来にもいないだろう。現在もいない。インド原始経典『タンマパダ』

72.剃刀の刃にぬられた蜜をなめるような場合には、舌を傷つけないようにと、人はどれだけ細心の注意をするであろうか?すぐれた人物にならんとする者は、剃刀の刃から蜜をなめるほどの気配りを、何事にも及ばさなければならない。

73、夢の中で出会った人でも、目がさめたならば、もはやかれを見ることができない。それと同じく、愛した人でも死んでこの世を去ったならば、もはや再び見ることが出来ない。インド原始経典『スッタニパーダ』

74、もろもろの凡愚、多く真の道に迷うて、身心の無我を観察することを知らず。ただ苦行を学びて以て道をなすものは、みだりに外道の邪法を行じ、あやまり執して真にそむき、ただ悪法を成ずるに同じ。インド原始経典『大荘厳経論』

75、げにも多くの人々は、みずからの見るところに執着す。ただ一部のみを見て、たがいにあげつらいて争うなり。
インド原始経典『六度集経』

76、もしも愚者がみずから愚かであると考えれば、すなわち賢者である。愚者でありながら、しかもみずから賢者だと思う者こそ、「愚者」だといわれる。
インド原始経典『法句経』

77、子も救うことが出来ない。父も親戚もまた救うことが出来ない。死に捉えられた者を、親族も救い得る能力がない。
インド原始経典『法句経288』

78、汝おのれの愚かさを、おそれ悲しむことなかれ。

79、まさに波羅提木しゃを尊重すべし、暗に明に遇い、貧人の宝を得るがごとし。
『仏垂般涅槃略説教誡経』

80、汝ら童子らよ。汝らは苦しみをおそれずや。

81、足を洗える水は、不浄にして飲むべからず。

82未だ自ら度すること能わざれども、己に能く彼を度せん。『無量義経

83、生死の世界は涅槃となんの区別もない。また涅槃も生死の世界となんの区別もない。インド『中論頌』

84、病める者をみとるは、われをみとるなり。いささかも異なることなし。仏教聖典118節

85.罪過を指摘し、過ちを告げてくれる聡明な人に会ったならば、その賢い人に従え。隠してある財宝のありかを告げてくれる人に従うように。そのような人につき従うならば善いことがあり、悪いことはない。インド原始経典『テーラーガーター』

86、愚かな者は、努め励まないで良い結果だけを求める。インド原始経典『雑宝蔵経』

87、いそしむことを楽しみ、放逸に怖れをいだく、道を求むる人は、怠惰に退くことなく、すでに涅槃に近づけり。インド原始経典『法句経』

 

http://ww52.tiki.ne.jp/~tetsugen/syakanokotoba/syakanokotoba93.html