表 戦後補償裁判一覧表 2003年5月現在)     →English version

 

1 サハリン残留韓国・朝鮮人補償請求訴訟 <東京地裁>90・8・29提訴、95・7・14取下げ。

 サハリンに強制連行された21人が国に1人1000万円を請求。

2 韓国損害賠償義務確認請求訴訟 <東京地裁>90・10・29提訴。

 元軍人軍属ら22人が国に損害賠償義務確認と陳謝などを請求。

3 大阪韓国・朝鮮人援護法の援護を受ける地位確認請求訴訟 <大阪地裁>91・1・31提訴、95・10・11判決(棄却)・判タ901号84頁、訟月42巻8号1993頁。<大阪高裁>99・9・10判決(棄却)。<最高裁>01・4・13判決(棄却)。

 在日韓国・朝鮮人の元傷痍軍属鄭商根が国に援護法上の地位確認と1000万円を請求。

4 上敷香韓国人虐殺事件国家賠償請求訴訟 <東京地裁>91・8・18提訴、95・7・27判決(棄却)・判時1563号121頁、判タ894号197頁、訟月42巻10号2368頁。<東京高裁>96・8・7判決(棄却)訟月43巻7号1610頁。確定。

 敗戦直後、サハリンで起きた韓国人虐殺事件。遺族が国に謝罪と計九千万円の賠償を請求。

5 日本鋼管損害賠償請求訴訟 <東京地裁>91・9・30提訴、97・5・26判決(棄却)・判時1614号41頁。<東京高裁>99・4・6和解成立。

 日本鋼管に強制連行された金景錫が会社に弾圧事件の補償金1000万円などを請求。

6 韓国・朝鮮人BC級戦犯国家補償請求訴訟 <東京地裁>91・11・12提訴、96・9・9判決(棄却)・判時1600号3頁、訟月44巻4号462頁。<東京高裁>98・7・13判決(棄却)・判時1647号39頁。<最高裁>99・12・20(棄却)。

 タイ、マレー、ジャワの元捕虜監視員7人が国に戦犯となった補償金1億7000万円を請求。

7 アジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求訴訟 <東京地裁>91・12・6提訴、01・3・26判決(棄却)。

 金学順ら元「従軍慰安婦」3人と元軍人軍属ら41人が国に1人2000万円を請求(92・4・13に元「慰安婦」6人が加わる)。

8 強制徴兵・徴用者等に対する補償請求訴訟 <東京地裁>91・12・12提訴、96・11・22判決(棄却)・訟月44巻4号507頁。控訴。

 元軍人・軍属、強制連行の元徴用工や遺族24人が国に1人5000万円の補償金を請求。

9 シベリア抑留在日韓国人恩給地位確認請求訴訟 <京都地裁>92・1・9提訴、98・3・27判決(棄却)・訟月45巻7号1259頁。<大阪高裁>00・2・23判決(棄却)。<最高裁>02・7・18判決(棄却)。

 軍人として抑留された在日韓国人李昌錫が国に恩給受給の地位確認と1000万円を請求。

10 光州千人訴訟 <東京地裁>92・8・14提訴、98・12・21判決(棄却)。<東京高判>99・12・21判決(棄却)。

 光州市などの元軍人・軍属ら1269人が国に公式謝罪と1人1億円の賠償を請求。

11 金順吉三菱造船損害賠償訴訟 <長崎地裁>92・7・31提訴、97・12・2判決(棄却)・判時1641号124頁、判タ979号124頁。<福岡高裁>99・10・1判決(棄却)・判タ1019号155頁。上告。

 強制連行され被爆した元三菱重工徴用工金順吉が国、会社に未払い賃金等として1000万円を請求。

12 援護法障害年金支給拒否処分取消請求訴訟 <東京地裁>92・8・14提訴、94・7・15判決(棄却)・判時1505号46頁。<東京高裁>98・9・29判決(棄却)・判時1659号35頁。<最高裁>01・4・5判決(棄却)。

