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あ る 格 闘 家 の 軌 跡

 

 

格闘家といえば「ヒクソングレイシー」。 いったい誰が最強なのか。1990年代アメリカで最初のUFC大会が開かれた。これは文字通りの何でもあり大会で金的目潰しなどは禁止ながらその他は何をしても良いという怖い大会。出場者にはボクサーやら空手家やら喧嘩屋やらプロレスラーやら相撲レスラーやら出てきてここで連続優勝してしまうのがブラジリアン柔術家ホイスグレイシーである。柔道の起源である柔術を用い足を手のように使いどんどん締め上げて優勝する。それ以降世界の頂点に立つグレイシー一族だがそのホイスが「自分の十倍強い」と語る兄ヒクソングレイシー(400戦無敗w)がついに日本上陸。バーリテュードジャパン大会でやはり易々と優勝してしまう。

そんなグレイシー一族をどんどん連破してしまったのがプロレスラー桜庭和志。一躍世界のヒーローに。ヒクソンさんは戦えば負けるので彼から逃げ続ける。そういうわけでヒクソンさんは未だ無敗。負ける相手とは戦わないのが最強格闘家になるコツである。そんなヒーロー桜庭と長年同じ釜の飯を食ってきた先輩 金原弘光という男がいる。

 

プロレスの時代からリアルファイトまで業界を支えてきた。プロとしてのプライドから、打撃が強い相手には打撃で、寝技が強い相手には寝技で勝負をしてしまうため、実力者でありながらもなかなかブレイクせず近年ボロボロになって現在引退へカウントダウンに入っている。ニックネームは「ボヤキング」。とにかく愚痴を愚痴愚痴言い続けるのが彼の面白キャラクターだ。実際損ばかりしているが彼の功績は巨大である。雑誌「紙のプロレス」2007/110号にて「決断までの葛藤」というインタビューが掲載された。

 

 

「思うような試合ができなくてつらかった。俺、疲れちゃったんだよね」

 

P74 金原:心境は・・・まぁ、ホントに辞めるときが来たんだな、っていう感じだよね。なんかね、疲れたよ。ホントに疲れた。人生に疲れたというか・・・・・。控室に戻ってから発した第一声が、「俺、疲れちゃった」だったんだよ。やっぱりいろいろありすぎたよね。リングスが解散してから、シウバ戦の直前にじん帯断裂して、ヒザの大きな手術して思うように試合ができなくなって・・・・・。負けが続くと悪い方へ悪い方へ考えちゃうんだよね。昔はどんな相手でも強気に出られたのが、「また負けるんじゃないか」「また自分の力が出せないんじゃないか」って。気持ちが弱くなるんだよね・・・・・。だからさ、あまりにも悪いことばかり続くから、何が悪いのか原因をいろいろ考えてさ。それが風水的に悪いんじゃないかとかさ(笑)。

 

だから俺、ここ数年であらゆるお祓いとか試してるからね。昔はカミさんが占いの本を読んでるだけで馬鹿にしてた俺がさ、霊能者に診てもらったりとか、ホントにワラをもすがる思いでいろいろ試したんだよ。インドのお祓いとかね。「実家が良くない」って言われたらすぐ実家まで飛んでお祓いしてもらったりね。昔だったら、「そんな適当なこと言うんじゃねーよ」って言い返せたんだけど落ち込んでいるときっていろいろ思い当たるフシが出てきちゃうから「やっぱりそうですか・・・・・」ってなっちゃうんだよね。だから、ああいう商売がなんで栄えるのかがよくわかったね。結局は自分自身が変わらなきゃ何にもならないんだけど気持ちが弱っているときに限って、そういうものにすがっちゃうんだよ。それがわかったねえ(しみじみ)。 それでお祓いとかいろいろやる中で、ようやく“本物”って言うかさ、いいこと言ってくれる人が現れたのよ。それで、その人が「何でも自信を持ってやりなさい。マイナスの言葉は使わないようにしなさい」って言うから、実践してたの。だからマイナスの言葉は一切使わないようにしてさ。いいことなんかちっともないのに「ああ、今日もいい日だったな〜」とか言ってね。そしたら逆にノイローゼになっちゃってさ(苦笑)。

 

 


 

「お疲れさま」「ありがとう」しか言葉がありません!

 

P80 −3.18パンクラス後楽園大会の試合後、金原選手が「あと1試合で引退」を表明されましたけど、金原選手とはUインター時代からの盟友である和田さんは、あの発言を聞いて、どう感じましたか?

 

和田:いやぁ、ビックリしましたよ。ボクは試合後、すぐ控え室に行ったんですけど、そしたら金原が僕に「和田さん、俺、疲れたよ」って言うんですよ。それ聞いたらもう涙が止まらなくて、抱き合って大泣きしましたよ!彼の気持ちが分かるから・・・。彼の努力と苦労をボクはずっと見てますから。当時のUインターの練習のキツさといったら尋常じゃないですよ。彼は当時、練習が始まる前にあまりの緊張で毎朝、吐いてましたから。当時の道場の緊張感っていうのは、ホントに言葉にできないほどです。いまの子じゃ絶対に耐えられない!(キッパリ)。練習だけじゃないですよ。そのほかに先輩の身の回りの世話からちゃんこ番まで全部やってましたから。不撓不屈の男ですよ。それを乗り越えて強くなったんだから。しかも、彼は子供のころにケガして、普通の人より左手は力が入らないんです。あれだけ努力して、実力もつけたのに、どうにもめぐり合わせがうまくいかなくて。まさに、無冠の帝王だし、てっぺんとって1回でもいい思いを味わって欲しかったっていうのが本音ですね。根性なしのボクが鍛えられたのも、彼がいたからですからね。ボクが疲れていても「和田さん、やるよ!」っていっつも声かけてくれてね。彼がいなかったら、今の自分はいないですね。だから、いまはもう「ありがとう」しか言葉は出てこないですよ。

 

 


 

偉大な戦士 金原弘光。 馬鹿正直に駆け抜けた格闘人生でした。仲間たちと引退後もがんばって欲しいです。いまはもう「ありがとう」しか言葉は出てこないですよ。という名レフェリー和田さんの言葉。私も少し、涙が出てしまいました。 そして霊感商法による被害過程が明かされています。弱った心を慰めコントロールする商売。もちろんすべてが詐欺ではないと思われますが、太古の昔から存在する美味しいシステムです。芸能人やスポーツ選手にも被害者は多い。お祓い程度なら単発だが、知らずカルト組織に属してしまうと、人生すべてを奪われる。 新体操の山崎浩子さんは、家族の頑張りで救い出され、名著を残しています。

 

 


 

□カルト テクスト

 

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