 在日の元傷痍軍属石成基、陳石一が国に障害年金却下処分の取消しを請求。

13 浮島丸被害者国家賠償請求訴訟 <京都地裁>92・8・25提訴、01・8・23判決(一部認容)・判時1772号121頁。国が控訴。

 朝鮮への帰国の途中、舞鶴に寄港した直後に爆発・沈没した浮島丸の韓国人生存者・遺族50人が国に謝罪と計21億円の賠償を請求。

14 日帝侵略の被害者と遺族369人の謝罪請求訴訟 <東京地裁>92・8・28提訴、96・3・25判決(棄却)・判時1597号102頁、訟月44巻4号441頁。<東京高裁>99・8・30判決(棄却)・判時1704号54頁。上告。

 韓国人戦争犠牲者、強制連行された元徴用工らが国に計105億円を請求。9人が途中で訴訟をおりて二審での原告は360人。

15 対不二越未払い賃金請求訴訟 <富山地裁>92・9・30提訴、96・7・24判決(棄却)・労判699号32頁、判タ941号183頁。<名古屋高裁金沢支部>98・12・21判決(棄却)。<最高裁>00・7・17和解成立。

 富山の軍需工場に動員されていた韓国の元女子挺身隊員らが会社に未払い賃金等2400万円を請求。

16 金成寿国家賠償請求訴訟 <東京地裁>92・11・5提訴、98・6・23判決(棄却)。<東京高裁>00・4・27判決(棄却)。<最高裁>01・11・16判決(棄却)。

 戦争で右腕を失った韓国の元軍人金成寿が国に2億4000万円の賠償を請求。

17 釜山「従軍慰安婦」・女子挺身隊公式謝罪請求訴訟(通称関釜裁判) <山口地裁下関支部>92・12・25提訴、98・4・27判決(一部認容)・判時1642号24頁。<広島高裁>01・3・29判決(原告の一審勝訴部分を棄却)・判時1759号42頁、判タ1081号91頁。上告。

 釜山の「従軍慰安婦」・元挺身隊員各2人が国に国会・国連での公式謝罪と計2億8600万円を請求(93・12・13、94・3・14 追加)。

18 フィリピン「従軍慰安婦」国家賠償請求訴訟 <東京地裁>93・4・2提訴、98・10・9判決(棄却)・判時1683号57頁、判タ1029号96頁。<東京高裁>00・12・6判決(棄却)・判時1744号48頁、判タ1066号191頁。上告。

 フィリピン人元「慰安婦」18人が国に1人2000万円を請求(93・9・20 追加)。

19 在日韓国人「従軍慰安婦」国家補償請求訴訟 <東京地裁>93・4・5提訴、99・10・1判決(棄却)。<東京高裁>00・11・30判決(棄却)・判時1741号40頁。上告。

 在日の元「慰安婦」宋神道が国に国会での公式謝罪などを請求。

20 香港軍票賠償請求訴訟 <東京地裁>93・8・13提訴、99・6・17判決(棄却)。<東京高裁>01・2・8判決(棄却)。<最高裁>01・10・16判決(棄却)。

 香港索償協会のうち17人が国に損害補償と慰謝料の7億6000万円を請求。

21 在日韓国元傷痍軍属国家補償請求訴訟 <大津地裁>93・8・26提訴、97・11・17判決(棄却)・判時1718号44頁、訟月45巻7号1205頁。<大阪高裁>99・5・14裁判所が和解勧告、99・10・15判決(棄却)・判時1718号30頁。<最高裁>01・4・13判決(棄却)。

 旧日本軍の軍属として徴用され負傷した在日韓国人・姜富中が、国籍条項を理由として援護法に基づく障害年金を不支給処分にしたのは違憲だとして、国を相手に不支給処分の取消しなどを請求。

22 人骨焼却差止請求住民訴訟 <東京地裁>93・9・2提訴、94・12・5判決(却下)。<東京高裁>95・12・20判決(棄却)。<最高裁>00・12・19(棄却)。

 旧陸軍軍医学校跡地で発見された人骨(100体以上)焼却および公金支出の差し止めを求めた住民訴訟。

23 金成寿恩給不支給処分取消請求訴訟 <東京地裁>95・1・18提訴、98・7・31判決(棄却)・判時一六五七号四三頁。<東京高裁>99・12・27判決(棄却)。<最高裁>01・11・16判決(棄却)。

 戦争で右腕を失った韓国の元軍人金成寿が、日本国籍がないことを理由に傷病恩給の支給を認めないのは憲法違反だと主張して、不支給処分の取消しを請求。

24 オランダ人元捕虜・民間抑留者損害賠償請求訴訟 <東京地裁>94・1・24提訴、98・11・30判決(棄却)・判時1685号3頁、判タ991号262頁。<東京高裁>01・10・11判決(棄却)・判時1769号61頁。上告。

 戦時抑留期における虐待などに対する損害賠償として1人2万2000米ドルを請求。原告8人。

25 英・米・豪・ニュージーランド元軍人・損害賠償請求訴訟 <東京地裁>94・5・26提訴。

 戦時捕虜収容所おける人権侵害、1人2万米ドルを請求。

26 英・米・豪・ニュージーランド元捕虜・民間抑留者損害賠償請求訴訟 <東京地裁>95・1・30提訴、98・11・26判決(棄却)・判時1685号3頁。<東京高裁>02・3・27判決(棄却)・判時1802号76頁。

 収容所での過酷な労働・虐待などに対する損害賠償、1人2万2千米ドルを請求。原告7人。

27 韓国人元BC級戦犯国家補償請求訴訟 <東京地裁>95・5・10提訴、99・3・24判決(棄却)・訟月45巻10号1867頁。<東京高裁>00・5・25判決(棄却)。<最高裁>01・11・22判決(棄却)・判タ1080号81頁。

 BC級戦犯として処刑・拘禁された韓国人の旧軍属と遺族8人、処刑された林永春の遺族が5000万円、ほかの7人が各500万円を請求。

28 鹿島花岡鉱山中国人強制連行損害賠償請求訴訟 <東京地裁>95・6・28提訴、97・12・10判決(棄却)・判タ988号250頁。<東京高裁>99・9・10裁判所が和解勧告、00・11・29和解成立(原告の一部は和解を拒否)。

 鹿島組花岡出張所に強制連行された中国人986人が過酷な労働や虐待に耐えかねて蜂起した。官民一体の壮絶な報復が行われ、418人がこの地で果てた。耿諄ほか10人(生存者9人、遺族2人)が鹿島建設に対し1人550万円の損害賠償を請求。

29 中国人「従軍慰安婦」損害賠償請求訴訟(第一次訴訟) <東京地裁>95・8・7提訴、01・5・30判決(棄却)。控訴。

 中国・山西省で日本軍の前線部隊に拉致され「慰安婦」にさせられた中国人女性4人が、謝罪と1人2000万円の賠償を請求。

30 南京虐殺・七三一部隊・無差別爆撃損害賠償請求訴訟 <東京地裁>95・8・7提訴、99・9・22判決(棄却)・判タ1028号92頁。控訴。

 日本軍による南京大虐殺、七三一部隊および無差別爆撃による中国人被害者と遺族が1人2000万円の賠償を請求。原告は、南京8人、七三一部隊8人、無差別爆撃1人。

31 新日鉄朝鮮人強制連行損害賠償請求訴訟 <東京地裁>95・9・22提訴、97・9・18企業と和解成立(国を被告とする訴訟は継続)。

 釜石に強制連行され死亡した韓国人の遺族11人が新日鉄と国に謝罪と総額2億4000万円の損害賠償、遺骨の返還を請求。

32 三菱重工朝鮮人強制連行損害賠償請求訴訟 <広島地裁>95・12・11提訴、99・3・25判決(棄却)。控訴。

 元三菱徴用工の韓国人被爆者六人が国と三菱重工に対し被爆補償1人あたり1000万円と未払い賃金相当額6600万円余の損害賠償を請求。

33 中国人「従軍慰安婦」損害賠償請求訴訟(第二次訴訟) <東京地裁>96・2・23提訴。02・3・29判決(棄却)・判時1804号50頁。

 中国・山西省で日本軍の前線部隊に拉致され「慰安婦」にさせられた中国人女性2人が、謝罪と1人2000万円の賠償を請求。

34 中国人(劉連仁)強制連行・強制労働損害賠償請求訴訟 <東京地裁>96・3・15提訴、01・7・12(認容)・判タ・1067号119頁。国が控訴。

 日本に強制連行され、事業所から逃走し北海道の山中に13年間隠れつづけた劉連仁が国に2000万円の賠償を請求。原告は2000年9月死去。87歳。

35 平頂山虐殺損害賠償請求訴訟 <東京地裁>96・8・14提訴、02・6・28判決(棄却)。

 1932年9月、関東軍が3000人の中国・平頂山村民を虐殺。生存者の3人が1人2000万円の賠償を請求。

36 三菱重工朝鮮人強制連行(広島第二次)損害賠償請求訴訟 <広島地裁>96・8・29提訴。

 32と同じ事件。追加提訴の原告40人。

37 遺棄毒ガス・砲弾被害損害賠償請求訴訟(第一次訴訟) <東京地裁>96・12・9提訴。

 国際条約に違反して毒ガス兵器を使用した日本軍が、敗戦後各地でこれを遺棄した。その毒ガスおよび遺棄砲弾による被害者および遺族が1人2000万円の賠償を請求。原告12人。

38 東京麻糸紡績・沼津工場朝鮮人女子勤労挺身隊公式謝罪等請求訴訟 <静岡地裁>97・4・14提訴、00・1・27判決(棄却)。<東京高裁>02・1・15判決(棄却)。上告。

 東京麻糸紡績・沼津工場に勤労動員された韓国在住の女性2人が公式謝罪と1人3000万円の賠償を請求。

39 731部隊等の細菌戦被害損害賠償請求訴訟 <東京地裁>97・8・11提訴、02・8・27判決(棄却)。

 七三一部隊等が中国で実行した細菌戦の被害者の生存者と遺族108人が国に公式謝罪と1人1000万円、計10億8000万円の賠償を請求。

40 中国人強制連行・強制労働第二次(集団訴訟)損害賠償請求訴訟 <東京地裁>97・9・18提訴、03・3・11判決(棄却)。

 日本に強制連行された中国人被害者42人が日本企業10社と国に1人2000万円、計8億4000万円の賠償を請求。

41 遺棄毒ガス・砲弾被害損害賠償請求訴訟(第二次訴訟) <東京地裁>97・12・9提訴、03・5・15判決(棄却)。

 37事件と同趣旨。原告5人。

42 中国人強制連行・強制労働損害賠償請求長野訴訟 <長野地裁>97・12・22提訴。

 中国から強制連行され、長野県木曽の水力発電所工事などで強制労働させられた原告7人が日本企業四社と国に1人2000万円、計1億4000万円の賠償ほか、謝罪広告の掲載、未払い賃金を請求。

43 日鉄大阪製鉄所損害賠償請求訴訟 <大阪地裁>97・12・24提訴、01・3・27判決(棄却)。<大阪高裁>02・11・19判決(棄却)。

 戦時中、日鉄大阪製鉄所で強制労働させられた韓国人申千洙、呂運沢の2人が新日鉄と国に対して謝罪と未払い賃金1人約285万円および慰謝料1500万円を請求。

44 西松建設強制連行損害賠償請求訴訟 <広島地裁>98・1・16提訴、02・7・9判決(棄却)。

 広島に強制連行された中国人被害者とその遺族五人が西松建設に謝罪と1人550万円の損害賠償を請求。

45 在日台湾元軍属損害賠償・恩給不支給処分無効確認請求訴訟 <宮崎地裁>98・5・7提訴。

 旧日本軍捕虜監視員(軍属)にされ、戦後、戦犯として約10年8か月服役した台湾出身の林水木が2500万円の損害賠償と恩給不支給処分の無効確認を請求。旧植民地出身者で日本国籍を取得した原告の提訴は初めて。

46 中国人強制連行・強制労働損害賠償請求京都訴訟 <京都地裁>98・8・14提訴、03・1・15判決(棄却)。

 中国から強制連行され、京都・大江山の日本冶金で強制労働させられた中国人六人が日本企業と国に1人2000万円、計1億2000万円の賠償のほか、謝罪広告の掲載、未払い賃金を請求。

46・5 在韓元日本兵被爆者手当打ち切り処分取消等請求訴訟 <大阪地裁>98・10・1提訴、01・6・1判決(認容)・判タ1084号85頁。<大阪高裁>02・12・5判決(国側の控訴を棄却)。確定。

 被爆者援護法に基づく健康管理手当が帰国を理由に打ち切られたのは違法として、広島で被爆した韓国在住の男性が大阪府と国に手当ての支給などを請求。

47 中国・山西省性暴力被害賠償請求訴訟 <東京地裁>98・10・30提訴。

 中国・山西省で日本軍の前線部隊に拉致され、駐屯地に監禁されて性暴力を受けた中国人女性10人(被害者9人、遺族1人)が、1人2000万円の賠償を請求(29事件、33事件と同じ地域の被害)。

48 三菱重工名古屋・朝鮮人女子勤労挺身隊賠償請求訴訟 <名古屋地裁>99・3・1提訴。

 アジア太平洋戦争中、朝鮮半島から連行されて三菱重工名古屋航空機製作所(当時)で強制労働させられた韓国人女性5人が、国と三菱重工に1人3000万円の損害賠償、日本と韓国の新聞計12紙に謝罪文掲載を請求。

48・5 在韓元徴用工被爆者手当打ち切り処分取消等請求訴訟 <長崎地裁>99・5・31提訴。01・12・26判決(認容)。<福岡高裁>03・2・7判決(国側の控訴を棄却)。

 韓国人被爆者の元徴用工(李康寧)が、韓国に帰国したために被爆者援護法に基づく健康管理手当を打ち切られたのは不当として、国と長崎市を相手取り、打ち切り処分の取消しと慰謝料など約410万円の支払いを請求。

49 台湾人「従軍慰安婦」損害賠償請求訴訟 <東京地裁>99・7・14提訴、02・10・15判決(棄却)。

 「食堂の給仕」「看護助手」の仕事などとだまされて旧日本軍の「慰安婦」にされ、兵士から繰り返し性暴力を受けた台湾人の女性9人(当時14〜22歳)が、公式謝罪と1人1000万円の損害賠償を請求。

50 米国人元捕虜日本車輌損害賠償請求訴訟 <ロスアンゼルス上級裁(カリフォルニア州)>99・8・6提訴。連邦地裁が却下決定(00・9・21および00・12・13に移送先のカリフォルニア北部連邦地裁が一連の戦後補償請求訴訟の却下を決定)。

 フィリピンで旧日本軍の捕虜になり名古屋近郊の収容所に移送され、日本車輌で無報酬の労働を強制され監視員に暴行を受けた元米軍兵士のラルフ・レベンバーグらが日本車輌製造と米子会社に損害賠償を請求。提訴作業に参加した元米兵の集団訴訟だが原告数は特定していない。

51 米国人元捕虜三井鉱山損害賠償請求訴訟 <ロスアンゼルス上級裁(カリフォルニア州)>99・8・11提訴。却下決定(50事件参照)。

 フィリピンで旧日本軍の捕虜になり「バターン死の行進」で生き残ったが、福岡県の三池炭鉱に移送され、奴隷労働の強制や虐待を受けた元米軍兵士レスター・テニーが、三井鉱山・三井物産と両社の米子会社に損害賠償を請求。請求額は明示していない。

52 中国人(張文彬)強制連行・強制労働損害賠償請求新潟訴訟 <新潟地裁>99・8・31提訴。

 中国から強制連行され新潟の新潟港運(現リンコーコーポレーション)で強制労働させられ、後にえん罪の国防保安法違反容疑で逮捕・拷問を受け、広島刑務所に服役中に被爆した張文彬が国と同企業に2500万円の損害賠償と日中両国の新聞に謝罪広告の掲載を請求。

53 中国人強制連行損害賠償請求北海道訴訟 <札幌地裁>99・9・1提訴。

 中国から強制連行され、道内の炭鉱などで強制労働させられた中国人33人が、国と企業5社に謝罪と1人2000万円、計6億6000万円の損害賠償を請求。

54 米国人元捕虜川崎重工等損害賠償請求訴訟 <ニューメキシコ州連邦地裁>99・9・13提訴。

 旧日本軍の捕虜になり過酷な労働を強いられ、暴行を受けたとする元米兵エドワード・ジャックファートら11人が、三菱商事・川崎重工・三井物産・新日本製鉄・昭和電工に損害賠償を請求。賠償請求額は特定していない。

55 米国人元捕虜三菱商事等損害賠償請求訴訟 <オレンジ郡上級裁(カリフォルニア州)>99・9・14提訴。却下決定(50事件参照)。

 旧日本軍の捕虜になり日本の銅山で強制労働させられた元米軍兵士フランク・ディルマンら3人が、三菱商事・三菱マテリアルと両社の米子会社に損害賠償を請求。

56 韓国系米国人太平洋セメント強制労働損害賠償請求訴訟 <ロスアンゼルス上級裁(カリフォルニア州)>99・10・4提訴。

 1944年1月から45年8月まで、小野田セメント(現太平洋セメント)で強制労働させられたジェウォン・チョンが、賃金未払いと暴行被害などについて、同社に損害賠償を請求。

56・5米国在住韓国人石川島播磨重工業等賠償請求訴訟 <サンフランシスコ上級裁(カリフォルニア州)>99・10・22提訴。

 アメリカ在住韓国人が、大戦中に旧石川島造船所(現石川島播磨重工業)および旧浦賀造船所(現住友重機械工業)で強制労働させられたことを理由に損害賠償を求めた集団訴訟。

57 米国人元捕虜新日本製鉄等損害賠償請求訴訟 <ロスアンゼルス上級裁(カリフォルニア州)など>99・12・7提訴。却下決定(50事件参照)。

 旧日本軍の捕虜になり日本の現新日鉄広畑で強制労働させられた元米軍兵士ハロルド・プールら11人が、新日本製鉄と石原産業に損害賠償を請求。

58 オーストラリア・ニュージーランド・オランダ・韓国・中国人元捕虜日本企業損害賠償請求集団訴訟 <ロスアンゼルス上級裁(カリフォルニア州)>99・12・7提訴。

 インドシナやシンガポール、ビルマなどにおいて鉄道建設などで過酷な奴隷労働を強いられた元豪軍兵士ら7人が、三井物産・三井鉱山・三菱商事・三菱マテリアル・三菱重工業・新日本製鉄と各社の米国現地法人に損害賠償を請求。

59 七三一部隊等の細菌戦被害第二次損害賠償請求訴訟 <東京地裁>99・12・9提訴。

 七三一部隊等が中国で実行した細菌戦の被害者の遺族72人が国に公式謝罪と1人1000万円、計7億2000万円の賠償を請求(39事件の第二次訴訟)。

59・5 英国人元捕虜ジャパンエナジー損害賠償訴訟 <オレンジ郡上級裁(カリフォルニア州)>00・2・24提訴。却下決定(50事件参照)。

 英国人元捕虜のアーサー・ティザリントンら3人が、大戦中に日本鉱業が経営していた台湾の鉱山で苛酷な坑内労働を強いられるとともに度重なる暴行を受けたとして、ジャパンエナジー(旧日本鉱業)と在米関係法人を提訴。

60 韓国人被爆者三菱重工損害賠償請求訴訟 <釜山地裁>00・5・1提訴。

 大戦中に朝鮮半島から強制連行され、広島市の三菱重工業の工場で被爆した韓国人元徴用工6人が、同社に慰謝料および未払い賃金など計6億ウォン(約6000万円)の支払いを請求。

60・3 中国人強制労働損害賠償請求福岡訴訟 <福岡地裁>00・5・10提訴。02・4・26判決(企業を被告とする請求を認容)。被告企業(敗訴部分)と原告(国を被告とする部分)が控訴。

 第二次世界大戦中に日本に強制連行され、福岡県の炭坑で坑内労働などに従事させられたとして、中国人15人が国と三井鉱山に総額3億4500万円の損害賠償などを請求。

60・5 フィリピン・韓国人三井物産等損害賠償請求訴訟 <オレンジ郡上級裁(カリフォルニア州)>00・5・16提訴。

  旧日本軍占領下のフィリピンや満州などで苛酷な労働を強いられたとするフィリピン人と韓国人の2つのグループが、三井物産・三菱商事・三菱重工・住友商事・東洋紡績・太平洋セメントなど現地の事業に関わったとされる企業計27社を被告として提起した集団訴訟。

61 中国人強制連行・強制労働損害賠償請求集団訴訟 <ロスアンゼルス上級裁(カリフォルニア州)>00・8・22提訴。

 強制連行・強制労働によって被害を受けた中国人が、三井鉱山や三菱商事、関連するアメリカの現地法人など20の法人や企業を相手取って、損害の賠償を集団訴訟で請求。

62 中国人強制労働損害賠償請求新潟訴訟 <新潟地裁>00・9・12提訴。

 戦時中日本に強制連行され、新潟市の港湾物流会社で強制労働させられた中国人6人と遺族が、国と新潟市の企業を相手取り、1人あたり2500万円、総額1億7500万円の損害賠償と新聞への謝罪広告掲載を請求。

63 元「従軍慰安婦」国家賠償請求ワシントン訴訟 <ワシントン連邦地裁>00・9・18提訴。01・10・4判決(却下)。控訴。

 韓国6人、中国4人、フィリピン4人、台湾1人、計15人の元「従軍慰安婦」が、日本政府を相手取り、損害賠償を請求。

64 対不二越韓国人元女子勤労挺身隊損害賠償請求カリフォルニア訴訟 <オレンジ郡上級裁(カリフォルニア州)>00・9・ 提訴。

 韓国人の元女子勤労挺身隊員ら約30人が、雇用企業の機械メーカー不二越を相手取り、未払い賃金の支払いと損害賠償を請求。

65 中国人熊谷組等強制連行損害賠償請求訴訟 <河北省高級人民法院(高裁)>00・12・27提訴。

 大戦中、日本の鉱山などで労役を強制されたとして北京などに在住する中国人の元労働者13人と遺族1人が、当時の日本企業5社(熊谷組・住友石炭鉱業・住友金属鉱山・鹿島・日鉄鉱業)を被告として、1人あたり100万元(約1400万円)の賠償金と日中双方の新聞への謝罪文掲載を求める集団訴訟。戦時中の強制連行に対する訴訟は中国国内では初めて。

66 米国在住韓国人三井・三菱強制労働損害賠償請求訴訟 <ロスアンゼルス上級裁(カリフォルニア州)>01・2・27提訴。

 大戦中の強制連行・強制労働を理由として、ロスアンゼルス在住の韓国人男性ら4人が、旧財閥系の三井、三菱グループに対し損害賠償を請求。

67 中国人・海南島「従軍慰安婦」損害賠償請求訴訟 <東京地裁>01・7・16提訴。

 第二次世界大戦中、日本軍によって強制的に「慰安婦」とされながら、いまも名誉を回復されていないとして中国・海南島出身の女性八人が、国を相手に謝罪と1人300万円の慰謝料を請求。

68 米国人元捕虜国家賠償請求訴訟 <シカゴ連邦地裁>01・9・4提訴。

 元米兵捕虜らが第二次世界大戦中に日本軍から受けた損害として1兆ドル(約120兆円)の賠償を請求。原告は、日本軍の捕虜となり、フィリピンでの「バターン死の行進」を生き延びた元陸軍大佐メルビン・ローゼンと、捕虜たちの治療を強制された元陸軍看護婦エセル・ミレットら。

68・5 中国人強制連行・強制労働損害賠償請求新潟訴訟(第2次) <新潟地裁>00・9・12提訴。

 52事件の第2次訴訟。原告は張文彬の遺族のほか、中国人9名。

69 在韓被爆者(李在錫)地位確認等請求訴訟 <大阪地裁>01・10・3提訴。

 広島在住時に被爆した韓国人が、滞日中に得た手当受給資格を帰国後に失効させたのは違法だとして、国と大阪府を相手取り、被爆者であることの地位確認と手当支給のほか、慰謝料など205万円の賠償を請求。

70 中国残留孤児国家賠償請求訴訟 <東京地裁>01・12・7提訴。

 日本に永住帰国した中国残留孤児ら4人が、戦後長年にわたって祖国への帰還措置を講じず、帰国した後も適切な定着自立や生活保障などの施策をとってこなかったとして、日本政府に対し1人につき2000万円の損害賠償を請求。

71 中国人強制連行・強制労働損害賠償請求群馬訴訟 <前橋地裁>02・5・27提訴。

 第二次世界大戦中に強制連行され群馬県内で働かされた中国人と遺族31名が国および建設会社の鹿島とハザマを相手取り、合計4億6000万円と謝罪広告の掲載を請求。

72 中国残留孤児国家賠償請求集団訴訟 <東京地裁>02・12・20提訴。

 中国残留孤児ら637人が、国に総額約210億円の損害賠償を請求。永住帰国した残留孤児の約4分の1が参加。

73 中国人強制労働損害賠償請求福岡訴訟(第2次) <福岡地裁>03・2・28提訴。

 60・3事件の第2次訴訟。中国人39人が国と三井鉱山・三菱マテリアルに1人1100万円の損害賠償などを請求。

* 台湾人元日本軍戦死戦傷者補償請求訴訟 <東京地裁>77・8・13提訴、82・2・26判決(棄却)・判時1032号31頁、判タ463号90頁。<東京高裁>85・8・26判決(棄却)・判時1163号41頁、判タ562号90頁。<最高裁>92・4・28判決(棄却)・裁判集民164号295頁、判時1422号91頁、判タ787号58頁。

【出典】 池・五十嵐・岡田・名古(編)『日韓の相互理解と戦後補償』(日本評論社、2002年)147頁以下、岡田正則「大審院判例からみた『国家無答責の法理』の再検討(1)──朝鮮女子勤労挺身隊の動員を例として──」南山法学25巻4号(2002年)142頁以下(俵義文氏ホームページ掲載の「一覧表」を基に岡田が補充して作成したもの)を2003年5月現在で補訂した。
 この一覧表は岡田正則氏が作成されたものを氏の了承をえて、このHPに掲載させていただきました。記したお礼申上げます。(upload 2003.8.17)

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